元気日記（第３７号：感動のボールパス） ３／１７（日） ２４:３０更新
いよいよ春が来ましたね。陽射しも、風も、人々の表情も完全に春です。春の訪れは、花粉症の父にとっては辛い日々ですが、りょうまは服装が身軽になった分動きやすい様で、学校でも家でもこの春の訪れを満喫している様です。と言っても、彼の場合は、どの季節でも元気さは変わりませんが・・・。
３/１６、気象庁は東京で桜（ソメイヨシノ）が開花したと発表しました。これは、平年より１２日、昨年より７日早く、統計を取り始めた１９５３年以降、最も早い開花だそうです。桜という花は日本人にとって最も季節を感じる事ができる花の一つではないでしょうか？卒業式、入学式、新年度のスタート等、日本では桜の咲く時期に別れや新たな出会いがあります。その為か、桜を見ると何かその様な場面の記憶が甦ってきます。私（父）は、数年前までは自分自身の記憶ばかり思い出しましたが、今はりょうまの養護学校の入学式や、幼稚園の入園式などりょうまに関わる出来事ばかり思い出します。そしてそれらを思い出すたび、今の彼の成長ぶりに時間の流れを感じてしまいます。
桜は咲いて、そしてすぐに散ってゆきます。この短い命だからこそ人々を引き付け、日本人の心の中に残る場面に残ってゆくのでしょう。今年もこの花の下でりょうまと多くの思い出を作りたいと思う、父なのであります。
さて、学校では相変わらず元気な生活を送っている様です。この頃、”真似すること”ができ始めてきた気がします。
例えば、月曜の朝の運動での出来事。うさぎちゃん体操というのがある様ですが、先生の真似をして一人で両足でジャンプを続けてできたとのこと。 ヤッター(^O^)／ また、音楽に時間にはまた真似してスキップができたとのこと。 すごいゾ(^O^)／
また、水曜日のボタンの課題では、穴の開いたフェルトに一人で通せるようになったり、木製のニンジンや大根も左手でおさえて、切れ目に刃先を入れぎゅっと力を入れ切れるようになったとのこと！ すごい感激です(T T)
家では食べる前に”いただきます”を覚えさせるように、その場面で何度も言うのですが、りょうまはいっこうに言う気配がありません。ところが、学校で場面は違うのですが”いっただきまーす”と朝から言っていたようです。また同様に、”ありがとうございました”も言っていたとのこと。聞いていないと思っていましたが、彼の耳には残っていたのですね。 今度は教えてる時、言えよなぁ〜(--;)
週末は桜の咲き始めた夢見ヶ崎動物公園にりょうまと散歩をしてきました。(冬にはほとんど人がいなかったのですが）ぽかぽか陽気のせいか、午前中にもかかわらず多くの人が家族連れで来ていました。りょうまは、”動物公園”を散歩しているのに、いつもの如くいっこうに動物を見ません。興味が無いのかなぁ？と思っていたのですが、冬の間工事中で見られなかった”ペンギン”が新しくオープンしていた為、入ったところ、ペンギンの動きを”ジ〜”っと見ているではありませんか。どうもペンギンの動きや、泳ぎに興味があるようです。もしかしたら、他の動物も前記のように、見ていない様で実はチラチラと見ているのかもしれません。
午後は春一番並の強風の中、東高根森林公園へ。りょうまは落ち葉や砂を拾い、この風に何度も何度もそれらを乗せて楽しんでいました。おかげで彼の顔には左右のほっぺたから横一文字に鼻の下を通り土色の鼻ヒゲが・・・・・！完全に悪ガキ完成です。
そんな悪ガキと、今日はとても感動する出来事がありました。公園の駐車場から降りる前に何か車内にあったボールが気になって、デイバッグの中に忍ばせておきました。このボールはいわゆる幼児向けのもので、ドッジボールくらいの大きさ、”おじゃる丸”のキャラクターが描いてあります。りょうまが幼児の頃買ってあげたのですが全然興味を持たず車の中に積みっぱなしでした。森林公園の丘の上の広場についたとき、それを取り出し、サッカーボールを蹴る様にりょうまにパスしました。すると、その時感動の出来事が起きたのです。りょうまはそのボールを蹴り返してくれました。一瞬、何が起きたのか目を疑いましたが、現実に起きたことの感動に浸る間もなく、もう一度パスをすると、また蹴り返してきました。夢では無いのです。私(父)は、りょうまとこうしてボールパスをするのが夢でした。普通の子供であればそれは当り前の事かもしれませんが、重度の障害のりょうまに一生それは叶わない事かもしれない、それくらいの難解な夢だったのです。わずか１・２分の出来事でしたが夢は現実となりました。りょうまからパスされたボールは夢と希望を乗せて、父の胸に響きました。ありがとう、りょうま。パパは嬉しくてたまらないよ。
それは、”諦め”という言葉が父の辞書から消えた手応えのあるパスでした。
次回は、３／２４（日)２３:００頃更新の予定です。宜しければまたお会いしましょう。