試験に出ない気象用語

気象予報士試験で出てくる言葉のほかにも、テレビなどのメディアでは、天気を解説するための様々な特殊用語が存在します。
普段、何気なく聞き流していますが、実はこの言葉にもいろいろなルールがあります。
やはり、気象解説には、正しく解説することが大切、ということで、以下のこと、結構重要かも。

私自身で気づいて、調べたものですので、まだまだ数少ないです。
今後、少しずつ増やしていきますが、皆さんが気づいた用語などがあれば、ぜひメールにて私まで教えてくださいね。



「下り坂」はあっても、「上り坂」はない
 
晴れから曇り、曇りから雨(雪)に変わっていく天気傾向を「天気は下り坂に向かうでしょう」などと表現することがよくあります。
でも、その逆で「天気は上り坂でしょう」などということはまずありません。
「天気が下り坂」の反対は、「天気が回復」というのが正しいようです。
恐らく、晴れの天気というのが、一般的な基準で、そこから落っこちていくか、また戻ってくるか、というような表現なのでしょう。


「よい天気」「悪い天気」は人によって違う!
 

少雨の時には晴れよりも雨のほうがいい天気といえます。人によって、どんな天気になって欲しいかは、人それぞれなので、安易に天気がよいとかは言わないほうが無難です。


「曇りの天気」でも、いろいろあるのだ
 

曇りの天気は、大きく分けて、、下層雲量が中・上層の雲量よりも多い場合を「本曇り」、中層雲が他の雲量よりも多い場合を「高曇り」といいます。ただ、本曇りや高曇りという言葉は、あまり天気予報の言葉として用いることはないようです。
もう一つ、上層雲量が下・中層雲量よりも多い場合を「薄曇り」といいます。こちらは、天気予報でも頻繁に使われます。なお、薄曇りは日差しが期待できることから、天気予報上では、晴れと扱われることが多いようです。


「所によりにわか雨」と「所により一時雨」の違い
 

「所によりにわか雨」は、原則として、晴れが主体のとき、「所により一時雨」は、原則として、曇りが主体のときに使います。例えば、「晴れ時々曇り、所によりにわか雨」「曇り時々晴れ、所により一時雨」というように。同じような響きでも、きっちり使い分けているのですね。


「〜のおそれ」>「比較的〜」>「〜しやすい」
 

可能性の高い順に並べてみました。「〜のおそれ」というのは、大雨などの現象が起こる可能性が高く、災害が起こりそうなときに限定して使用されます。「比較的〜」は、ある現象は現れやすいが、その程度が弱めです。平年と比較して用いることがあります。なお、「〜しやすい」というのは、「〜の日が多い」と言い換えることもあります。