ハトあげ 6/4-11
(銀行員・夏美・22才)

今年の4月 私は就職して銀行員になった
別に夢を抱いていたわけではないが 働いて2ヶ月 はやくもマンネリを感じている
イヤだなっと思っていた満員電車での通勤もすぐに慣れた
いまじゃ電車の中で新聞を4ツに畳んで読んでいる

仕事自体は単純作業の繰り返し
パソコンでクリックすれば大体の作業が進行するが
こなす量が多く もう飽きた
大きなお金が私のクリックひとつで動く
でも別にそんな意識もない
ただ数字の羅列を動かしているだけ

カウンターの中から見る銀行は 今まで見てきた銀行とまったく違った姿
最初はお客さんに見られていることに緊張感を覚えた
ずっと見られて点数をつけられている気がした
でもいまはお客さんの視線はもう私にとってはどうでもいいもの

お金を扱う仕事柄 業務終了の5時まで一歩も外には出てはいけない
だからお昼は毎日社員食堂
メニューは毎日変わるけど さすがに味付けが似てくる
飽きた
毎日変わらない食べてる時の景色ももう飽きた

朝9時に銀行に入って 夕方5時までの8時間
一歩も外に出ることは許されない
そんな生活を月曜から金曜まで週5日
毎日9時から5時まで私の時間は止まっている
学生時代にはおよそ想像しなかった私の今

ほんとにつまらない仕事 いつまで続けるんだろう
はやくもそんなことを考えている
考えているうちに気付くと寝ている
今はそんな夜がほとんど…

夜、学生時代の友達から電話が来た
私は愚痴っていた
するとその子の口からひとこと
いつも彼女が言う言葉が出てきた

飲みにいきますか

彼女の学生時代から変わらない口グセ
聞くと 笑えて元気になれた
週末に約束ができた
今週も少し楽になった気がする
週末の私の予定

飲みにいっときますか
麗 BACK
黎 HOME