元気日記(第381号:14年間待った言葉)10/26(日)26:30更新

 

 『 バイ、バイ 』

 

 ・・・・・・えっ?今、何て言った?

 施設Bさんで父とのお別れの際、職員さんに促されて言った、この『バイ・バイ』の言葉。

そして、再び 『 バイ、バイ 』の言葉は、りょうまの口から放たれたのです。

  

 実はりょうまにとっても、父にとっても、この“言葉”は、大変意味のある“言葉”なのです。

 HPの中に、「りょうま怪獣の足あと」という、りょうまの0歳から6歳までの、断片的な記憶を綴ったコーナーがあります。

 その中の、“1歳の足あと”の中での文章を抜粋します。

 

 言葉に関しては、記憶の中では少ないながらも色々発していたと思います。

 ただ、『バイバイ』ができなかったことは強烈な印象で忘れません。

 近所の方などがバイバイをしても彼は知らん顔、自分としてはしょうがないガキだなと思っておりました。

 そして、何よりも『りょうま!』と呼ぶ声に反応せず、呼んでも呼んでもこちらの方を見ようとしない状況には少し変だなと思っていました。

 「りょうま怪獣の足あと」“1歳の足あと”から抜粋 

 

 

 そうです。父はこの時りょうまが生まれてから初めて、彼自身の口からの『バイ、バイ』の言葉を聞いたのです。

 りょうまは今、14歳。彼の口からの『バイ、バイ』を聞くまで、14年の年月がかかりました。

 でも、その感動はたぶん、その待った年数以上のものです。

 父はりょうまと別れた後の、運転する車の中で感動をかみしめました。

 

 そう、彼の成長はとても遅いかもしれません。

けれど、その遅い分だけ、世の中の人がなんとも思わないようなことでさえ、大きな感動を与えてくれるのです。

 この『バイ、バイ』の言葉だけで、おいしい酒が飲めます。

 帰宅後、一人で缶ビールで乾杯しちゃいましたよ。。。ありがとうりょうま!!(┳∧┳)動

 

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 週の半ば、授業参観に行ってきました。

 りょうまの学校から、父の職場は車で約10分。

 なかなか予定がつかない仕事のため、急きょの空き時間での突然の参観になってしまいました。

 先生に授業参観の承諾を得て、教室前で待っていました。りょうまはどうやらトイレに行っている様子。

どうやら、りょうまには「お父さん来てるよ!」という言葉が伝えられ、ソワソワ状態になったようです。

 

しかし、教室に戻る途中、父の姿を見ても、いつものりょうまではありません

まるで、(何でパパ、こんな所にいるの?o( ^ o) プィッ!とでも、言いた気な表情です。

前回の授業参観では気になって、何度も何度も父の方へ来たことから考えると、

とても成長したりょうまの姿を、今回は見ることができました。

 

個別学習。遠くから、りょうまの姿を見ていました。

りょうまは、型嵌めのパズルや、色のついた箱に同じ色のものを入れるといった課題をしていました。

時々間違えるものの、その間違った時の、先生の表情を楽しんでいるようにさえ見えます。

(わざと?いや、分かっていないのか?)

どちらかは定かではありませんが、とにかく気分が乗ってくると、調子よく正解しています。(⌒▽⌒)ビックリ

そんなこんなで参観は終わり、父をあまり気にしないりょうまを横目に父は帰りました。

が、・・・後日談。やはり、りょうまは父がいなくなったことで、帰り際は納得できない怒りが。。。

ごめんな、りょうま。これからは、ちゃんと別れる時は『バイ・バイ』しような。

 

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 週末の土曜日、施設Bさんの中の少人数外出で、横浜動物園(ズーラシア)に行ってきました。

 りょうまは相変わらず、動物には興味なし

お気に入りの草探し+草抜きを、動物園内で繰り広げておりました。(;)オイオイ、ココハドウブツエンナンデスケド・・・

          C:\Documents and Settings\Administrator\My Documents\My Pictures\ゾウとりょうま.jpg

             動物園に来ても、動物をほとんど見ないりょうま。大人気のゾウの前でも、この通りです。

 

でも昼食は、動物園内のレストランで落ち着いて、ハンバーグ定食をペロリと完食。(;)スゲエ

 彼なりに楽しんでいることが、父にはよく分かり、私(父)自身もとても楽しい時間を過ごせました。

 帰りのワゴン車の中では、悪友?のK君の横で、お互いに見つめ合ってニコリ。

 友達とかかわる姿をあまり目にしないので、2人とも微笑ましく、これには父も笑ってしまいました!(⌒-⌒)ニコ

 そう、子供が楽しむのはもちろん、大人も一緒に楽しまなくっちゃね。。。

 父のモットーは、「自分も一緒に楽しむ」なのです。

 

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「続・父のひとりごと」でもお話ししましたが、今週初めに生死を分ける不思議な体験をしました。

今こうして、元気日記をいつものように、何も無かったように書けること。

本当に幸せな気持ちです。

運命や見えない力など、あまり信じない方で、気にしたこともなかった私ですが、

今回の出来事は、再び生まれ変わった気持ちです。

理由は分かりませんが、すべての人に感謝したい。何だかそんな気持ちでいっぱいなのです。

生かされた命。皆さんにもどういう形かは分かりませんが、これから恩返してゆきたいです。

心配をいただくメールも多数。本当に嬉しかったです。

個々にメール返信できない状態ですが、この場を借りてお礼を言いたいです。

皆さん、ありがとうございました。

これからも、『そよ風の手紙』の中から、“いつもと変わらないりょうまの父”として、発信して行きたいと思います。

よろしくお願いいたします。

 

 

 次回更新は、11/2(日)深夜 の予定です。宜しければまたお会いしましょう。

 

                                      

 

※ 音声ブログ『そよ風対談〜自閉症とともに〜』では、秋のスペシャルゲストとの対談をさせていただきました。

  今週水曜日からスタートし、毎週水曜日、全8編の対談をポッドキャスト配信してまいります。

  さて、ゲストは一体どなたなのでしょう?皆さんが、あっと驚く方です。

  今回も完全保存版です。皆さん、是非楽しみにしていてくださいね。