横須賀市芦名地区産業廃棄物最終処分場計画(県)と私たちの主張

 神奈川県により横須賀市芦名地区に産業廃棄物最終処分場建設の計画が進められています。計画の概要は、九九年秋から工事着工し、二〇〇三年から十年間にわたって神奈川県下の産業廃棄物(全体の二%)を三浦半島の大楠山の麓に埋めようとするものです。埋めたて容量は、五六万立方メートルが計画されています。県は、九八年三月にアセス条例にもとづく地元説明会を実施しましたが、反対一色で地元合意が得られない状況です。その後、住民の側からは、意見書三万八〇〇〇通、反対署名一〇万人分、再意見書二万通が神奈川県に提出されています。

  私たちの主張は、法的に排出事業者(企業)の責任で処理すべき産業廃棄物を、なぜ、県財政が破綻寸前の現状の中で、県民の税金を使って県が肩代わりし、施設を建設する必要があるのかということです。産業廃棄物が減量されるように強力な行政指導こそ必要です。また、県が作成した「環境影響予測評価書案」の中で、煤塵や焼却灰に含まれる猛毒のダイオキシン等への対策が全く欠落していることも重大な問題です。浸出水の処理問題では、シートの破損により、地下水、河川、海への汚染が懸念されます。「稚魚の揺りかご」といわれる小和田湾の汚染は、漁民にとって死活問題です。周辺への飛散による大気や土壌汚染への対策も、風速5m以上の時搬入停止、湧水による対策だけです。強風の時現場がどうなるのか明白です。当地は、傾斜地で北武断層が横切るところでもあり、地震や豪雨による地滑り(土石流)も懸念されます。

  同地域は、首都圏近郊緑地保全区域で自然の宝庫です。オオタカ(環境庁希少種)や東京サンショウウオ(県危惧種)、キボシケシゲンゴロウ(県絶滅種)等の数少ない生息地です。動植物を守るためには、これ以上の美しい自然を破壊していくことは許されません。

  住民合意のない県の事業計画にストップがかけられるように運動しています。             細谷 均

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