気象予報士は車の運転免許のようなもの!?

じゃあ一体気象予報士とはどういうもので、何ができるのかを説明しましょう。
よく間違えられるのですが、気象予報士というのは、テレビに出て解説を行うのは本当の仕事ではありません。天気予報の解説は、別に気象予報士でなくてもいいのです。(しかし、キャスターに「気象予報士」という肩書きがある方が説得力があるので、予報士を使用する傾向があるのは事実ですが。)

気象予報士の制度ができてから、気象予報をするための気象庁の情報を、民間気象事業者や個人でも手に入れることが容易になりました。気象庁の情報とは、様々ありますが、気象予想のための資料は気象庁のスーパーコンピューターによって計算・作成され、その予想結果が天気図・ガイダンスなどの形によって気象予報士の手元に届くのです。
そこで、気象予報士の仕事とは、気象庁から送られてきたデータを、ユーザーの用途・目的に合わせて翻訳するのです。気象予報士とはデータを読み取って、分かりやすい情報に加工をするのです。

気象予報士は、いわゆる車の運転免許のようなものと考えてみるといいと思います。
すなわち、車で言えばメーカーが車を作って、運転手がいろんな目的に沿って車を運転するように、気象庁は観測や数値計算などの基礎的なデータを提供して、気象予報士は気象庁の情報を使って目的に沿って情報を加工するのです。ただ、車を運転するには公安委員会の免許が必要なように、天気予報をするには気象庁公認の資格・気象予報士が必要なわけです。
言い換えれば、免許がないと車を運転できないように、気象予報士の資格がないと天気予報ができないということになります。

だから、ペーパードライバーがいるように、ペーパー予報士だってちゃんといます。気象予報士の試験というのは世間一般に難しいといわれますが、気象予報の現場で必要な知識の最低限に過ぎません。実際、気象会社も自前の、経験豊富な予報士をもう揃えているので、気象予報士だからといってすぐに採用してくれるわけでもなく、気象予報の分野も車の運転と同じように、長年の経験がモノをいう世界なのです。車の免許取りたては運転が危なっかしいですが車に乗っているうちに上手になっていくのと同じですね。

ただ、車の免許と気象予報士の大きな違いは、天気予報をはずしたからといって、減点や免停されることはないことですかね。(その代わり、信用を失いますが。)