韓国旅行記 その2

*写真にカーソルを合わせると説明が出ます。

 

2002年9月14から16日まで韓国に行って来ました。
近くて遠い国 韓国を日本に一番近い国、韓国にする旅の2回目です。

今回のメンバーは、ご存知ガチャピン社長こと中村社長。
中村社長の取引先のY部長。
中村社長のお隣のTさんの奥さんとその娘さん(Nちゃん)。
僕の友人のSさん。Mさん。
の合計7名の旅です。

前回の渡韓から韓国にはまっている僕を見てみんなが一体何処がいいのって良く訊ねられました。
僕自身、博打をするわけでもなく、ブランドが好きなわけでもなく、勿論女遊びをするでもなく(ホンマですよ)、観光として見る物もさほど無く何が面白いのだろうと自問してみますとやはり、人間が韓国人が面白いのかもしれません。

勿論、日本人と同じで騙そうと近づいてくる人もいますが、韓国人特有のパワフルさや、したたかさ、ちょっと打ち解けた時の親しみ易さなど何か魅力を感じます。


社長が税関で・・・。

仁川空港に着くと入国手続きです。中村社長に続いて最後に僕がカウンターに行きました。

『アニョハセヨ、チャルプッタカムニダ』(こんにちは、よろしくお願いします)
今回のボクは一味違う。まずは基本会話の挨拶編です。

『この中村さんは・・・』と社長の書類に目を通しています。

『ネー カトゥ グルピエヨ』(はい 同じグループです)

『パスポートを持ってもう一度来て貰って下さい』と流暢な日本語で言われました。

『社長、パスポート持ってもう一回来いって』
おっちゃん、ちょっとうれしそうに、のそのそやってきました。
係官はパスポートと書類と顔を交互に見て『いいですよ』と返されました。

『人相悪いから戻されるねん!』前回の仕返しです。

実はこの旅行の数日前、社長と同姓同名の人間が韓国からのコピー商品の持込で摘発されていましたのでそのせいかも知れません。
今回は直前に旅行会社を通じて予約したので、全くのフリープランではなく、空港に現地案内人が迎えに来ていて、ワゴンでまず免税店に連れて行かれ、それから昼食です。



南大門ソウルの市場にて

その後、前回の旅で案内してもらった李さんと合流し、社長らが韓国に行くと必ず寄る海苔屋さんと革製品の店に行きました。
この店は南大門市場の中にあり隣同士で経営者も兄弟です。

李さん曰く南大門に皮と海苔を売っている店はたくさん在るけど信頼できる店は3軒だけでここはそのうちの1軒らしい・・。(ほんまかよー)

確かにボクも前回に続き2回目ですが、柔和な感じのする方たちで海苔の味も最高です。


初めに皮製品の店に入りました。
この店は2階建てになっていて2階には少し高級なものが置いてあります。

友人のSさんが、2階に上がったまま降りてきません。
もしかして、高いのを買わされてるのかと思い、僕も上がっていきました。
どうやら、赤いジャケットを着たり脱いだりして、迷っているようです。

聞くと55000円らしい。

韓国の人は日本人が韓国語を使うと大変喜んでくれます。
少々、間違ったって大丈夫です。日本人相手の所は皆日本語ぺらぺらですからわかってくれます。また英語と違って全く話せなくても恥ずかしくないし・・・。

片言の韓国語を話すことで値段もまけてくれます。

皆さんも、行く時は少し会話集などで覚えていくと楽しいし得しますよ。

『イゴン ピッサネヨ』(これ、高いですね)
『お客さん、いいものは高いですよ、これはほんとにいいものです』南大門市場の賑わい
『チョム サゲヘチュセヨ』(少しまけて下さい)
『これは、皮が全然違います、ほんとにいいものです』
『チョグントー サミョン サルッケヨ』(もう少し安かったら買うのですが)
『4万円にしてあげます』(おぉっ、いきなり4万に下がったぞ!)
『サゴシップンデヨ・・・。ピッサソ モッ サゲッソヨ』
(買いたいんだけど・・・。高くて買えません)
『トニ イゴパッケ オプソヨ』(お金がこれしかありません)
といって3万円を出しました。
『お客さん、それは無理です』
『クロム テッソヨ コマスミダ ト オルケヨ』
(それでは結構です ありがとう また来ます)といって降りていこうとしたら、
『わかりました。負けました。3万円でいいです』(やったぁ〜!)

ちょっと、怒ってたみたいでしたが・・・。安くなりました。

そのジャケットを持って下に降りると李さんが『これいくらになった?』値段を聞いて

『1週間前これとほとんど同じ物を45000円で買ったのに‥。よく勉強させましたね』とショックを受けてました。


ちなみに、韓国人はそんなに値切らないそうです。始めに挨拶のように少しまけてって言ってまけててくれたらよし、らしいです。

やはり一番値切るのは日本人だそうで・・・。まぁ、韓国人と日本人では元の値段が違うし損してまでは売らないから、皆さんもガンバって値切ってみてください。こんなものも売っています

これって、結構病み付きになりますヨ。

かつて、日本も市場が活気を帯びていた頃この様な光景は日常的に見られたものでしたがスーパーマーケットに取って代わった今、対面販売の面白さは無くなってしまいました。

反面、それに慣れてしまって煩わしくなくていいのですが・・・。

子供の頃、駄菓子を買ってお釣りをもらう時、おっちゃんが『はい、おつり10万円』って言って10円くれた事などを懐かしく思い出しました。

南大門市場の賑わいNちゃんも社長にまけて貰って素敵なジャケットを25000円で買っていました。

さて、お金を払おうとするとガチャピン社長が『ちょっと貸してみ』と二人からお金を預かりました。

そして、皮屋の社長に

『これ、二つで何ぼ?』

『だから、二つで55000円です』

『それはわかってんねんけど、この後隣で海苔買わなアカンやろ』

『隣でも買って下さいよ。これ以上勉強したら私儲けありません。損します』
『私のほうがチップほしいくらいです』

相手の社長もこれ以上は値引きできないと必死です。

おっちゃんは、おっちゃんでまだ楽しむつもりのようです。

『今な、日本不景気やねんな。それでも3ヶ月に1回は来てるねんで、韓国来たら必ず寄るし』

今度はおっちゃん矢庭にお金を数えだしました。

『イチ、ニー、サン、シー今、何時や?』

『2時です』

どうも、本人は落語の『時そば』のつもりのようですが、勿論韓国人には通じるわけがありませんし、大体この時間やったら損しますよね。この作戦は失敗。

おっちゃんの次の作戦はゆっくりと、数えながら1枚ずつお札を手渡ししていきます。

1万円札を4枚数えて次に千円札を10枚数えて渡していくと、

いらちの(気が短い)韓国人の社長は

『わかりました、わかりました。もう千円まけますよ』

『初めからそう云うたらええねん』と云うたかと思ったら、何をカン違いしたのかこのガチャピン社長 残りの手元にあった5千円札をそのまま相手に渡してしまいました。

『あー、それ渡したら一緒やん!』と云う周りの突っ込みの中、本人も『しまった!間違えてもた』と後悔するも時既に遅し。

『ありがとうございまーす』と55000円をしっかりと握って奥に消えていきました。


この一件のあと、それまでおとなしかったT母娘がはじけます

母:『チョット!日本から来てるねんから、まけてや!』(典型的な大阪のオバハンやん!) 

娘:『私、学生でお金ないねん。もっとまけて!』(Nちゃん、それはちょっとキッツイかも・・・。)


 


明洞にて

明洞の賑わい翌日、Y部長が仕事の関係で一足先に帰るという事で、出発までの時間、みんなとは別行動を取り二人でミョンドンの街を歩く事にしました。
実はこのY部長とは、僕が高校生の時アルバイト先で(当時彼は大学生)知り合ったのですが、エライサンになった今でも人柄は当時と全く変わりません。
ただ、変わらないのは人柄だけでなく、当時から漂うなんとなくあやしい雰囲気も20年以上経った今でもそのままというか、なお一層磨きがかかって来たというか・・・。

秘密の部屋

そんな彼と歩いていると、やはりおもろい事もやってくるようです。
Yさんがパチモン(コピー商品)を買いたいということで探すことにしました。
コピー商品は何処でも売っているのですがミョンドンの商品は質が悪いというのが一般的です。
何よりもミョンドンの朝は遅く、まだ開いてる店が少なかったのですが、その中で一軒だけ道端に小さなテーブルを出してパチモンを並べてる最中の露店が有りました。

店主は女性で近づいて商品を見てみるとこれがなかなかの出来で・・・。

『もっと他にないの?』と聞くと『チョット待ってください』と言ってせっかく並べ出した商品にクロスをかけて『こっちに来てください』と僕たちを何処かに案内するようです。

テーブルの後ろは建物で、よく見るとカーテンが掛かっていてそのカーテンをサット上に開けるとそこには幅約90センチ、高さ約170センチくらいの小さめのシャッターがありました。
ガラガラと開けるとまたカーテンがあってバイヤーに続いて入っていきました。

後ろのYさんを見ると『なんか、おもろなってきたなー、これやから、何回来ても韓国おもろいわ』とまるで探検をする少年の目になっています。

カーテンの中は、細長いうなぎの寝床のような小部屋になっていてコピー商品が所狭しと並べられています。
商品のクオリティーも高く、値段も前回行った怪しいマンションの所の半額くらい。(やっぱり、あの時騙されとったんや・・・。)

まぁ、クオリティーが高いといってもやはり、パチモンはパチモンですから
あくまでもシャレです。

もし行かれたら、これも韓国文化の一つとして楽しんでみてください。


ナイトクラブにて

乞食ショー恒例のナイトクラブ(ショーパブ)に行きました。

入ると場内は既に満員。今日の出演はオカマショー、アクロバット、ボーガンによるウイリアムテルョー、乞食ショー、オカマのワニショーなどです。

今回すごかったのは、ボーガンを使ったウイリアムテルショー。

目隠しをして後ろを向いたまま、頭に乗せたりんごを打ち抜くのですから・・・。
見ている方もヒヤヒヤもんでした。

おもろかったのは、オカマのワニショー。

ショーがおもろかったのではなくて、おもろいのはガチャピン。
このショーでは最後にオカマのおっちゃんが小ぶりのワニを連れて会場に下りてきて客の首に巻いたりしてチップをねだります。

前回行った時に社長の所に来たら『ギャーギャー』云って転げるように逃げまわって、大笑いしたのですが後で『まぁ、これくらいオバーアクションせな場が盛り上がれへんからな』と云ってました。

今回もそろそろワニが下りてくる頃になると普段動作遅いのに、スッと立ち上がり席を立とうとします。

『何処行くん?』
『ちょ、ちょっとトイレ行ってくるわ』
トイレに行った後もホールの後ろに立ったまま遠巻きに見ています。
手招きしても頑として来ません。
結局、Nちゃんがワニの餌食になりました・・・。

『ホンマはメッチャ恐いちゃうん?』
『アホ、あんなもんホンマにカブ(噛む)ったらどうすんねん!ワニやのに!』
『‥・・・。』

どうやら、真剣に恐かったみたいです。


韓国タクシー事情

今回はホテルが少し離れていた事もあって移動にタクシーをよく使いました。
韓国には3種類くらいタクシーがあって、白色、青色、黄色に色分けされています。
観光客相手なのが黄色の模範タクシーと呼ばれるものです。

文字通りこれはボッタクリのない模範タクシーです。

料金はその他のタクシーの3倍くらいですが相乗りも無く日本語の電話サポートもありますから、安心して乗れます。
運転手さんの呼び方は『キサ アジョッシ』です。直訳すると『技師おじさん』となり変な感じですが、プライドの高い韓国人は技師さんと呼ばれると喜ぶそうです。

タクシーの乗り方。

タクシーは日本と同じように手を上げて止め、又は止まってるタクシーに大声で行き先を告げてその方面に行くタクシーであれば乗せてくれます。

でも、これってなかなかできませんよね。

今回は、ネイティブ(韓国人)がタクシーを止めて行き先を告げて2班に分けた僕たちを先に乗せてくれました。
しかし、かなり後から乗ったはずのネイティブ班の方が必ず先について料金も安いのです。
どうも韓国人の乗っていない僕たちは土地感もないし遠回りされたようです。

また、お釣りも必ず誤魔化されます。

例えば、料金が4800ウォンで、5000ウォン渡すとお釣りが100ウォンしか返ってきません。
日本円でわずか10円ですが、こちらから『お釣りは良いですよ』というならともかくきっちりした日本人にはなんか釈然としません。

しかし、韓国では当たり前のことのようです。

つまり、細かい小銭のお釣りはもらわないのが習慣だそうです。
こんな時は、こちらから

『キサ アジョッシ チャンドヌン テッソヨ スゴハセヨ!』(運転手さん、お釣りは結構ですよ ごくろうさま!)

と云うとお互い気持ちよく乗れます。

ちなみに、韓国語には『ご苦労様』という言葉が2つあってその状況にあわせて使い分けます。

『スゴハショッソヨ』

1日の仕事が終わった時など、もうこれで仕事をしない時に使います。
日本語のニュアンスとしては『お疲れさまでした』に当たります。
1日の最後にガイドさんなどに使います。

『スゴハセヨ』

これは相手がまだ仕事中の時に使います。
日本語の『ごくろうさま』にあたります。
先ほどのタクシーを降りる時などに使います。

今回はタクシーの他にも地下鉄、バスにも乗りました。

地下鉄は路線図も色分けされているし駅も番号で書いてあるのでこれは、旅行者でも乗れそうですが、ソウルのバスは複雑で韓国人でも、慣れないとなかなか乗りこなせないそうです。

バスの運転は、噂には聞いていましたがやはりよく飛ばします。
車線変更も3車線一気に斜めに走っていきますから、結構スリルがあります。
しっかりと手すりつかまっていないと倒れそうになります。


近くて遠い国、韓国を日本に一番近い国、韓国にする旅の2回目でしたが、前回に比べてほんの少しだけ、ほんの半歩だけだけど近づけたかなという気がします。

これからは、もっと韓国語を勉強して話せるようになって、ちょっと地方の韓国も見て、体感したいと思います。

韓国を近くて遠い国にしているのは我々の意識です。

日韓の不幸な歴史から日本には韓国に対する差別感が今でも少なからず残っている事は否めません。

是非、一度その眼で、その肌で生の韓国を感じてほしいと思います。
勿論感じ方は人それぞれだと思いますが・・・。

また、韓国においても、過去の韓日の不幸な歴史を振り返るだけでなくアジアの代表として前向きにこれからの新たな時代を共に築いてほしいと思います。

両国民が過去の不幸な歴史から、多くの事を学ばなければなりません。


『アンニョン』


写真の世界