元気日記(第369号:14歳になったキミへの手紙)8/3(日)23:00更新

 

 

 りょうまへ。

 

 りょうま、14歳の誕生日おめでとう。

 キミが14年前に生まれた日のこと、今でもはっきり覚えています。

 真夏の早朝。誰もいない病院の廊下で、キミの生まれるのをソワソワして待っていたパパ。

 純白のタオルに包まれたキミと出逢い、パパはどんなに嬉しかったことか・・・。

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 ただ、それからのことは、がむしゃらに生きてきたせいか、あっという間に通り過ぎて、すぐに思い出せません。

 でも、自分で毎週末に書いた過去の日記を読み返すと、あんなことやこんなことを、思い出します。

 

 今、思春期の真っ只中のキミ。

 キミの行動に、いつまでも子どもではないことを感じるこの頃です。

 気が付くと、パパも白髪が増えてきました。

 時は、確実に流れていることを感じます。

 

 

 パパは、キミのことを、いつも考えています。

 朝も、昼も、夜も、そして夢の中でも。

 一日たりと、忘れたことなんてないのです。

 

 そして今、パパはキミの将来のことを考えています。

 去年までと違い、せっかくのお休みの日でも、パパと会えない時間が増えてしまってゴメン。

 キミが、「パパ!おとーさん来るよ!ヒロシ〜!」なんて言葉を、

 お迎えに行けない週末の日でも言っていることを、パパは知ってます。

 でもパパは、そんなキミから、少しだけ意識的に、距離をおいています。

 週末の時間を、パパとの時間以外の過ごし方も、身につけて欲しいからです。

 そして、そのスキマ時間で、パパはきっと巡り合う運命にあった人たちと、沢山会っています。

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 いつか、キミの好きな、じいちゃんも、ばあちゃんも、いなくなります。

 そして、きっとかなり高い確率で、いつかパパは君の前からいなくなるでしょう。

 もちろん、パパは心も体もかなり強靭で、不死身みたいな人間だけれど、

 そんなパパでさえ、いつかキミの前からいなくなるのです。

 その時のために、今パパは動き回っています。

 

 パパにできることって、何なのだろう?

 キミが自閉症であることを知ったあの日から、パパは考え続けました。

 今でも、その結論は出ていません。

 ただ年を追うごとに、少しだけぼんやりとですが、遠くに光が見えてきています。

 きっとこの先、もっとハッキリと見えて来る気がします。

 

 今、確実に言えることは、

 キミのことを、

 そしてキミのことだけではなく、

 多くの自閉症や発達障がいを持つ人たちのために、

 そして、その周りで悩んでいる、苦しんでいる人たちのために、

 何かしてあげたい。力になりたい

 パパのできることなんて、ちっぽけなことかもしれない。

 でも、それでもいい。

 パパみたいな考えを持つ人が、一人でも二人でも、少しでも増えてくれればいいのです。

 

 多くのことを、キミは教えてくれました。

 自分にとって、大切なことは、一体何なのか。

 りょうまがパパのもとに生まれてきてくれたのは、偶然なんかじゃないこと。

 価値観も、考えも、生き方も、変りました。

 そしてたくさんのことを気付かせてくれました。

 それは、君と出逢わなければ、きっと一生気付くことができなかったことなのです。

 

 ありがとう。本当にパパのもとに生まれてきてくれて、ありがとう。

 とても、とても、大切なことに気付かせてくれて、ありがとう。

 りょうまには、感謝しても、しきれません。本当にありがとう。

 

 14歳のキミ。

 大きくなったね。

 過去に起きた、数々の悲しく悔しい出来事も、

 キミのスマイル一つで、すべて帳消しです。

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 りょうま、あらためて、14歳の誕生日おめでとう。

 そして、キミを生んでくれた、りょうまのお母さんにも感謝しようね。

 

 Happy Birthday りょうま。

 おめでとう。

 

 そして、こんなパパだけれど、これからもヨロシク。

 

 

 

                            りょうま14歳の誕生日(2008年7月31日)に

                                                キミの父より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次回更新は、8/10(日)深夜 の予定です。宜しければまたお会いしましょう。