| 2006/9/30 | ワイン・バー1 |
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とてもうまく事が運んで、私たち3人は上機嫌でタクシーに乗り込んだ。 私たち3人は同じ高校の先輩・後輩だ。「いいワインバーを知っているんですよ!」 自他共に認める「宴会部長」の後輩が「築地の郵便局まで」と 運転手に行き先を告げた。 階段入り口には「会員制」などと貼ってある。・・おいおい、大丈夫か? ドアをあけるとお香の良い香りがする。さらに地下へと階段を下り 二つ目のドアを開ける。 「あれ?このお店、変わったんですか?」どうやら、思っていたのと違ったらしい。 実はこのお店、オーナーのママは料亭のおかみでもあり、ワイン好きの趣味が高じて 開いたお店らしい。働いていたソムリエとコックがあいついでイタリアに勉強に行ったり 独立してお店を出したりしたとかで一度閉めたのだが、お客様の声もあって ついこの6月にママだけで再開したのだという。 「私、ソムリエではなくてノムリエなんですのよ」とママ。ノムリエってなんの シャレなんだろう?理解できないまま、つい笑顔でうなづいてしまう。 ビーズの刺繍があしらわれたノースリーブのグレーのワンピース。 品の良い顔立ちで、なんといっても声がいい。張りのある良く通る声だ。
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