このコーナは、カシオペアA-60のようなCE2.0マシンとPHSを使用して、 差し込んでからメールの送受信とWebのブラウズができるまでを、 順を追って説明します。 もちろん、全く同じ機器でなくても、 以下のような機器であれば同じ設定ができるはずです。 (間違ってる場合は メールで教えてください。)なお、特に説明のない場合、PHSは611Sを使用しています。 また、このページにおける画面イメージの作成には、 伊藤栄一郎さんのCaptCEを使用しています。
- CE機本体
- カシオペア A-60
- Windows CE2.0が動作している機器(モバイルギア、HP620LXなど)なら 同じ設定でいけるはずです。
- PHS
- PALDIO 611S (NTT DoCoMo)
- CFインタフェースのついたフリップタイプのPHSです。 同じフリップタイプのPALDIOなら同じ設定でいけるはずです。 もちろん、64K通信ができるのはこのタイプでは611Sだけです。(1999/05/27現在)
- SII MC-P100 (DDI Pocket)
- PCカード型のPHSです。単体では通話できません。 Two-Link Data対応のMC-P110/TDも同じ設定で大丈夫です。 ただし、契約時(もしくは変更時)に サービスプロバイダのアクセスポイントを登録電話番号にする必要があります。
- PALDIO 311P + データカード DC-1P
- 最も一般的な構成です。おそらくどの型番のPHS&データカードでも 同じ設定でいけるはずです。
PHSをCEで使うといっても、 ただ差し込むだけで、ドライバのインストールなどは不要です。 (一部の機種(三菱のTL-DC100など)を除く)
差し込んで数秒待つと、ダイアログが表示されて、
「このPCカードをバッテリで使用しますか?」
というメッセージが表示されます。これには迷わず [はい]を選択してください。 実はこのメッセージは、バッテリ使用時にもAC使用時にも同じものが出るので、 ACを使用している場合には、つい[いいえ]を選択したくなりますが、 これは有名な英語版からの誤訳で、 AC使用時ならちゃんとACから電源が供給されます。
差し込んだときに出るメッセージ
[スタート] [設定] [コントロールパネル]のなかの [通信]を開き、 [ダイヤル設定]のタグを選びます。
ここの設定が曲者で、デフォルトでは発信元が[勤務先]になっています。 これはビルの内線などから0発信で外線にかけるときのための設定なので、 このままだと番号のはじめに勝手に"0"をつけるという 余計なお世話状態になります。
そこで、まず[発信元]のところで [自宅]を選択したあと、 [追加...]をタップしてPHS用の設定を作ります。 新しい発信元の名前は[611S]などの わかりやすい名前がいいでしょう。 新しい発信元が出来たら、以下の設定をします。すべて終わったら[OK]をタップして [プロパティの設定]を終了します。
- [市外局番] 070
- [ダイヤル パターン....]
なお、以下の場合はここの設定が変わります。
- [市内通話:] FG
- [市外通話:] FG
- [OK]
- 611Sで64K接続と32K接続を使い分ける場合(発信元を2つ作ります)
64Kのほう
- [市内通話:] FG#64
- [市外通話:] FG#64
32Kのほう- [市内通話:] FG#32
- [市外通話:] FG#32
- DDI Pocket系のPHSでPIAFSのアクセスポイントに接続する場合
- [市内通話:] FG##3
- [市外通話:] FG##3
通信のプロパティ
ダイヤルパターン
自分の加入しているサービスプロバイダへのダイヤルアップ接続の設定をします。 ここでは、私の加入しているHi-HOの接続を例にとり設定します。すべての設定が終わったら、[終了] をタップすると、新しいアイコンができあがります。
- [スタート] [プログラム] [通信] [リモート ネットワーク]を開き、 [新しい接続]をタップします。
[接続名]はHi-HOなど自分でわかりやすい名前にし、 [ダイヤルアップ接続]を選択したあと、 [次へ>]をタップします。
新しい接続 - [モデムの選択]のところが差し込んでいる機器の名称になっているか確認します。 611Sの場合は、"NTT_DoDoMo-PALDIO_611S_PC_CARD"となるはずです。 ここが"COM1上のヘイズ互換モデム:"となっている場合は、 プルダウンメニューから正しい機器を選択してください。
モデムの選択が出来たら、以下の設定をします。
モデムの選択 ここまで終わったら、 [次へ>]をタップします。
- [モデムの設定...]を開きます。 ここでは使用するデータカードに関する設定を行います。 なお、同じデータカードを使うダイヤルアップ接続を複数作る場合でも、 ここの設定はその都度する必要がありますので、ご注意を。
すべて終わったら[OK]をタップして [デバイスのプロパティ]を終了します。
- [ポートの設定]
- [接続環境の設定]の[通信速度]を PHSがサポートしている通信速度よりも大きな値に設定します。 64kbps対応のPHSであれば115200bpsに、 32kbps対応のPHSであれば38400bps以上の値にします。
ポートの設定 - [呼び出しのオプション]
- [待ち時間経過後に呼び出しをキャンセルする]を 58秒にします。
呼び出しのオプション - [TCP/IPの設定...]を開きます。 ここの設定は、自分の加入しているプロバイダの、 Windows95またはWindows98の設定 を参照しながら進めます。
すべて終わったら[OK]をタップして [TCP/IPの設定]を終了します。
- [全般]
- [サーバーが割り当てたIPアドレスを使用する]は、 Win95/98の[TCP/IP設定]で [サーバーが割り当てたIPアドレス] がチェックされていれば、チェックします。 ほとんどのプロバイダはここをチェックします。
- [Slipを使用する]はチェックしません。
- [ソフトウェア圧縮を使用する][IPヘッダー圧縮を使う]は、 Win95/98に同じ項目があるので、 それと同じ設定にします。
全般 - [ネームサーバー]
- [サーバーが割り当てたネームサーバーアドレス]は、 Win95/98の同じ項目がチェックされていれば、チェックします。 Win95/98で[ネームサーバーアドレスを指定する] がチェックされている場合は、この項目のチェックをはずし、 プロバイダが指定している[プライマリDNS]と[セカンダリDNS]を入力します。
ネームサーバー - [市外局番][電話番号]の欄を、プロバイダのアクセスポイント一覧から、 最寄りのPIAFS対応のアクセスポイント を選んで入力します。 64K PIAFS未対応のプロバイダで、PIASネット経由なら64K接続できる場合は、 NTT DoCoMoのページを参照してPIASネットのアクセスポイントを入力します。
電話番号
できあがったダイヤルアップ接続のアイコンをダブルタップします。すべての設定が終わったら、[接続] をタップすると、[Hi-HOに接続中]のダイアログが表示されて 接続がはじまり、メッセージが以下のように移り変わります。。
- [電話番号]の欄は、市外局番からの番号の先頭に"T"がついた表記になっている ことを確認します。(例: T035289-5011) ここでもし余計な文字が混じっている場合は、 通信のプロパティ の設定が間違っているので、 [ダイヤルのプロパティ]をタップして設定を確認します。
- [発信元]の欄は、「通信のプロパティ」の設定で作った ものが表示されていることを確認します。 見に覚えのないものが表示されている場合は、 [ダイヤルのプロパティ]をタップして選択しなおします。
- [ユーザー名]と[パスワード]の欄は、プロバイダから通知されている ダイヤルアップ接続用のユーザー名とパスワードを入力します。 ほとんどのプロバイダは、ダイヤルアップ接続用とメール送受信用の 2種類のユーザー名とパスワードがあるので、間違えないように入力します。
- [ドメイン]の欄は空欄にします。(入力が必要な場合もあります)
- [パスワードの保存]は、通常はチェックしておきますが、 万一CEを落したor盗まれた場合にダイヤルアップのアカウントを悪用されないためなら 毎回パスワードを入力する手間などなんのその....という方は チェックをはずしておいてください。
接続 すべてが正常に完了したら、[切断] をタップして、接続の確認作業を終えます。
- 「ポートをオープン中」では、 デバイスへの電源供給が開始され、初期化処理が行なわれます。 CE2.0では、Win95/98のようにデバイスが常時動作しているわけではなく、 通信時のみ動作します。
- 「ダイヤル中 'T035289-5011'」では、 アクセスポイントへPHSから発信しています。 この時、PHS側でも[DATA送信]と表示されるなどの変化が起きます。
- 「デバイスの接続完了」は、アクセスポイントと電話がつながった状態です。
- 「ユーザーを認証中」では、プロバイダ側のサーバが ユーザー名とパスワードを確認しています。
- 「ユーザー認証完了」で、ユーザー名とパスワードが正しく確認されました。
- 「接続完了」おめでとうございます。すべての設定が正しく行なわれ、 プロバイダに接続できる環境が整いました。
接続完了
接続ができるようになったので、今度はこの接続の設定を使って メールの送受信の設定を行ないます。 ここではCE2.0標準の受信トレイを使います。 市販もしくはシェアウェアなどのメーラを使用する場合は それらのマニュアルを参照してください。これでメールの設定が終わったので、実際にメールを送受信してみます。
- デスクトップの[受信トレイ] アイコンをダブルタップするか、 [スタート] [プログラム] [Pocket Outlook] [受信トレイ] を選択して、受信トレイを起動します。
- メニューバーの[作成] [オプション...] を選択し、[サービス] タグを選択します。
- [追加...]をタップします。
- [サービス]ダイアログの[サービスを選択する]で [インターネットメール] を選択し、[OK]をタップします。
- [サービス名]ダイアログの[一意の名前を入力]で、 どのプロバイダのアカウントか自分でわかりやすい名前 (たとえば Hi-HO(shine) など) を入力し、[OK]をタップします。
- [サービスの定義]ダイアログの設定をします。
ここまで終わったら、 [次へ>]をタップします。
- [接続]は、「ダイヤルアップ接続を作る」 のところで作ったダイヤルアップ接続のなかから適当なものを 選びます。 メールの送受信をするときに、ここで選んだ接続先に自動発信します。
- [POP3ホスト]には、プロバイダが指定したPOP3ホスト (単にメールサーバと書いてある場合もある)の アドレスまたはホスト名を入力します。
(例: cam.hi-ho.ne.jp)- [ユーザーID]と[パスワード]には、 メール用のユーザー名とパスワードを入力します。 ほとんどのプロバイダは、ダイヤルアップ接続用とメール送受信用の 2種類のユーザー名とパスワードがあるので、間違えないように入力します。
- [パスワードの保存]は、通常はチェックしておきますが、 万一CEを落したor盗まれた場合に 他人に勝手にメールを読まれないためなら 毎回パスワードを入力する手間などなんのその....という方は チェックをはずしておいてください。
- [SMTPホスト]には、プロバイダが指定したSMTPホスト (単にメール送信サーバなどと書いてある場合もある)の アドレスまたはホスト名を入力します。
(例: cam.hi-ho.ne.jp)- [リターンアドレス]には、 自分のメールアドレスをはじめからおわりまで入力します。
(例: shine@cam.hi-ho.ne.jp)
サービスの定義(1/3) ここまで終わったら、 [次へ>]をタップします。
- [待機中の操作が完了したら自動的に接続を切断する] を通常はチェックします。 これをチェックしておくと、メールの送受信が終わったらPHSは自動で切断されます。 PHS(PIAFS接続)は接続までのネゴの時間が短いので、 こまめに切ってもあまりストレスを感じないはずです。 電話料金節約のためにもチェックしておきましょう。
- [MIME形式で送信する]は 通常はチェックしておきます。
全般設定(2/3) すべて終わったら、 [終了]をタップして、受信トレイの設定を終えます。
- [接続とダウンロード]は、用途によってチェック部分は変わりますが、 通常は[メッセージヘッダのみ]をチェックし、 [メッセージ本文中の100行分を含む。] くらいの値でチェックしておけば十分実用にたえます。 ニュース配信などの長めのメールが多い場合は、 200行にするなど、自分の状況にあわせて調整してください。
受信トレイの設定(3/3) - [インストールされたサービス]に、今設定したサービスが追加されていれば、 [OK]をタップして終了します。 ちなみに、さっきの行数などの細かい設定は、あとからここに戻ってきて [プロパティ]をタップすれば変更できます。
メニューバーの[サービス] [接続] を選択するか、アイコンをタップすると、 [ダイヤルアップ接続]ダイアログが表示されます。 ここで[接続] をタップすると、 PHSから自動発信し、つながったら勝手にメールの送受信をして、 終わったら勝手に接続が切れるはずです。
最後はWebブラウザの設定を行ないます。 ここではCE2.0標準のPocket IEを使います。 市販もしくはシェアウェアなどのブラウザを使用する場合は それらのマニュアルを参照してください。これで設定が終わったので、実際にWebを閲覧してみます。
- デスクトップの[インターネットエクスプローラ] アイコンをダブルタップするか、 [スタート] [プログラム] [インターネットエクスプローラ] を選択して、Pocket IEを起動します。
- メニューバーの[表示] [オプション...] を選択し、[オートダイヤル] タグを選択します。
- [オートダイヤルの使用]をチェックし、 [ダイヤルアップネットワーク接続の選択]で 「ダイヤルアップ接続を作る」 のところで作ったダイヤルアップ接続のなかから適当なものを 選びます。 URL入力などの操作をしたときに、ここで選んだ接続先に自動発信します。
自動切断のあたりは好みで設定してください。
すべて終わったら、 [終了]をタップして、オプションの設定を終えます。
オートダイヤル
メニューバーの下の[アドレス]のところに 適当なURLを入力すると、 [ダイヤルアップ接続]ダイアログが表示されます。 ここで[接続] をタップすると、 PHSから自動発信し、つながったら入力したURLのページが表示されるはずです。
ちなみに、Web閲覧の場合はうっかりつなぎっぱなしということがあるので、 注意して下さい。 切断したい場合は、タスクトレイのアイコンをダブルタップして、表示されるダイアログの [切断] ボタンをタップして下さい。
作業が終わったら、PHS本体またはデータカードなどは、 ざっくり抜いてもかまいません。 Win95/98のような終了処理は不要です。御安心を。