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『女子大生会計士の事件簿』 萌さんとカッキーの読書室
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  ◆◆ 目次 1.ベストセラー読書室 『座右のゲーテ』
  ◆◆     2.最新ビジネス書の読書室 『ドラッカーさん』
  ◆◆     3.編集後記
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◆◆◆ベストセラー読書室◆◆◆

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第13回  『座右のゲーテ 壁に突き当たったとき開く本』
        齋藤 孝(著)
        (光文社新書) 2004年5月
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カッキー
「今回ご紹介するのは、ベストセラー『声に出して読みたい日本語』(草思社)などでおなじみの齋藤孝教授によるドイツの文豪ゲーテの言葉の解説本です」

萌さん
「ゲーテって作家や詩人だけじゃなく、演劇の演出や劇場の設計、 科学者としても最先端の研究をしているし、政治家でもあったのよ」

「すごい人なんですね。本書でも 『一人の人間が生まれて死ぬまでの間に どれだけ自己を豊かにさせることができるかという点において、 限界に近いレベルまで達した人物であった』 って書かれていますよ」

「この本は、弟子がゲーテの会話を書き綴った 『ゲーテとの対話』(岩波文庫)をもとに書かれているんだけど、 いろんな言葉が紹介されているわよね」

「全部で31の言葉が紹介されているのですが、 ここでその一部を抜粋してみます」

“いろいろ研究してみたところで、結局実際に応用したものしか、頭にのこらないからな。”

“趣味というものは、中級品ではなく、最も優秀なものに 接することによってのみつくられるからなのだ。だから、最高の作品しか君には見せない”

“なにもかも独学で覚えたというのは、ほめるべきこととはいえず、むしろ非難すべきことなのだ”

カッキー
「ゲーテの言葉の解説が、また面白いんですよね」

萌さん
「まあ、解説がなければ、何が言いたいのかわからないしね」

「趣味の話も『最高を知れば自然と批評眼が身につく』という ことなんですよね。その解説でも、クラシックだけが最高だ というわけではなく、松田聖子や中森明菜の歌謡曲も 当時アイドルの頂点だったのだから、頂点をなすものは ジャンルの高級低俗にかかわらず楽しい、 ってことを言っていますよね」

「そうそう、そんな感じで解説がある程度軽いから とっても読みやすいわね」

「それでは、萌さんの採点なんですけど?」

「星4つよ」

「高評価ですね」

「そうね。言及しているジャンルは幅広いのに、 どれも抽象的な議論じゃなくて、ちゃんと具体的なところまで つめているのよねー」

「齋藤教授もゲーテから『具体的かつ本質的』を教わった って書いていますよね」

「カッキーの採点は?」

「星5つです!」

「久々の満点ね」

「やっぱり、この一冊でゲーテのことが だいぶんわかったような気になれるのがいいですよね」

「偉人の考え方を知るっているのは、教養になるっていうか、 自分にいい影響を与えてくれるからいいわよねー」

『座右のゲーテ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334032508/

〔採点〕
萌さん  ★★★★
カッキー ★★★★★
計 ★9つ


◆◆◆最新ビジネス書の読書室◆◆◆

『ドラッカーさんが教えてくれた 経営のウソとホント』
酒井綱一郎(著) 日本経済新聞社
2004年9月

カッキー
「ちょっと前の本なのですが、とっても読みやすい経営学の本です」

萌さん
「ピーター・ドラッカーといえば、世界的に有名な経営学者よね。 『経営』という概念を体系化した最初の人物だし」

「僕的には、いま生きている中で歴史に残る偉人といえば、 宮崎駿とドラッカーですね」

「‥‥まあ、95歳でいまだに現役だもんね」

「そして、本書はドラッカーへのインタビュー
を元に作られています」

「ドラッカーの話は2割、残りの8割は関連する事例とか なんだけどね」

「でも、ドラッカーの言葉には重みがありますよね。 『過去、日本経済を成功に導いた最大の要因は、 低コストの資金を使えたことと、 裾野の広い産業を持っていたことだ』 『現段階での情報革命は、15世紀の印刷革命に 比べれば衝撃度はまだ小さい。グーテンベルクが発明した 印刷技術によるコスト削減は今の比ではない』とか」

「要は『終身雇用とかがあったから高度経済成長が起きた』とか 『インターネットは人類にとって大きな革命だ』といった通説に 疑問を投げかけているのよね。 歴史全体からみた発言だけに、あーなるほど、と思ってしまうわね」

「より詳しい書評を『会計人コース 4月号』(中央経済社)でも 僕らがしますので、よかったらそちらもご覧ください」

『ドラッカーさんが教えてくれた 経営のウソとホント』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532311683/


■■■編集後記■■■

今年最初のメルマガです。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
次回は通常版の前に、 新刊『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の発売記念版を 発売日である2月16日頃にお送りいたします。
読者プレゼントも用意しておりますので、どうぞお楽しみに!