
信頼性のあるデータリンクコネクションの設定
タイプ2の LLC はコネクション指向です。これは、データを送信する前にコネクションの確立を行うということを意味しています。
また LLC コネクション終了時にコネクションを解放するということでもあります。
セッションの確立時は、必ず以下のようになります。
#1 Requests:
LLC C D=F0 S=F0 SABME P Set Asynchronous Balance Mode Extended
#2 Replies:
LLC R D=F0 S=F0 UA F Unnumbered Acknowledgment
#1 Requests:
LLC C D=F0 S=F0 RR NR=0 P Receiver Ready; Next Expect To Receive Zero
#2 Replies:
LLC R D=F0 S=F0 RR NR=0 F Receiver Ready, Next Expect To Receive Zero
拡張非同期平衡モード( Asynchronous Balance Mode Extended )は、IBM の SNA と SDLC(同期データリンク制御プロトコル)から来ています。
IBM のメインフレームコンピュータの世界では、通信の通常のやり方は、中央制御装置からポーリングをかけるというものです。
このようなやり方を IBM では NRM 「通常応答モード: Normal Response Mode 」と呼びます。
IBM のコントローラがこのようなタイプの SDLC 通信用に設定されると、SNRM(通常応答モードの設定: Set Normal Response Mode )が呼ばれます。
IBM には SDLC の非同期平衡モードというものもあります。
これは「非同期でバランスがとれている」とみなされていました。
それは、両側のどちらからでも通信を始めることができ、相手に対し明示的な許可を得ることなく互いにデータを送ることができたからです。
これは、ポーリングによって通信を行うというのとは全く反対の考え方です。
オリジナルの SDLC 非同期平衡モードでは、受信側からの確認応答なしに 8 フレーム以上のデータを送ることは許されていませんでした。
LAN や WAN といったネットワークの出現に伴って、IBM はオリジナルの非同期平衡モードを拡張して、128 フレームまで確認応答なしで送信できるようにしました。
これが「拡張非同期平衡モード」です。この SDLC 通信モードが IEEE802 に取り入れられ、タイプ2の LLC と呼ばれるようになりました。
結果として、SABME ( Set Asynchronous Balanced Mode Extended )フレームが、メインフレームの SNA/SDLC を宿しながら LAN の世界にやってきました。
他の SDLC のモードは 802 に定義されていません。
ステーション1は SABME 要求を送るときにポールビットを立てます。(これは文字「P」の設定です。)
このビットの意味は、「送信限界の 128 フレームを送りきる前に、速やかに返事が欲しい」ということを意味しています。
ステーション2は SABME に対して、「番号のない確認応答」で応えています。
ファイナルビット( F )が設定され、これは要求に対する速やかな応答であることを示しています。
ファイナルビットは、期待はされていますが重要なものではありません。
それに対してポールビットは、速やかな確認応答を期待しているということを示している点が重要です。
次にステーション1は受信の準備ができている( RR )ので、ステーション2からフレーム番号がゼロのフレーム( NR=0 )を期待していることを示しています。
最後に、受信側も準備ができている( RR )ので、相手からフレーム番号ゼロのフレーム( NR=0 )を期待していると言っています。