元気日記(第498号:死んではいけない)1/16(日)25:30更新



 りょうま。



 キミが生まれたあの日、お父さんはどんなに嬉しかったことだろう。


 腕の中で、ぼくを信じて、スヤスヤと眠るその姿。

 
 キミの軽い体重と、反比例した“命の重み”を感じた瞬間だった。


 お父さんは、その日をきっと忘れないだろう。



      




 りょうま。



 キミが自閉症と診断されたあの日、お父さんはどんなに悩んだことだろう。


 キミを見守るぼくらが、いつかいなくなったら、どうなるのだろう?


 まだ生まれてから3年のキミ横で、何十年も先の将来ことを考えたあの日。


 お父さんは、その日をきっと忘れられないだろう。
 










 りょうま。



 キミがパニックや自傷を毎日のように繰り返したあの頃、キミはどんなに苦しかったことだろう。


 言いたいことを伝えられない気持ちが、苦しいこと伝えられない状況が、どんなに辛いものなのか。


 いつも顔中、体中を爪で傷つけ、血を流していたね。


 その辛さを、まだまだ新米パパで、分かってあげられなかったあの頃。


 お父さんは、その頃のキミの苦しみを、心に刻んでゆくだろう。 



   




 りょうま。



 キミがなかなかできなかった一歩ができるたびに、どんなに嬉しくて涙を流したことだろう。


 それは他の人にとっては、成長とともに当たり前にできる何でもない“ただの一歩


 でも、キミにとっては、それを何年もかけてようやくできた“大きな一歩


 お父さんは、キミからもらった感動を、一生の宝物として生きてゆくだろう。 



     



 りょうま。


 キミが生まれたあの日から16年以上が経った。

 ぼくとりょうまが10年前に作った『そよ風の手紙』。

 お父さんは、どうしても伝えたかったんだ。

     

 ぼくらの姿は、


 デコボコで、いびつで、回り道ばかりをしていて、恰好悪いかもしれない。


 
 でも、生きていれば、


 人生は意外と楽しくて、感動も山ほどあって、

 普通に生きていたら会えなかった多くの人と巡り合い、

 一生気付けなかったかもしれない大切なことに気付かされたり、


 何よりも、今生きていること自体に感謝している自分に気付いたりする。


    
 


 だから、死んではいけない。殺してはいけない。

 苦しくなったら、辛くなったら、ここに来てほしい。


 何だか笑ってしまい、泣いている自分が、馬鹿らしくなるような、

 そんな肩の力を抜ける場所。

 いつ来ても、誰にでも、扉が開き「よく来たね、待ってたよ」と出迎えられる場所。

 そんな、ホームページにしたい。

 そんな、ホームページが有ってもいい。


 それが、「そよ風の手紙」なのです。




 また、悲しい事件が起きてしまいました。

 このようなニュースを見るたびに、僕はその力不足を感じるのです。







 今、まさに悩まれ、苦しまれている、親御さんへ


 あなたの周りには、同じ経験をしてきた先輩方、サポートしてくれる支援者が必ずいます。

 小中学生の頃、学校の中の小さな世界が、子どもたちにとってすべての世界であったように、

 今見ているあなたの世界は、実は小さな世界なのです。

 苦しいときは、自分一人で抱え込まず、助けを求めてください。

 

 人生、良いことばかりではないけれど、

 悪いことばかりでもありません。


 






     そう、「明日は明日の風が吹く」のです。



     



























次回更新は、1/23(日)深夜 の予定です。宜しければまたお会いしましょう。

                                      


※ 皆さんからメールを頂いているにもかかわらず、なかなかお返事ができず申しわけございません。

  頂きましたメールはしっかりと、拝見しております。本当にありがとうございます。