大古久尊天

大黒様

大古久尊天・大去垢尊天とも

大古久様
〔仏〕 三宝を守護し戦闘をつかさどった神。普通三面六臂逆髪青黒の忿怒相につくる。中国・日本では食物の神として寺などの厨房にまつられた。大黒神。
七福神の一。狩衣に似た服を着て大黒頭巾をかぶり,左肩に大袋を背負い,右手に打ち手の小槌(コヅチ)を持ち,米俵の上に座る像につくる。日本では大国主神(オオクニヌシノミコト)と習合し,福徳の神として民間の信仰を集める。
縁日
1年に6回、六斎の甲子と言い、一年のうち、60日毎に来る甲子のそれぞれの日が大黒様の縁日に成りますが、当山にては毎年、年に一回、5月18日にお祭りをしております。
大黒天神供養相承事(池上第一書)
     文永元年九月。四十三歳作。与兵衛志書。
     真蹟新加。遺八ノ四四。縮五〇三。類一六九二。

 世間の楽及び涅槃の楽を得、貧窮の衆生には福力を与へ、病ある衆生には良薬を与へ、智無き者には智者と成し、短命の者には長命と成し、悪心の者は善心と成す。
一於我朝大黒天神出現の初を申せば、仁王五十代桓武天皇の御宇に伝教大師叡山坂本に於て対談候なり。色黒く長短く形円にして目細く、額にふりし黒き烏帽子をかふり、後に袋をかつぎ、手に槌を持て同行なく只一人。伝教大師是に行逢給て汝誰人ぞと問給。我大黒天神なりと云て、貧衆生に福を為与出現すと答。色黒きは如何と問給。無明即法性の深理の表示と答ふ。長短く形円成は如何と問。是即ち万法円備を顕すなりと答。老体如何と問。久遠正覚歳長て世間相常住を顕すなりと答。独にして眷属無之如何と問。「唯我一人能為救護」との答なり。目細く笑顔成は如何と問給。「慈眼視衆生」の心なりと答。偖て後の袋は如何と問給。「福聚海無量」と答。偖て本地は如何と問。「皆令離苦得安穏楽」と答。偖て叡山へ同心有て勧請す。伝教大師貴辺一日に如何程の人を学すと問。一日に一万人学す、日本には毎日一千人可学と答。其時伝教大師曰、日に合て三千人宛可学と云大願あり。其時大黒天神曰、然ば我三千人の養育を可請取なりと答。故に尤三塔に各一尊宛大黒天神を祷、三処に勧請し日に三千人の学の衆生に福を与給。大黒天神の尊形と云者是事に非ず。普門品の「慈眼視衆生福聚海無量」と可得意なり。仍て忝も本地久遠の釈迦如来是なり。深き相伝の習如此、可秘云云。右此旨を守り大黒天神を信ずる者は、現世安穏福祐自在、来世成仏得脱疑無し。縦ひ毎月毎日信ずる事成り難き者は、六斉の申子に供物を調へ御祭祀あるべき者也。是秘中の秘なり。
 文永元年太歳甲子九月十七日          日蓮花押
兵衛志殿御返事
メール アイコン
メール
トップ アイコン
トップ