■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

『女子大生会計士の事件簿』 萌さんとカッキーの読書室
                              Vol.26 2005/11/25

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

  ◆◆ 目次 1.ベストセラー読書室 『起業バカ』シリーズ攻略
  ◆◆     2.最新ビジネス書の読書室
  ◆◆     3.編集後記
_______________________________________________________________________________________________

◆◆◆ベストセラー読書室◆◆◆

------------------------------
  第20回  『起業バカ』
         渡辺 仁(著) 
         (光文社)2005年4月
------------------------------

カッキー
「今回ご紹介するのは、今年のビジネス書ベストセラーの1冊、『起業バカ』です」

萌さん
「表紙に書いてあるキャッチコピーがすごいわね。“「あなたもできる」などという起業のススメはほぼインチキだ。私も起業してみて、初めて「天国と地獄」を経験した。成功するのは1500人に1人。その1人になれると、あなたは本当にお考えか”だもんねー」

「なかなか刺激的な本ですよね」

「最近、第2弾も出たのよ。『起業バカ2 やってみたら地獄だった!』」

「……もの凄いサブタイトルですね」

「とにかく、いま盛り上がっている“起業ブーム”に冷や水を浴びせるのがこの『起業バカ』シリーズの特徴ね」

『起業バカ2 やってみたら地獄だった!』
http://tinyurl.com/cxwcd

カッキー
「この本の特徴は、数多くの起業失敗談が取り上げられているところですよね」

萌さん
「そうね。1作目で実例が22件、2作目も14件、載っているからね」

「会社時代の価値観から抜け出せない人、新聞や雑誌などの情報を盲目的に信じてしまった人、フランチャイズ本部に完全に依存しきってしまった人などの話が生々しく紹介されています」

「起業する人って、基本的には優秀な人たちが多いのにね」

「そこに慢心とかが、生まれるんですか?」

「そうね。その慢心から、自信過剰・カン違い・甘い見通しなどが出てくるんでしょうね」

「あと、著者自身の起業失敗談もありますよね」

「雑誌社を立ち上げたんだけど、すぐにお金に行き詰まり、最後には不動産取引にも手を出して、騙されて倒産でしょ。起業の難しさを著者自身が体現しているんだもんね」

「では、萌さんの採点はいかがでしょうか?」

「そうね、星5つかな」

「これまた高評価ですね」

「話として面白かったからね。実例の多さが、本としての面白さを創り出すのに成功したわね。カッキーの評価は?」

「うーん、星3つでしょうか。たしかに面白いんですが、結局、悪い奴に騙される話が多いので、なにか夢がなくなるっていうか、このままサラリーマンのほうが安全でいい、と思うのもなんか釈然としなくて……」

「でもね、著者も書いているけど『バカは成功に学んで失敗し、利口は失敗に学んで成功する』のよ。失敗から何を学ぶかは、人それぞれじゃないかしらね」

『起業バカ』
http://tinyurl.com/7rhxz
〔採点〕
萌さん  ★★★★★
カッキー ★★★
計 ★8つ


◆◆◆最新ビジネス書の読書室◆◆◆

萌さん
「今月は新刊本5冊を紹介するわよ」

1.『DVDブック 山本有花の株ネット・トレード』
  大和書房 2005年12月
  http://tinyurl.com/8hap9

萌さん
「著者の山本有花さんは、ネット株取引の“カリスマ主婦”として、これまでにもたくさんの本を出している人よ。今度出したのは、60分収録のDVD付きの本。“読んで覚える”より“見て覚える”ほうが楽だから、初心者にはいいかもね」

2.『スッキリ! たった5分間で余分なものをそぎ落とす方法』
  上大岡トメ(著) 幻冬舎 2005年11月
  http://tinyurl.com/cf87f

カッキー
「先月紹介したミリオンセラー『キッパリ!』の第2弾です。前作でとっても良かった、4コママンガ・面白イラスト・チェックリストも健在です。全60のポイントも、“夢を目標に変える”“起きたことは、すべて必然、と思う”など、前作より大きな話になっています」

3.『人生は数式で考えるとうまくいく』
  大村あつし(著) サンマーク出版 2005年10月
  http://tinyurl.com/d4v3e

萌さん
「著者はITライターとして総売り上げ100万部を超え、会社社長としても活躍されてきた方よ。それが仲間に裏切られ、社長の座を追われ、うつ病に  かかりながらも復活を果たし、この本を書いた、というもの凄い経緯をもつ本よ。実際、読んでみると数式はほとんど出てこないから安心して読んでね」

4.『【カラー図解】
  手帳、ステーショナリー、デジタル機器「超」活用ノート』
  アーク・コミュニケーションズ(編) PHP研究所 2005年12月
  http://tinyurl.com/bgq4x

カッキー
「熊谷正寿社長や二宮清純さんの手帳、名越康文先生の万年筆、森永卓郎さんのワープロ……といったビジネスパーソンたちの使っているものを紹介している本です。ビジネスをする上で何かのヒントになるかもしれません。ちなみに山田真哉も登場していて、なぜかリュックサックを紹介しています」

5.『夢をかなえる プロフェッショナル手帳術』
  季刊Think!(編) 東洋経済新報社 2005年12月
  http://tinyurl.com/bjhou

萌さん
「“達人30人に学ぶ黄金の時間管理”“自分のための時間を創り出すコンサルタントのタイムマネジメント”というコピーが並ぶ手帳本よ。手帳の紹介・使い方だけじゃなくて、時間管理術・アイデア発想法まで扱っているわ。そして、またなぜか山田真哉が出ていて“私と手帳”っていうよくわかんないテーマでしゃべっているわよ」


■■■編集後記■■■

発行日が予定より5日遅れて、すみませんでした。

最近、「最新ビジネス書の読書室」で、ビジネス書以外も取り扱うようになってしまって、すみません。

そんなに厳密なコーナーでもないので、ノンフィクションならまあいいかな、という感じでいます。

「2005年12月」という本も紹介していますが、これは本の巻末にある発行日を使っているので、先日付になっています
(雑誌でも12月なのに1月号が売ってたりしますよね。あれと似たようなものです)

さて、次回も12月20日頃にお送りすることを目指します。今年最後なので、何かいつもと違うことをしたいなぁ、と画策しています。
どうぞお楽しみに。