2007/4/30しばし一人っ子

 長女が3歳と4ヶ月の時に次女が生まれた。3年4ヶ月の一人っ子の期間、長女は実に「おりこう」な 娘だった。言葉の理解が早く、1歳ぐらいから言い聞かせるとたいていのことは納得し、早くから「会話」ができた。 ところが、次女が生まれると激変。よくある話だが、やきもちを妬いたのだろう。とにかく、 朝、目がさめると同時に反抗。あれもこれもそれもどれも、全部いや! 「朝ごはんよ〜」「いや!」「ホットケーキとバナナだよ」「いや!」 「お着替えしようか〜?」「いやあ〜!」てな感じだ。

 でも、次女のことはよくかわいがり面倒をみてくれた。長女が幼稚園から帰ってくる時間は 調度次女のお昼寝の時間。同じマンションに住む人と交代で送り迎えをしていたので 帰りは私はたいてい家で待っていた。ばたばたとマンションの階段をおりてくる音で 長女が帰ってきたとすぐに分かる。バタン!と大きな音をたててドアが開き、「ゆかちゃ〜ん」と 大声で名前を呼びながらまだお昼寝中の次女の枕元に幼稚園バックを斜めがけしたまま かけつけ、「あ〜ちゃんだよ〜(おねえちゃんだよ〜の意味)あそぼおよお」とわめく。

 次女は、本当ならもっと寝ていたいのだが、お姉ちゃんと遊ぶのは楽しいので すぐにおめざめモードでハイハイしたり抱っこされたりでいそがしい。 姉妹は遠慮がないので、喧嘩も良くするが、仲直りするのも簡単。競争したり やきもちやいたり、助け合ったり、面倒みたりみられたり。 そうやっていつもにぎやかな二人だった。

 あれから22年。長女は海外で働くことになり家を出た。 今しばし、今度は次女が一人っ子だ。

 で、最近、私は気づいた。今まで、仕事で疲れて遅くに帰ってきたとき、次女は機嫌が悪かった。 しかし、最近は会社であったことをあれこれ話して、疲れて帰って来ても、私にやつあたりすることが 少ない。ブライダルの仕事で土・日がいそがしく帰宅が深夜になる次女に対し、長女は幼稚園勤務なので 日曜日は早寝して月曜日に備える。姉に気を使わなくても、思いっきり私に迷惑かけて?愚痴をこぼせる環境になったことが どうも精神的にゆとりをもたらしているようだ。

 兄弟姉妹の存在は、社会でのいろんな試練の練習台だ。 なくてはならない経験と楽しさを得る。 でも「しばし一人っ子」もどうやらなかなかいいもんらしい。

 幼少期に「しばし一人っ子」だった長女。今、「しばし一人っ子」の次女。 「これで公平かな?」と何故か感無量の母の私。

 世の中休みのゴールデンウイークが一番の激務な次女。中盤終えて、ふとそんなことを 考えた一日だった。