
コネクションレスLLC
タイプ1の LLC はコネクションレスです。単に発信元と宛先の SAP を識別するだけです。
バージョン2のイーサタイプより少し多くの機能があるだけです。タイプ1の LLC 層には、「分析」というほどのものはありません。
実のところ、すべてのフレームがタイプ1の LLC であれば、プロトコルアナライザーの LLC 表示の部分はオフにしてしまってもよいくらいなのです。
Sniffer では、タイプ1の LLC ヘッダは以下のように表示されます。
サマリウィンドウでの表示は、、、
LLC C D=E0 S=E0 UI
詳細ウィンドウでは、、、
LLC: ----- LLC Header -----
LLC:
LLC: DSAP Address = E0, DSAP IG Bit = 00 (Individual Address)
LLC: SSAP Address = E0, SSAP CR Bit = 00 (Command)
LLC: Unnumbered frame: UI
LLC:
詳細ウィンドウのデータから、どのようにサマリウィンドウの隠された内容を翻訳するのかに注意しましょう。
サマリウィンドウの「C」という表示は、詳細ウィンドウの中でいう「コマンド( Command )」のことです。
LLC のコマンドであるということは、単に、このフレームが前のフレームの応答ではないということを意味しているだけです。
つまり、このフレームは送信側が自分の目的を以って自発的に生成したということです。
「R(応答)」は、コマンド受信の結果、送信されます。
命令や要求のようなものがないという事実に、混乱してはなりません。
「コマンド」という用語は、送信側が前のフレームに応答しているのではないということを意味するだけです。
以上は、ほんの些細な情報でしかありません。
IG(「個: Individual 」対「グループ: Group 」)ビットは、LLC の「アドレス」である SAP の識別子を指し示しています。
「グループ」の SAP は、システムの一つ以上の動作環境のために予定されたのかもしれません。
I/G ビットの部分に「グループ」が設定されているのを見かけたなら、誰がなぜそういう設定をしたのか、見付け出す必要があります。
SAP をグループで使用しているということは、設定ミスや互換性の問題につながるバグ、ネットワークの問題である可能性があります。
タイプ1の LLC フレームは番号の付かない情報フレーム、つまり「 UI : Unnumbered Information 」です。
これは LLC 層では「何もしない」ことを意味しています。
LLC は受取ったデータに何の注目も払わずに、指定された SAP に受信データを引き渡すでしょう。