| 2006/10/5 | 指先1 |
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私たちが中学一年生の時、大阪万博が開催された。 万博を思う時、「こんにちは、こんにちは」の張りのある歌声が頭の中をリフレインする。 なりたてほやほやの中学一年生の私達は万博に遠足に行った。坊主頭も初々しい男子生徒と セーラー服がまだ似合わない女生徒達だ。 お昼は万博広場でお弁当を広げた。私のお弁当箱に入っていた卵焼きを かすめとったヤツがいる。クラス委員長のNくん。私は副委員長。 とられて嬉しい卵焼き・・微妙な乙女心というところ。 何故か記憶に鮮明に残るワンシーン。 委員長は陸上部だった。同じクラスだったのは中学一年生の時だけ。 でも、3年生になると朝の朝礼でひんぱんに彼の名前を聞いた。 陸上部には4人衆の足の速いやつらがいた。陸上は個人競技だから 幅跳び、100メートル、200メートル、高飛び、地区大会、県大会、インターハイと 勝ち続けるとやたらに名前を朝礼で連呼される。ついに4人衆は200メートル×4でインターハイで優勝した。 日本一だ。今もその時の4人の名前を載せた表彰状は校長室に飾られているらしい。 そして、卒業30年後。私たちは初めての大同窓会開催の準備ででお互いの近況を知った。 4人衆のうち一人はスナックのマスター、一人は医師、一人は小学校の先生。 ・・そして最後の一人はもう2度と会えない場所に旅立ってしまっていた。 同窓会本番の前、マスターのお店で小さな集まりが開かれ私も参加した。 どの人にも30年ぶりに会う。来るメンバーの名前は分かっていた。 みんな、どんな姿に変わっているのだろう。委員長も来ることになっている。
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