
イーサネット / 802.3 の信号符号化
一つの回路基板上の二つの回路がビットを交換する方法としては、「1」と「0」を表現するために電圧を上げたり下げたりする、というのがもっとも簡単でしょう。
回路は、電圧を上げ下げする正確な瞬間を知らなければなりません。なぜなら二つの回路は回路基板上のクロックを共有しているからです。
クロックによって一つの回路が電圧を上げたら、もう一つの回路も、電圧上昇を同時に知ることになるでしょう。
二つの回路がネットワークを越えて互いに送信しているときには、クロックに同期させる仕組が必要となります。
このようにして互いに、いつビットが開始して、いつ終わったのかを知ることができます。
データの信号に伴ってクロックを送る過程は「マンチェスタ」信号符号化と呼ばれます。イーサネットや IEEE802.3 のネットワークは、
トークンリングとは異なる方法でデータを表現しますが、同じクロックの仕組を使っています。
クロック信号というものは、絶え間ない拍動です。イーサネットまたは IEEE802.3 では、信号はフレームが送信されたときだけ現れます。
それ以外の状態では、ケーブルは電気的には「0」の状態です。トークンリング/802.5 では、「アクティブモニタ」と呼ばれるステーションから定期的なクロックが出されています。
受信ステーションは、受信した信号に含まれるクロックに自分のクロックを同期させます。このようにしてビットの始まりと終わりとを知ります。
この開始時点で発生したビット信号が、ビットが「1」と解釈されるか「0」と解釈されるかをを決めます。
イーサネットおよび 802.3 は、ビットの始まりが低電圧のときそれを「1」とみなし、ビットの始まりが高電圧のときそれを「0」とみなします。
結果として、ビットの真ん中で「低」から「高」になるものを「1」とし、「高」から「低」になるものを「0」として、クロックを作ります。
トークンリングとの比較
トークンリング/802.5 も、ビットの真ん中で高低が変化する同じクロック信号を使いますが、
データの符号化はビットの始まりの以外の変化によって行います。「1」はビットの始まりで、信号の変化がない状態と規定され、
「0」はビットの始まりに変化があるとき、と規定されています。変化は「高」から「低」でも「低」から「高」でもどちらでも構いません。
(ビットの真ん中のクロック変化の方向もどちらでもよいのです。)