元気日記(第277号:自閉症の君でいい)10/29(日)深夜更新
〜 自閉症の君でいい 〜
君が自閉症であることを知った3歳のあの日、
パパは君を治そうと思った。
調べて、調べて、調べまくった、沢山の自閉症の書籍。
毎晩りょうまが寝たあと、インターネットで検索し続けた“自閉症”の文字。
ちょっとした情報にも飛びつき、藁をもすがる思いだった、あの頃。
あれから10年近く経ち、12歳の今。
パパは君を治そうとは思わない。
諦めたとか、そういうことではないんだ。
もし、自閉症を治せる薬が世の中に一人分だけあって、
りょうまだけにその権利が与えられたとしても、
パパは君にその薬を飲ませるか、迷うかもしれない。
いや、間違いなく飲ませないだろう。
この世の中にいる自閉傾向の方も含めた自閉症の方全員が治るならば、
喜んで飲ませたいが、
りょうまだけ治っても、何の解決にもならないからだ。
自閉症のままでいいんだよ。
頑張らなくて、いいんだよ。
だって、今、目の前にいる君が、
りょうま自身なのだから。
そのままでいいんだよ。
「普通」って何だろう。
「障がい」って何だろう。
人は自分と違うものを見つけると排除しようとする。
皆、一緒でなければならない理由なんてあるのかな。
そんな社会の方が、よっぽどおかしいことに気付いたんだ。
頭突きをされたって、引っ掻かれたって、大きな声を上げたって、
街中で、白い目で見るヤツには、見させておけばいい。
君の純粋な心、その純粋なまなざしを、パパは誰よりも知っているさ。
君から教えてもらったことは、山ほどあるよ。
何度、その君の純粋な心に救われたことだろう。
人生観も変わったよ。
人にとって何が大切なのかを教えてくれたね。
人にとって一番大切なものは
お金とか地位とか名誉とか、
そんなものじゃ無いってことを。
気がつくと、君は僕の人生の一部になっている。
たとえ会えなくても、君のことを忘れた日はないよ。
これからも自閉症の君でいいんだよ。
だって、それがりょうまなのだから。
2006年10月29日深夜
君のパパより
次回更新は、11/5深夜の予定です。 宜しければまたお会いしましょう。