| 2006/6/7 | 長崎旅日記:グラバー園周囲1 |
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2日目は両親・妹とハウステンボスで午後に待ち合わせていた。 一時過ぎに長崎からハウステンボス行きの電車で移動することにする。 チエックアウトすると荷物を持ち歩かねばならないが、どこをどういう順番で 回ろうかとあれこれ考える。 結局、早朝はグラバー園の周囲を散策。チエックアウト後唐人屋敷を歩くことに決める。 敢えて、グラバー園の中の見学は見送る。帰りに長崎にもう一度寄るが、その時はグラバー園の すぐ側のホテルなので、すいている時間帯を見計らって長崎の観光地のメッカは 訪れよう。 グラバー園の第二ゲートに通じる斜行エレベーターは、観光客の為につくられたものではない。 これは、長崎に住む「街の人」のためにつくられた市民の足である。ゆえに、エレベーターには 途中駅がある。地元の方々がそれぞれの階から乗ってこられるのだ。 エレベーターは一台がゆっくりと往復している。だから、「調度行ったばかり」の場合は 結構待ち時間がある。頂上駅で私がおりると交代に街の人が乗ってこられた。 しかし、その人はすぐに「閉まる」のボタンは押さない。杖をついて、歩みの遅いご老人の姿が 二人、目視圏内におられたから・・・。ご老人に転倒は禁物。雨上がりの石の道はすべりやすい。 そう。この朝は雨上がり。残念ながら少し煙っている。しかし、斜行エレベーターから更に垂直エレベーターを 乗り継いで降りたところは、長崎港を見下ろしつつ、右手には長崎の斜面に張り付く家々をも眺めることが できるビューポイント。すがすがしい雨上がりの空気と共に、眺めを一人占めする。 私以外にはだれもいない。私が育った神戸の街は「海のあるところは南、山は北」と明快だ。 しかし、長崎は細長く切り込んだ湾に港がつくられ、その湾をぐるっと山が取り囲んでいる。 伊佐山が長崎を眺める高台としては有名だが、その伊佐山を反対側から見上げる格好だ。 長崎港には大きなタンカーが二隻停留していた。この湾に、オランダやポルトガルの 帆船が乗りつけた。つい先日、長崎港にはイベントで7隻の帆船が集まったらしい。 「帆船が入るといつもと違う風がふいているのが子供なりに分かる」 港の近辺には、今のように高い建物がなく、家々の合間から、どこからでも 港が見下ろせたという。つい30年ほど前の長崎の話である。 高校時代の友人に長崎で子供時代を過ごした人がいる。長崎ドックや原爆の 話をしてくれた。彼は子供時代にこの街のどこから港を眺めていたのだろうと ふと考える。
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