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〜旧「音楽雑感」のページ、音楽の話題その他を日記風に綴る〜
2005年



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2005年6月20日(月) 

 優雅な生活を送りたいと思いつつも、現実には列車の中でお弁当を食べる日が続いていて、だんだん幕の内弁当にも飽きてきたかも…。でも芸能人なんかはもっと大変なんでしょうね。きっと弁当の味も関係なくなるほど仕事とか他のことが充実しているということなのでしょう。そういう意味では、お陰様でいくらかは充実した生活をさせていただいていると言えるかもしれません。

 自分のことはさておいて、辻井伸行君のスロヴァキア・フィルとの共演が来週2回(名古屋と東京)ありますが、初リハーサル(これが唯一のリハ)は、オケがすでに全国を回っているスケジュールの関係で東京では行なえないため、地方でやることになりました。たった、1時間ほどの合わせをするために伸行氏は遠方はるばる移動しなければならなかったわけです。先日私はこれにも同行しましたが、今回彼が弾くのはショパンの2番。リハを見る限り、彼はすでに熟達者の領域。指揮者との相性もよく、合わせに関しては少なくとも何の問題もなし。いよいよ、ソリストがオケを引っ張っていくという領域に入りつつあると感じました。無理やり引っ張っていくのは伸行君の趣味ではないのですが、音楽的にイニシアティヴを取るということができる力量を持ち始めたということです。指揮者のスワロフスキー氏ももちろん素晴らしいのですが、違う言い方をすれば、指揮者からしても伸行君ほど合わせやすいピアニストはいないだろうなあ、とさえ感じました。ただ合わせやすいということではなく、音楽がなぜかピッタリ合ってしまうという感覚、そしてなぜか「ああ素晴らしい!」と感じてしまうあの感覚です。これが、今回特に感じたことです。私が言うのも変ですが、演奏会の成功への期待感が大きく膨らんできました。



2005年6月10日(金) 

 日記を更新できずにかなり時間が経ってしまった理由はいろいろありました。書く時間が本当に見つけられなかったこともありますが、肋骨の骨折騒ぎ(自分で騒いでいただけですが)で、事実参ってしまっていたことが挙げられます。医者から1〜2週間は「安静」と言われた時が、一番詰めて練習しなければならなかった2週間でもあり、いっそのこと2週間分の仕事をすべてをキャンセルして寝こんでしまおうとも考えましたが、しかし寝るのは立っているよりもよほど痛いので断念。今考えてみると、あの状態でピアノを弾きながらすべてのスケジュールをこなしたのは、ちょっと危険なことでもありました。もし自分でなくて他の人だったら、絶対「止め」に入っていたと思います。自分だとやれてしまうから恐ろしい。

 ある講座では、やはりカプースチンを弾いたりしましたが、妙に動きをセーブしている左半身に気がついた人はおそらくいなかったでしょう。演奏中にあまりノリ過ぎて、もし胸に危険な痛みがあるのを忘れて左手を大きく振り上げてしまったりなんかしたら大変なことになります。とにかく危険はやっと通りすぎました。2週間の間、痛みをこらえながらも精神的に落ち着いていられたのは、実は以前も一度、肋骨と鎖骨にヒビを入れた経験があったからなのです。(だったら少し気をつけてほしい。) だから直るのにたっぷり4週間やらそれ以上の時間がかかることを知っていたわけで、もし初めての経験だったら痛みがいつまで続くのかと不安になったことでしょう。

 痛みが激しくて気持ちも沈んでいた時に、なぜかいろんな音楽が心に深く染み入る経験をしました。例えば、ベートーヴェンの後期のピアノソナタを聴いて「なるほど、ベートーヴェンはすごく苦しかった経験をしたのだな。でもそれを本当につき抜けて、苦悩の先には本当の安らぎの世界があるということを確信したのだな。」という心境がわかったり、「なるほど、ショパンは苦しみを知ったり経験していたが、実際にはそれさえも達観していたのだな」ということが音楽を聴いてはっきりとわかった気がしました。ここまで深く感じることはあまりなかったので自分でもびっくりしましたが、きっと自分も内省的になっていたのだろうと思います。とにかく、ちょっとしたハプニングを経験したことでいろいろ勉強しました。この一件で人にあまり迷惑をかけなくて済んだことは幸いでしたが、でもこれからはもっと気をつけなくては…。




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