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『女子大生会計士の事件簿』 萌さんとカッキーの読書室
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  ◆◆ 目次 1.ベストセラー読書室
  ◆◆     2.最新ビジネス書の読書室
  ◆◆     3.雑誌企画スタート!
  ◆◆     4.編集後記
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◆◆◆ベストセラー読書室◆◆◆

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 第2回   『金持ち父さん 貧乏父さん』
        ロバート・キヨサキ(著) 筑摩書房 2003年1月
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カッキー
「読書室の第2回は、ベストセラー『金持ち父さん 貧乏父さん』です。 タイトルだけなら誰でも知っていますよね」

萌さん
「そう言われると、おすぎとピーコがやっているテレビ番組 『金持ちA様 貧乏B様』もこの本のタイトルから取っているわねー」

「この本の中では、“金持ちA様”が著者の友人の父親で、“貧乏B様”が著者の実父なんですよね」

「著者の実父は、大学を3つも出ているエリート公務員。だけど貧乏。一方、友人の父親はお店を経営していて後に大金持ちになる人物。単に金持ちの秘訣を紹介するんじゃなくて、貧乏人と“対比”させることによって説明したのが、この本の唯一褒めてもいい点よねー」

「唯一なんですか!?この本はもっといっぱい良いことが書かれていますよ。『お金のために働くのではなくて、学ぶために働くんだ』とか『人々は恐怖に駆られて仕事をし続ける。そういう人はお金を多くもらっても、支出も増えるだけだ』とか」

「だってさー、要は『真面目に働く奴はバカだ。不動産を買って値上がりを待てば、誰でも大金持ちだ!』っていうことが言いたい本なんでしょうー」

「‥‥筆者もそんなにストレートには書いていませんよ」

「ただ、『金持ちは資産を手に入れる。中流以下の人たちは負債を手に入れ、 資産だと思い込む』という考えには同感だわ」

「持ち家を買う、といっても住宅ローンを組んだらそれは“負債”なんだから お金が出て行くだけ。
一方、株や不動産を買うのは将来的にお金を生むので“資産”だ、という考え方ですよね」

「その話はいい所を突いてると思うんだけど、この本の最大の欠点は“株や不動産は将来値上がりする”という前提で書かれているところよねぇ。まあ、アメリカのバブル期に成功した著者だから、こう書くのも無理はないんだろうけど、いまさらバブル期の話をされてもねー」

「でも、萌さん。『金持ちになるには自分のビジネスを持つべきだ』 という主張は、好不況は関係ないんじゃないですか」

「まあねー。あと、『金持ちと中流以下の人間の大きな違いは、 中流以下の人間がお金を手にするとまずぜいたく品を買おうとするのに対して、金持ちはぜいたく品を最後に回すことだ』 っていう指摘は、いいポイントを突いてるんじゃない」

「自分たちが『だから中流以下なんだなぁ』ということが 身にしみて分かりますよね‥‥」

「それで、カッキーの最終的な評価はどうなの?」

「読み物としてとっても面白かったので、星4つです」

「へー、面白かったのに何が減点だったのよ」

「恥ずかしいんですけど、なんだか話が長くて途中で読むのを やめちゃったんです‥‥。萌さんの採点は?」

「星2つよ」

「あ、相変わらず厳しいですねぇ‥‥」

「そうでもないわよ。経済情勢と法律も違う今の日本では実用的ではない、 そして真面目に働く気がなくなるという点では星0なんだけど、“お金持ちの考え方”がよく分かるという点を評価して星2つなんだから」

「筆者も書いてありますけど、子供のうちからこういう“お金の勉強”はする必要があるのかもしれませんね」

「この一大ブームになった『金持ち父さん 貧乏父さん』に対して、“『金持ち父さん〜』なんかは今すぐ捨てろ!”みたいなことをキャッチコピーにしてベストセラーになった反論本があるんだけど、 次回はそれを紹介するから楽しみにしていてね」

『金持ち父さん 貧乏父さん』

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480863303/

〔採点〕
カッキー ★★★★
萌さん  ★★
   計 ★6つ


◆◆◆最新ビジネス書の読書室◆◆◆

『課長の会計道』
千代田邦夫(著) 中央経済社 2004年4月

カッキー
「これまたインパクトのあるタイトル『課長の会計道』です」

萌さん
「また、どんな人が執筆しているのかと思えば、 知る人ぞ知る大先生、立命館大学の千代田教授だったのね」

「ターゲットをこんなに絞った会計本も珍しいですよね」

「絞るにしても、どうして『課長』なんかに絞るのかしら。 なんだかビミョー」

「でも、内容は面白かったですよ」

「そうなのよ。だからタイトルで損している気もするんだけど‥‥ まあ、目立つからいいのかしら」

「というわけで、本書についてはまた別の機会に紹介します」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4502243701/


◆◆◆雑誌企画スタート!◆◆◆ カッキー
「僕たちの読書室が8月より、紙面にも登場することになりました!」

萌さん
「急遽、雑誌にも連載されることになったのよね〜」

「会計資格受験生のための雑誌『会計人コース』(中央経済社)で毎月この『読書室』の会計書版が掲載されます!嬉しいですね!」

「そこで紹介する本はこのメルマガとは別だから、 またたくさん本を読まなきゃね‥‥」

「会計業界の話もできれば盛り込むつもりなので、 受験生の方はお楽しみに!」

「会計人コース」はこちら↓
http://www.chuokeizai.co.jp/course/200406/200406.html


■■■編集後記■■■

第2回はいかがでしたでしょうか。
書評については多少厳しい意見も書いていますが、 やはり作家は厳しい反対意見を覚悟の上でやっていかねばならない職業なので、出版物に対しては敢えて自他共に厳しい見方をしております。
ただ、取り上げている本は全て好きな本なので、 皆さんもぜひ自分の目でもご覧の上、内容をお確かめくださいませ。
次回(6月20日)に紹介するベストセラー読書室は『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門』 です。お楽しみに!


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