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『女子大生会計士の事件簿』 萌さんとカッキーの読書室
Vol.22 2005/5/22
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◆◆ 目次 1.ベストセラー読書室 『本は殺された?』
◆◆ 2.最新ビジネス書の読書室 『6冊まとめて』
◆◆ 3.編集後記
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◆◆◆ベストセラー読書室◆◆◆
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第15回 『だれが「本」を殺すのか』
佐野眞一(著)
(プレジデント社) 2001年2月
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カッキー
「今回ご紹介するのは、読書好きの人のなら必ず読んでいる、とまことしやかに言われているノンフィクション『だれが「本」を殺すのか』 通称『ホンコロ』です」
萌さん
「前々から出版業界は『出版不況だ』『知的レベルが下がった』『発行点数が多すぎる』と問題点が指摘され続けてきたんだけど、その声を決定付けたのがこの本だったよね」
「あのー、すいません。このコーナーはビジネス書のベストセラーを紹介するのでは……」
「出版業界だって、産業の一つよ。再販制度や委託販売制度という特殊性もあるけど、『モノが売れなくなって困っている』というのは、どの業界でも一緒だしね」
「出版業界から不況の一因を探ってみようというわけですね!」
「そこまで、たいそうな読み方じゃないけどね。
さてと、この本では、『大型書店の増大』『ブックオフの進出』『流通の悪さ(書店で注文してもなかなか来ない)』『図書館でもベストセラー本が並ぶ』
といったことが問題点として挙げられているんだけど、
結局『大手の一人勝ち』『新商品による新規参入』『時代遅れの流通システム』『官による民業圧迫』っていう、どっかで聞いたことがあるような話なのよね〜」
「なるほど。いろんな業界で起きている問題を出版業界を通して見ることができるんですね。それで萌さん、この本の評価は星いくつですか?」
「星3つかな。すごく面白かったんだけど、『本とは文化レベルが高いもので、それを落としてはならない』というのが話の大前提なのよね。
たしかにどんな業界でもレベルを落とすのはよくないけど、本のレベルっていったい何なのかな〜。
小難しい本が高いレベルってことなのかしら?
本をたくさん読まないとダメ人間なのかしら?って、疑問が次々とわいてくるのよね〜」
「僕は星4つですよ。とにかくインタビューの数が多いんですよね。大型書店の社長や出版社の社長、雑誌の編集長とか……。
出版業界は身近なだけに、普段目に見えない人たちの話を聞けるというは楽しいですね」
『だれが「本」を殺すのか』
http://tinyurl.com/7nzk4
〔採点〕
萌さん ★★★
カッキー ★★★★
計 ★7つ
◆◆◆最新ビジネス書の読書室◆◆◆
萌さん
「今月は紹介したい本をたくさん紹介するわよ」
1.『売れる! 販促・集客・儲けのネタ帖』
原崎裕三(著) 日本実業出版社 2005年5月
http://tinyurl.com/cz4br
カッキー
「1600円ですが、商売を成功させるネタがつまった辞典のように分厚い本です。広告、キャッチコピー、デザイン、DM、ホームページとあらゆる販促のテクニックが載っています。『ああ、なるほど』とたくさんうなずくところがありますよ」
2.『1億稼ぐ! メールマガジン私の方法』
石田健(著) 祥伝社 2005年5月
http://tinyurl.com/ct2ef
萌さん
「メールマガジンで2億円を稼ぐようになった人の話よ。いろいろ手間がかかるみたいだけど、世の中にはこうやって成功する人もいるのねー。ちなみに、この本に書いてある情報を以前は2万円で売っていたらしいわよ」
3.『世界一ワクワクする営業の本です』
山本藤光(著) 日本実業出版社 2005年5月
http://tinyurl.com/74dnp
カッキー
「全編小説で、読みながら営業スキルも身につく、という本です。ストーリーもなかなか面白いですよ。ちなみに、僕らの作者山田真哉が事前に相談を受けて、イラストを全部変えさせたという事件もあったそうです……」
4.『これだけある!お金をかけずにマスターするビジネス英語』
牧野和彦(著) 中経出版 2005年5月
http://tinyurl.com/94nft
萌さん
「無料で見ることができるメルマガや海外サイトなどを使って英語をマスターするって本よ。読んだ中では、海外のオークションサイトにチャレンジしてみる、というのは面白そうね」
5.『ランチェスター戦略「弱者逆転」の法則』
福永雅文(著) 日本実業出版社 2005年5月
http://tinyurl.com/e29xf
カッキー
「中小企業がどうやったら大企業に打ち勝つことができるか、という本なんですけど、現在のビジネス界の事例だけでなく織田信長など歴史上の人物も事例で出てくるから歴史ファンも楽しめるビジネス書です」
6.『豆大福分析からはじまる損得勘定学入門』
中元文徳(著) 中経出版社 2005年4月
http://tinyurl.com/7ezfz
萌さん
「『豆大福1コから考える会計学』って感じかしら。180ページのうち130ページが豆大福の話という不思議な会計学の本よ。会計人にはかなり“頭の体操”になると思うわ」
■■■編集後記■■■
『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』が売れてくれたおかげで、テレビ・ラジオへの出演、雑誌の取材、企業への講演会という従来あまりしていなかった仕事を数多くやるようになりました。
正直、こういう機会も今だけだと思うので楽しんでやっていますが、こういうことを何十年もやっているタレントさんって大変だろうなぁ、と実感しつつあります。
なぜなら、やっぱり本業をちゃんとやらないと勉強にならないっていうか、自分が成長できない感じがするんですよね。自分が成長していないと、「このままでいいのか?」とどうしても不安になってしまいますしね。
さて、次回は6月20日頃にお送りいたします。
どうぞお楽しみに。