| 2006/7/28 | 同窓生 |
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同窓生というのは実に不思議な存在だ。 考えてみたら48年の人生の中で、わずかに3年だけ同じ空気を吸っていた。 しかし、3年とは言っても、それぞれの個人的な付き合いレベルに落とせば 一瞬のつながりさえない人もいるし、同じクラスにいても、数度しか話したことが ないという人もいる。 でも「話したことがない」と「知らない」というのが一致しないのも また同窓生のおもしろところで、実は心ひそかに恋していて いまも目に焼きつく姿を、それぞれがお互いにこっそりと持っていたりする。 つい先日、高校の卒業30周年記念大同窓会が開かれた。 大々的な同窓会は卒業以来初めてであった。450名の卒業生のうち 現住所が確認された人が400名以上。230名が参加した。 予想外の出席率に、計算によると会場は一人一平米もないというありさま。 うれしい誤算である。 知り合いのT君は、元、クラスメイトのK子さんに「実はずっとあなたのことが好きでした」 と、告白した・・と私に報告。で、私がK子さんに「ねえ、ねえ、だれかに『ずっと好きでした』 って言われたでしょ?」って聞いているのに、本人は「ええ〜!?言われてないよ!」と答えるものだから 業をにやした私が「だってT君が、さっき『やっと告白できた』って私に言ってたわよ」と笑うと 本人は「え〜!?あれ、本気だったの??冗談だと思ってた」と目を丸くしている。 同窓生達のそんな会話を小耳に挟むたびに、私はうれしくて笑ってしまう。 「昔、片思いだった人とツーショットの写真を撮る!」と私に宣言して 同窓会に出席した友人もいる。にっこり笑った二人が写った携帯を 私もしっかり見せていただきました。 思えば16歳から18歳という年齢は、動物としての人間が本能で パートナーを求め始める時期だと思う。 あれほど、本当になにげない一言やしぐさが永遠に脳裏に焼きつく時間というのは 人生のあの時期の特権だと思う。 それぞれが歩いた30年は決して共有できないけれど、深い根っこのところで 同じ土地の養分を吸って育った同窓生には、何か安心できる空気がある。 私はこの暖かい空気のような存在の同窓生にずいぶん癒されているなあと つくづく思う今日この頃・・なのである。
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