元気日記(第579号:18歳のりょうまへ)8/5(日)23:00 更新




 


りょうまへ。

 

りょうま、18歳の誕生日おめでとう。


お父さんは、今このキミへの手紙を、

釜石での被災地ボランティアを終えた、東北新幹線の中で書いています。


 

車窓の空を見ながら、キミが生まれたときのことを思い出しています。

生まれたばかりの小ちゃなりょうま。いつかウインドサーフィンで一緒にセーリングができる、そんな日を楽しみにしていたことを思い出します。

そして、キミが自閉症であることを知ったあの日から、キミの将来の姿を想像できない日々が続いたのを思い出します。

 

そして、今、

僕の目の前には、18歳になったキミがいます。

 


りょうまが生まれて18年経った今、

父親である僕は、キミと出会えたことを、何よりも感謝しています。


本当に、僕のところへ生まれてきてくれてありがとう。

僕を父親に選んでくれてありがとう。



  

キミとウィンドサーフィンでセーリングすること。

そのこと自体は叶わなかったけれど、

僕は今、それ以上の、“人生というセーリング”を、キミと一緒にしています。

それは、ちっぽけな海ではなく、人生という大海原です。

 

 

キミが18歳になって、

ようやく本来キミと共に暮らすはずだった時間を取り戻すことができそうです。

キミが高等部を卒業する3月には、家族で一緒に地域で暮らせるよう、

父さんは、今、一つずつ環境を整えています。


じいちゃんと、ばあちゃんと、りょうまと、パパで、

障がいがあっても地域で一緒に暮らせる、

そんな当たり前のくらしを実現させような。

 

待っててな、りょうま。もうすぐだよ。

 


キミが僕の息子でなければ、きっと一生気付けなかったこと。

毎日、毎日、たくさん、たくさん、もらっています。


ありがとう。


今度は父親である僕が、

すごく、すごく、頑張ってきたりょうまへ、恩返しをする番です。

 

 


                                      2011年8月5日(東北新幹線の車中にて)

                                      

                                      18歳のりょうまへ

                                                       父より










 

 次回更新は、/12(日)深夜 の予定です。宜しければまたお会いしましょう。