元気日記(第125号:多くの人に支えられて)  11/24(月) 24:00更新

  

 

 今日りょうまと公園を散歩していると、黄色茶色の落ち葉がまるで絨毯のようにあたり一面に敷き詰められている場面に遭遇しました。その中を父にイノコズチの様にぴったりとくっ付いて歩くりょうま。時々その色とりどりの絨毯に座り込んでは、その感触を楽しむように落ち葉に触れたり、掻き分けて出てきた地面の土を指で掘ったり。りょうまのお陰で、このような自然を満喫できる幸せをいつも感じています。何気ない風景や、ひらひらと予想できないような軌跡を描きながら落ちる落ち葉や、懐かしい土のにおいや、鼻の頭が冷たくなるような空気等々。これらは、りょうまとの時間を共有しなければ、味わうことができなかったものなのです。”当たり前のもの”を”当たり前と感じない”ことができるのも、30代後半の父が9歳のりょうまから教わった大きな贈り物なのです。

 しかし、このところここ神奈川県北部地方はすっかり寒くなってきました。季節はもうすっかり冬なんですね。気が付くと11月ももう後半なんですよね。早いものです。時間の経つ速度が、どんどん早く進んでいると感じる今日このごろ。皆、誰もが同じ時間であるはずなのに不思議です。りょうまが感じる時間は一体どれくらいの速さなのかな?

 ところで、近くの公園には動物がいますが、りょうまはあまり動物を見ません。久しぶりに行ったその公園で、ペンギンが泳ぐ姿に、りょうまにしては珍しく釘付け。何度も何度も泳いで行き来するペンギンを柵越しに”じ〜いっ”と長い時間見ています。彼にしては珍しいことなので、ペンギンを”じ〜いっ”と見るりょうまを、父が”じ〜いっ”と見るという、何とも摩訶不思議な光景がそこには存在しました。まわりの家族は変な風に思ったかもね。。。

 

落ち葉ライン.bmp (13318 バイト)   落ち葉ライン.bmp (13318 バイト)

 さて、先週の週中に施設”T”にて、父親懇談会がありました。障害児の母親の集まりは良く聞きますが、父親の集まりはなかなか珍しい気がします。我が家は父子家庭のため、私としては『待ってました!』とばかりのプログラム。仕事も定時に終え、急いで向かったのです。会は先輩のお父さん方の生の意見を聞くことができ、とても有意義な時間でした。もっともっと、父親が参加できる企画が各地で起これば良いのに・・・。そう感じてしまいました。そういう企画があれば、どんどん参加してみたいと思う私(父)なのであります。

 また、土曜日には児童プログラムがあり、午前中は運動、午後は芋掘りに参加してきました。運動では、りょうまの変化に驚いています。入所当時、運動している姿を見たのですが、りょうまは常に”例の雄叫び”を上げ続けていました。しかし、今回見たりょうまは、ほとんどそれをせず頑張っているのです。そして、指示に対しても少しだけサポートをしてあげると上手にこなすのです。これには、驚きと嬉しさが混同した何とも言えない喜びがじわじわ来てしまいました。午後からの芋掘りも子供たちと一緒に参加し、何かとても楽しかったのが感想です。りょうま自身は芋掘りなのか土いじりなのか分からないけれども、一緒に芋を掘り、一緒に運び、すごく楽しいのです。子供たちが一生懸命掘ったり運んだりする姿にも心が動かされました。。

 その日、普段から”T”と養護学校を送迎して頂いている方々にお会いすることができました。りょうまが日々面倒を見ていただいているにも拘らず、まだ一度も挨拶したことも無く・・・・。お会いでき、あらためてその方々の人柄にりょうまの片道1時間の通学風景が目に浮かびます。最初の頃には、”シートベルト抜けの達人”であったりょうまをシートベルトでじっとしていられる状態にして頂けたのも、この方々の努力があったからこそ。ありがたくて感謝しきれませんでした。

 

落ち葉ライン.bmp (13318 バイト)   落ち葉ライン.bmp (13318 バイト)

 10月末から医療センターに入所していたばあが、約1ヶ月ぶりに、先週金曜日退所いたしました。入所前の状態より、体の調子もすっかり良くなり、脚の痛みも和らいだ様子。相変わらず杖は突いていますが、歩く速度が格段に違います。土曜日には久しぶりにりょうまと会うことができ、過剰なくらい孫との再会を喜んでおりました。そんな訳で、週末は久しぶりに賑やかな4人家族が復活。我が家がまた、活気に満ちた空間に戻りました。医療センターでの生活は、入院をしたことが無いばあにとって、そこでの多くの方々との出会いやそして優しい心とのふれあいなど、人生の中での大きな出来事だったようです。本当に医療センターの方々には、ばあがお世話になり有り難かったです。

 ばあのことも含め、我が家は本当に多くの人に支えられて成り立っています。

 施設”T”の方々や、養護学校の先生方、サポートハウス”W”の方々、わくわくプラザのサポーター、送迎をして頂いている”S”や”F”の方々、様々な情報を頂く友人や、HPからメール頂き励まされたりなどなど。これらはほんの一部ですがまだまだ多くの方々に支えられて、我々は生活していることを心の底から感謝しています。そしてそれらの人々に助けられて初めて元気に生活ができることを私は忘れません。まさに冒頭にりょうまから教わった”当たり前のもの”を”当たり前と感じない”ことなのです。

 

 多くの人に支えられて、生きてゆく。この感謝の気持ちをいつか私も社会に恩返しするつもりです。

 

 まだまだ先のことになると思いますが、目標に向け頑張ります。

 

 

 

    次回は、11/30(日)23:00頃更新の予定です。宜しければまたお会いしましょう。

 

 ※今晩はこのあと、ひとりごとも更新します。(またのちほど・・・)