
タイプII LLCにおけるやり取りの分析
コネクションが確立した後、タイプ2では互いにデータを送り合うことができます。
タイプ2で使われる通信モードは SABME と呼ばれ、これは「拡張非同期平衡モード設定」の頭文字を取っています。
( Set Asynchronous Balanced Mode, Extended )
これについては、別のところに説明があります。
SABME では、明示的な確認応答なしに 128 フレームまで送ることができますが、たいていは十分早く−2、3のフレームが来る前−確認応答がなされます。
確認応答がないままフレームが5つも続くのを見つけたら、誰が何のためにそのようなことをしているのかを確認した方がよいでしょう。
WAN が遅いことや、サーバが過負荷状態にあることを表しているかもしれません。
下のプロトコルアナライザによる表示の NS は「今送っているフレーム」( Now Sending )です。
# | DEST | SOURCE | PROTOCOL | DSAP/SSAP | Seq/Ack |
12 | B | A | LLC C | D=F0 S=F0 | I NR=0 NS=0 |
13 | A | B | LLC R | D=F0 S=F0 | RR NR=1 |
14 | A | B | LLC C | D=F0 S=F0 | I NR=1 NS=0 |
15 | B | A | LLC R | D=F0 S=F0 | RR NR=1 |
16 | B | A | LLC C | D=F0 S=F0 | I NR=1 NS=1 |
17 | A | B | LLC R | D=F0 S=F0 | RR NR=2 |
18 | A | B | LLC C | D=F0 S=F0 | I NR=2 NS=1 |
19 | B | A | LLC R | D=F0 S=F0 | RR NR=2 |
20 | A | B | LLC C | D=F0 S=F0 | I NR=2 NS=2 |
21 | B | A | LLC R | D=F0 S=F0 | RR NR=3 |
22 | B | A | LLC C | D=F0 S=F0 | I NR=3 NS=2 |
23 | A | B | LLC R | D=F0 S=F0 | RR NR=3 |
LLC のトレースを見るときにもっとも紛らわしいのは、A のシーケンス番号と B のシーケンス番号が互いに近いということでしょう。
発信元のアドレスにも十分な注意を払わなければなりません。
A のシーケンス番号が、A が B から期待する確認応答の番号であること、B のシーケンス番号が、B が A から期待している確認応答番号であることを忘れないようにしましょう。
これらは、A の番号と B の番号という、二種類の別のシーケンス番号なのです。全二重通信で送信・確認応答されるということです。
確認応答は新しいデータと一緒に送られるかもしれません(上の例では独立して送られています)。
「確認応答」には次の意味があります。つまり ステーションは、指定された番号までのすべてのフレームを受取ったということと、
次にはその次のフレームを受信することを期待しているということ、この二つを示している NR= を送信するということです。
上の例プロトコルの欄を見ると、すべてのフレームが LLC であることがわかります。
DSAP も SSAP も値は「F0」です。「F0」という番号は NetBIOS に割り当てられている番号です。
SAP 番号一覧表で他の値もわかります。
「I」という印のついているフレームは、情報フレームであり、データを運んでいるフレームであることを表しています。
「RR」は、受信準備ができているということで、受信側がさらにデータを受け入れることができることを示しています。
ところで、ステーションが「I」フレームを送るということは、これもまたさらにデータを受け入れる準備ができているということで、
「RR」フレームはデータなしの確認応答の場合に使われます。「RR」というのは、データがないときの確認応答のデフォルトフレームです。