ping は Packet InterNet Groper の略です。 grope は「手探りする、手探りして(…を)捜す[進む]」 （プログレッシブ英和中辞典 第2版 小学館 1987.）という意味です。 だから、ping というのはインターネット上を手探りで進むパケットということになるでしょうか。
ping とは ICMP（Internet Control Message Protocol）の Echo Request / Replay のことです。ICMP は経路上のどこかに障害があったときに、それを伝えるために使われるプロトコルです。 Echo Request / Replay は終点へ到達できるかどうかをテストするために使われます。 ping は Echo Request と Echo Reply の往復で一対です。
フレームフォーマットの簡単な説明です。
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例１ host1:user1{24}ping host-b
PING host-b: 64 byte packets
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=0. time=51. ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=1. time=48. ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=2. time=103. ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=3. time=97. ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=4. time=137. ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=5. time=51. ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=6. time=72. ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=7. time=72. ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=8. time=67. ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=9. time=79. ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=10. time=86. ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=11. time=59. ms
----host-b PING Statistics----
12 packets transmitted, 12 packets received, 0% packet loss
round-trip (ms) min/avg/max = 48/76/137
host1:user1{25}例２ host2:user1{107}ping host-b
PING host-b (10.11.12.13): 56 data bytes
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=0 ttl=61 time=39.615 ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=1 ttl=61 time=59.012 ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=2 ttl=61 time=40.011 ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=3 ttl=61 time=49.868 ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=4 ttl=61 time=53.703 ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=5 ttl=61 time=40.393 ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=6 ttl=61 time=51.516 ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=7 ttl=61 time=69.417 ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=8 ttl=61 time=39.618 ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=9 ttl=61 time=89.739 ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=10 ttl=61 time=47.153 ms
64 bytes from 10.11.12.13: icmp_seq=11 ttl=61 time=54.361 ms
^C
--- host-b ping statistics ---
12 packets transmitted, 12 packets received, 0% packet loss
round-trip min/avg/max/stddev = 39.615/52.867/89.739/14.112 ms
host2:user1{108}
だいたい見ての通りです。何バイトのデータ（64 bytes）が、どこから（from 10.11.12.13）、 順に（icmp_seq=）、どれくらいの時間で（time=51. ms）という意味になります。 例１と例２とで異なるのは、ttl= という部分です。TTL は Time To Live の略です。生存時間とういか、存在可能時間という意味ですね。
icmp_seq （シーケンス番号）はどの ping に応答したかを示しており、 この番号が飛んでいれば（0, 1, 2, 4... のように） Request または Replay がネットワークのどこかでなくなったことを示しています。 この loss の値が 1 % 以下であれば、問題はないでしょう。 それ以上だとネットワークのどこかに問題があると言えます。 （ この見解は Wired Digital の ネットワークエンジニア Rob Robertson によります。）
TTL はパケットが永遠に存在することを防ぐために設定される値で、ルータを一つ通過する度に一つ減ります。 したがって、TTL の値がまちまちならば、 それぞれのパケットが異なったルートを通っていることを示すことになります。 あんまりいいことではありません。
応答時間は、一般的に言って 200 ms 以下ならばよい（best）と言えます。 （ この見解も Wired Digital の ネットワークエンジニア Rob Robertson によります。）
人間工学的研究によると、レスポンスが 100 〜 200 ミリ秒以上かかると、人は「遅い」と感じるということです。 これは rfc1144 にも記載されていますが、その出典は 「Designing the User Interface : Strategies for Effective Human-Computer Interaction」 にあります。rfc1144 のデータはこの本の 1987 年版によります。その後 1997 年に第３版が出されていますが、それになんと書かれているのか、そこまでは確かめていません。あるゲームに関するサイトの ping に対する見解も参考までに示しておきます。 このサイトはここだったのですが、これももうありません。
PING 値 解説 0 - 70 ms Ethernet 直結か、専用線同士で接続した数値に匹敵します。一次プロバイダ内で、 ISDN 同士ならばお目にかかれる数値かも。どんなゲームもこれなら OK です。 71 - 200 ms 良好。リアルタイムのアクションゲームでも、ちゃんと同期して動作できます。 201 - 400 ms 平均的な数値です。日本国内のユーザ同士ならば、大体この程度の数値になります。 ゲームの実行には、ほとんど問題ありません。だだし、かなりの同期ズレを覚悟する必要があります。 401 - 700 ms 23:00 以降の回線が混みだした頃は、これぐらいの数値です。同期ズレもかなり深刻になり、 場合によっては初期データリンクの時点でセッションが確立できない場合があります。 701 - 1000 ms かなりネットワークが混んでいます。極めて運がよければ対戦できるかも知れません。 Over 1001 ms 〜 はっきりいってこれではゲームになりません。Chat でもしながら、回線が空くのを待ちましょう。 毎回毎回こんな数値しかでないようなら、ISP の変更を検討しましょう。
今（2003年）もっと速くできるでしょうね。ブロードバンド時代だから。。。