T 建設計画の前提がくずれています。
  神奈川県の産廃は大幅に減っています。

 
評価書の予測 平成5年度  平成7年度  平成12年度
    2186万トン   2264万トン 2507万トン
 平成10年度の実際の調査では、1920万トンで、平成7年度の予測より344万トンの減です。「産業廃棄物は長期的に見て増加傾向にある・・・」と予測して芦名の最終処分場が必要だ、と説明してきましたが、再資源化の努力により、神奈川県でも増加どころか大幅に減少しています。
 リサイクルして再生利用していくのがこれからのありかたです。
 来年4月からは、家電リサイクル法によりリサイクル費を消費者は負担しなければなりません。公共事業で出る建築廃材も2005年度までにすべてリサイクルする方針を出しています。これから企業も生き残りをかけて100%産廃を出さない努力をしていくでしょう。益々、産廃は減少していくと思われます。
 したがって、この計画は、白紙に戻すのが当然ではないでしょうか。
●循環型社会形成推進基本法が今年の6月に制定されましたが、県は基本計画に何処まで踏み込み、計画を実施していくのかを具体的に示さないで「どうしても出てしまう廃棄物を適性に処理するために、最終処分場は必要不可欠だ」といっても誰も納得できるものではありません。
 
U.この処分場計画の前提に反対です
●「坂本芦名線(実際は平作止まり)」、を付加価値の高い跡地利用として選定理由にあげていますが、産廃の上に道路を造ること自体が安全上無謀であり、危険な道路はいりません。
●「首都圏近郊緑地保全区域」である現地は、県が関わるという理由で開発の規制をはずそうとしています。この処分場をモデルにし普及したいと県は言っていますが、これを許せば美しい山や谷は次々に破壊されていくことになります。
●県は産廃処分場のモデル事業だ、といっていますが、芦名の処分場の構造は、ダイオキシン、地域汚染問題を引き起こした東京都日の出町処分場と基本的に同じでとてもモデルとはいえません。
 
V、問題や疑問がいっぱいあるこの計画はあまりにもずさんで大反対です
●「安全」の確認は誰がどのようにするのですか。県と横須賀市との協議で、といっていますが責任の所在はまったく曖昧・責任逃れです。しゃ水シートが破れたときの住民が受ける被害に対する責任は、誰がとるのですか。
●表面をシート等で覆う計画ですが、これでは有害物を密閉することになり、シートが破れたらいつでも有害物が流れることになります。住民は永久に大量の危険物をかかえた谷の下で不安な生活を送ることを強要されることになります。さらに、密閉された状態では、廃止もできなくなるのではないでしょうか。
●北武活断層は神奈川県のA級活断層と聞いています。アセスの断層図は、専門家の調査と違った物が載せられており、県のアセス説明は、学会の定説ではありません。それでも地震が起きたとき安全と言い切れるのですか。
 横須賀市長も、「活断層については、異なる内容の調査結果や学説がある場合、最終処分場の機能維持に重要な施設をすべての活断層から離す必要がある。」と県へ意見を出しています。
●各地でしゃ水シートが破れ事故を起こしています。ボールペン等で突いて破れるかどうかという問題ではありません。地下水圧、地震による地面のずれなど、どれだけの力がシートにかかるのでしょうか。さらに、しゃ水シートは、将来どれくらいの耐用年数があるのか誰も現状ではわからないというのでは不安です。
●ダイオキシン等有害物質が多く含まれる燃え殻とばいじんが40%以上を占めます。横須賀市長も燃えがらもセメント固化が必要と最低限の安全対策を意見として出していますが、「調整できるものと考えている」という不誠実なもので、住民の安全第一の考えは微塵も見られません。
●2年前の最初の説明(環境予測評価書案)から何がどのように変わったのか。我々住民には何も知らされていないにもかかわらず、計画の安全を理解してほしいという。愚民扱いも甚だしい。風速5.5m以上では作業中止の記述がいつの間にか10分間の平均風速5.5m以上に変わっていることなど。
●資料によると環境汚染を引き起こす重金属がおおい燃えがら、ばいじん等が芦名に集中します。地下水の汚染、小田和湾の汚染(特に食物連鎖による汚染物質の濃縮)の危険を胎んだ計画です。
●ダイオキシンや重金属を多く含む産廃は、私たちの身体をむしばみ、大楠の大地、海、地下水を汚染します。芦名・大楠の未来はありません。
●21世紀は20世紀で大きく破壊した地球環境をどのように復元し守のか、が最大の課題になっています。自然環境を守ると言うことが最大の公共性です。それを否定するこの計画は時代遅れのモデルです。私たちの税金を時代遅れのやり方に使ってほしくありません。
●廃棄される原子力発電所のコンクリートや鉄筋など放射能の低いレベルのものは一般産廃とみなされ埋め立て処理されると聞いています。心配はないのでしょうか。
●処分場での硫化水素による死亡事故が起きています。ガスの発生が心配されます。
●藤沢でのダイオキシンの汚染では、このあたりまで風評被害がありました。農・海産物、地価の下落などが心配されます。
●環境ホルモンのチェック機能、処理の対策ががまったくなされていません。
●なぜ、市の下水道に処理水をつなげなければならないのでしょうか。