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迷探偵「波子伊太郎シリーズその1銅鐸の謎」
登場人物

自称名探偵・波子伊太郎
(自分を天才だと思っている。早とちりで誇大妄想癖がある。30歳。嫁さん募集中)

探偵助手・堂田九雄
(押しが弱い歴史オタク。大学を出たものの折りからの不況のため就職できず探偵事務所で住み込みバイト中。22歳独身)


晴れた正月2日の朝、波子探偵が徹夜の張込が終わって事務所に戻ってくると探偵助手の堂田九雄は、銅鐸発見のテレビニュースを見ていた。

波子伊太郎「あーっ寒かったよ。」

堂田九雄「それは寒かったでしょうお疲れ様でした。浮気の現場の写真撮れましたか?」

波子伊太郎「うん。撮れたよ。正月早々ホテルから腕組んで出てきたとこばっちり。女は晴れ着なんか着てやがったよ。カモフラージュなのか羽子板まで二人して持ってた。しかしホテルに羽子板だよ??馬鹿だね。ホント。でもこっちは気づかれなかったし、成功だな。しかし来る日も来る日もこんな仕事ばかり。土曜ワイド劇場のオープニングを見ただけで犯人がわかってしまうくらいの私の天才的推理力が日の目を見る日は何時になったらやってくるのだろうか?」

堂田「それって、僕にもわかりますよ!!あっそうだ波子先生、今テレビでやってたんですけどね。銅鐸って何に使われたんでしょうかね?謎ですよね」

波子伊太郎「銅鐸って、博物館とかにおいてあるやつかい?」

堂田「そうです。山の中に道路通したり、工業団地を造成したりしようとしたらたまに出土して工事関係者を困らせるアレです。弥生の人が埋めたんじゃないかって言われてます。何に使われたのかと、また何で埋めたのかっていう謎があります。学者も困ってるようです。」

波子「そんな人を困らせるものなら破壊してすてればいいのだ。」

堂田「破壊しろって、先生はもう・・。重要文化財ですよ?」

波子「重要だと?そんな重要なもんが、神社や寺ではなくて山の中から出てくるのだ。」

堂田「さあ、それが謎なんですよ。まだ神社や寺はなかったんでしょうが、何せ弥生の事ですからね。」

波子「その弥生さんとやらいう人も処分に困って埋めたに違いない!これで銅鐸の謎とやらは解けた!!今でも山の中に冷蔵庫捨てるやつとかいるだろう?」

堂田「そんな簡単なもんじゃないでしょう?」

波子「これでいいのだ。」

堂田「バカボンのパパですか!!!第1、ただすてるんなら山までもって行って、穴掘って埋めたりせずに、海や川に捨てるほうが楽でしょう?」

波子「それは、そうだな。弥生さんの細腕じゃたいへんだったろう。弥生さんは山の中に住んでんのか?」

堂田「いえ、山のふもとの住居跡らしきものがあるそうです」

波子「何!?住居跡だと、とするとこれは失踪事件か!堂田君」

堂田「いや、そんなことは・・・・。」

波子「よしっ!わかった!!!弥生さんはきっと美人でお金持ちのお嬢さんだな。とすると誘拐事件の可能性もある。うん?今、堂田君は住居跡って言っていたな?」

堂田「ええ言いましたけしど・・」

波子「よし!わかった!!!ということは家族全部が、かどわかされたわけだな。背後に大きな陰謀がありそうだ。。国家規模の犯罪だな。諜報機関に神祇伯、それにCIAやKGB、もしかしてHLAもDNAも絡んでいるのに違いない。きっと。いやそうであってほしい!!!そこで俺に出番が回ってくるのだ!」

堂田「ちょっとまってくださいよ先生・・・、どさくさまぎれに神祇伯ってなんですか!?」

波子「君のような頭の回転の鈍い者の意見を待ってる暇などない!!これは大事件だぞ。金持ちのお嬢様なら、正月に羽子板くらいはしただろうな。うん?チョット待て。君は最初、銅鐸が何に使われたか謎だと言っていたな。銅鐸はな、羽子板の元祖だ!銅鐸を振りまわしながら踊っているところを想像してみろ!」

堂田「はっ?羽子板???」

波子「そうだ、羽子板だ。銅鐸を振りまわしながら踊っているのを想像できたか?できたら、次ぎはそれが影絵芝居になってるところを思い浮かべてみろ。」

堂田「影絵?」

波子「そうだ、影絵だ。次ぎは羽根突きをしている影絵を想像しろ。そうするとどうだ。羽子板を振りまわしている影絵と銅鐸を振りまわしている影絵はほぼ同じだろう。銅鐸は鐘みたいなもんだからきっと振れば音がしたはずだ。羽根突きも打つたびに音がする。「羽根突き」はもとは「銅鐸振り」だったのだ。」

堂田「そんな馬鹿な!」

波子「子供のおもちゃを勝手に捨てたら子供はどうする?探しに行くだろ?海や川に捨てたら危険だ。下手すると溺れ死んじゃう。だから山に埋めたのだ。これで銅鐸の謎とやらは全て解決したわけだ。いよいよ富豪一家失踪事件に入ろうか?堂田君何か手がかりとかはないのか?」

堂田「手がかりって誰も失踪なんかしてませんよう」

波子「なんだそうか。ところで、その弥生さんって美人なんだろうな?堂田くん」

堂田「・・・・・・・・・・」

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