| 2007/3/25 | Shall we dance 4 |
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「組んで踊る」時、もっとも大切なことは、まず自分自身が自分の足の上にしっかりと体重をのせ フロアをしっかりと感じ取ることが出来ているかどうかである。しかし、「組む」ということをしたとたんに人間の 感覚は相手を感じようとする。もちろん、リード&フォローを行うためには相手の存在を「感じ」 なくてはいけないのだが、これが実に実に微妙な作業で、自分の足の上に立っているつもりでも 気づくともたれていたり、拘束しあったりしているのだ。これはたとえば、踊っている途中で 瞬間的にホールドと解くとすぐに判明する。ホールドを解いても、ぐらりともせずに自分の 片足のボールのみでしっかりと立っていることができるかどうか。もし、それができれば合格だ。 優秀なダンス教師K先生は、組んだだけで、今、私の重心がどこにあるか 正確に把握することができた。ほんの1,2センチのずれも的確に指摘する。 そして、その指摘どうりに自分の重心を前後左右上下に移動させると 「ぴたり」とあるべき位置に重心がはまる。はまると私自身にもそれがはっきりと 分かった。すべての無駄な力みを消して、いとも楽々とフロアに片足の、それもボールであったり トウであったり、ごく狭い面積しかないのに立っていられるのだ。 そして、移動していく体重は実にスムーズに抜けていく。 この体重の移動が「抜けていく」という事柄も、決して言葉では説明できない。 この、言葉では説明できないことを「体感」し、「理解」することは 私に今まで経験したことのない「快感」を与えてくれた。 たとえ大雨がふろうが、大雪だろうが、レッスンを休みたくなかった。 あれほど、あの30分のレッスン時間が楽しかった日々はない。 ダンスは当然ながら「移動」しつづけているので、「瞬間」で確かに捉えることが できた自分の重心を、あっという間に見失ってしまう。 関節ひとつのこわばり、背骨のゆるみ、原因は多数にのぼり、一つを直せば一つを 見失う。でも、とにかく自分のからだの中を見つめ続け、それが見えたり見えなかったり を繰りかえしながら感覚をとぎすます作業は私の本能を喜ばせた。
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