紫外線のハナシ

●紫外線(Ultra Violet ray)には3種類
地球に降り注ぐ紫外線は、大きく分けて、A、B、Cの3種類あります。
いずれの紫外線も、体に有害ですが、人間への影響が微妙に違います。
そのうち、紫外線Cは、大気中の酸素やオゾン層に吸収されて、地表にはほとんど届きません。
人間が浴びる紫外線は、大半が紫外線Aで、肌の老化などの原因となります。
外での日焼けの原因となるのは、紫外線Bの仕業です。

●意外と効果的な、帽子・日傘
紫外線対策の基本は、当たり前のことですが、肌に直接紫外線を当てないようにすることです。
よって、できるだけ紫外線を避ける服装が好まれます。
長袖のシャツを着たり、素足を避けてストッキングを履いたりするのは、理想的な方法といえます。黒い色が一番、紫外線を通しにくいようです。ただ、暑い夏の日なのに、そんな暑苦しい格好をするのも考えもの。
そこで、日傘や、帽子などがおすすめです。
日傘は、素材やデザインによって効果は異なりますが、直射日光の90%以上を防いでくれると言われています。
帽子も、つばが広ければ広いほど、それだけ顔に当たる紫外線の量を少なくすることができ、効果が期待できます。麦わら帽子などが理想的です。
しかし、それでも、紫外線は完全にカットするのは難しいもの。そこで、利用したいのが、UVカット化粧品やサンスクリーン剤です。


●サンスクリーン剤を選ぶ目安

サンスクリーン剤には、大きく分けて、「SPF」と「PA」という、2種類の表示があります。
「SPF」というのは、日焼けする時間を引き延ばす目安を表しています。例えば、「SPF10」では、何も塗らないと30分で肌が赤くなる人が、塗るとその10倍の300分でようやく赤くなる、といった感じです。SPFは、Sun Protection Factorの略で、主に紫外線Bの防止効果を表します。
一方、「PA」は、紫外線Aをカットする目安で、+の数に応じて、3段階に分かれています。「PA」は、Protection grade of UVAの略です。
肌の特徴などの個人差はありますが、以下の表のように、用途に応じて、選ぶ目安があります。

PA
非常に
紫外線の強い場所や
肌の過敏な人
+++
炎天下でのレジャー、
マリンスポーツなど
++ 軽い、屋外のレジャー
スポーツなど
日常生活
(散歩や買い物)
+
10 20 30 40 50 (50+) SPF


●紫外線は食べると体にいい?
紫外線は悪者のように思われがちですが、昔から食品の中には、紫外線の恩恵を受けているものが意外と多いのです。例えば、干しシイタケ。生のシイタケを天日干しして紫外線に当てることで、ビタミンDなど、うまみや香りの成分が増してきます。また、梅干も天日干しすることで、殺菌効果とともに梅の成分がパワーアップするのです。
アジやサンマの干物も、天日干しして紫外線に当てることで、たんぱく質やカルシウムなどのミネラルが、生魚よりも豊富になります。
機械乾燥が行われるようになった現代でも、天日干しが行われるのは、こういった昔からの知恵が活きているからなのですね。