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『女子大生会計士の事件簿』 萌さんとカッキーの読書室
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2004/11/20

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  ◆◆ 目次 1.ベストセラー読書室 『粉飾バンザイ!』
  ◆◆     2.最新ビジネス書の読書室 『コーチングに燃える』
  ◆◆     3.最新メールマガジンの読書室 『財務分析』
  ◆◆     4.編集後記
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◆◆◆ベストセラー読書室◆◆◆

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   第11回  『粉飾バンザイ!』
         小堺桂悦郎(著)
         (フォレスト出版) 2004年9月
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カッキー
「今回ご紹介するのは、粉飾の手口が いろいろと書いてある中小企業の社長向けの本です」

萌さん
「表紙からして『税理士は教えてくれない!「決算」&「会計」の裏ワザ!』 『合法的「会社を守る」裏ワザ』と目立つように書かれてあるから、なんだかゲームの攻略法みたいなノリね〜」

「その中身なんですが、銀行からお金を借りるためには決算書を黒字にしないといけないので、そのための粉飾方法をアレコレと紹介している感じです」

「単純に売上を増やすんじゃすぐにバレるから、『内訳書』とかもちゃんと粉飾しようね、というのがこの本の主張みたいね」

「銀行に提出する決算書だけじゃなくて、『税務申告書』との整合性も必要になってきますから、決算書を変えるだけじゃすまないんですよね」

「それにしても、この本って致命的な欠陥があるのよねぇ」

「えっ、どこです?」

「粉飾を“合法的”だと、言っている点よ」

「やっぱりダメなんですか? でも、この本は上場企業向けじゃなくて中小企業向けですよ」

「たしかにこの場合の粉飾は“赤字→黒字”だから税収も増えるってことで、税務調査でも文句は言ってこないわ。でも、考えてもみなさい。騙されて、お金を貸すことになる銀行の立場はどうなの?」

「あっ、粉飾がバレたら銀行から訴えられる、ということですか」

「損害賠償請求されたら、まず負けるでしょうね。ただこの本は
1.つぶれない限りまずバレない
2.つぶれてバレたとしても、社長に財産は残っていない
だろうから、銀行側もわざわざ賠償請求をしてこない
3.詐欺罪に問われる可能性も高いが わざわざ警察に告発する人もいない、
ということを前提にしているんでしょうけどね」

「実質、罪には問われないということですか…」

「でもね、訴えられないから“合法的”っていうのも変だと思わない? そもそも、著者が本の中で合法的だと書いているわけじゃなくて、本の帯に“合法的”とあるだけだから、出版社側が勝手に付け足したことかもしれないけど」

「でも、表紙を見た普通の人は『粉飾って合法的にできるんだ!』と思いますよね」

「そう、そこが問題なのよ。あくまでも訴えられたら負けるし、告発されたら逮捕されるからね。そのへんを安易に“合法的”だと宣伝しているのはどうかしら」

「アメリカだったら『この本のとおりに粉飾したら捕まったじゃないか!』と出版社が訴えられるかもしれませんね」

「それで、カッキーの採点はどう?」

「星3つです。“売上の前倒し” “経費の先送り”“減価償却をしない” “消費税の税抜き表示を税込み表示にする” といった粉飾の手口がリアルで面白かったですよ。萌さんの採点は?」

「もちろん、星0よ」

「き、厳しいですねぇ」

「だって、粉飾はやっぱり違法なんだもん。本に『税理士は教えてくれない!』っていう宣伝文があるけど、当たり前よね。自分が訴えられるかもしれないんだから、知っていても教えられるわけないじゃないの」

「というわけで、萌さんがお怒りの一冊でした」

『粉飾バンザイ!』
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〔採点〕
萌さん
カッキー ★★★
   計 ★3つ


◆◆◆最新ビジネス書の読書室◆◆◆

『駆け出しマネージャーアレックス コーチングに燃える』
マックス・ランズバーグ(著) ダイヤモンド社
2004年10月

カッキー
「今回ご紹介するのは最近流行のコーチングの本です」

萌さん
「『物語+ポイントで読みやすい、わかりやすい』がウリのアレックスシリーズの第2弾よね」

「この本を読んでわかったんですけど、コーチングって、指示したり指導したりするものじゃなくて相手の能力を引き出すためにいかに導くか、というものなんですね」

「そうね。物語が半分、ポイント解説が半分だから読みやすくていいわね」

『駆け出しマネージャーアレックス コーチングに燃える』
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カッキー
「個人向けのコーチングなら、このメルマガが親しみやすくていいかもしれませんよ」

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◆◆◆最新メールマガジンの読書室◆◆◆

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 そういえば。。。
 「5分でわかる○○○○って、面白いよね〜♪」
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 「そう、これで、決算書のしくみも、日経の財務記事も○×▲■。。。」
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■■■編集後記■■■

11月に2冊本が出ますが、今年はこれで打ち止めです。

今年だけで考えると『事件簿3・4』、入門書の『会計の本です』、『簿記経理入門』 、マンガ版の『公認会計士萌ちゃん1・2』、 文庫版の『DX1・2』と計8冊が出たことになります。

去年までは年間1冊のペースだったので、今年は例年にない1年になりました。
これも応援してくださる読者の皆様のおかげです。
どうもありがとうございました。

次回は12月20日に個人的にはずっと気になっていたベストセラービジネス書を紹介いたします。
どうぞお楽しみに!