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『女子大生会計士の事件簿』 萌さんとカッキーの読書室
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  ◆◆ 目次 1.ベストセラー読書室 “「超」がつく税金の本!”
  ◆◆     2.最新ビジネス書の読書室
  ◆◆     3.編集後記
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◆◆◆ベストセラー読書室◆◆◆

カッキー
「今月ご紹介するのは、2003年にベストセラーになった『「超」納税法』です」

萌さん
「この著者の野口悠紀雄教授は、過去に大ベストセラー『「超」整理法』を出した人よね」

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   第21回
    『「超」納税法』
     野口悠紀雄(著) (光文社)2003年1月
     http://tinyurl.com/8uk2f
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カッキー
「法人税・所得税・相続税といろんな人が関わる税金を取り上げて、その税金のカラクリや問題点を教えてくれる本ですよね」

萌さん
「自分のベストセラーの印税問題をネタにしたり、『男はつらいよ』の登場する“たこ社長”や“とらや”を使って自営業の税金を説明する手法は面白いわね」

「あと、サラリーマン視点からみた税金の記述が多いのも特徴ですよね。“サラリーマンの給与所得控除は大きすぎる”とか“特定支出控除はほとんど使われていない”とか」

「こうしたことにも、ちゃんと解決案を提示しているのがいいわよね」

「サラリーマンは『サラリーマン法人』を作ってしまえ、という著者の提案ですよね。僕も作っちゃおうかなー、『柿本会計株式会社』」

「あんた、バカじゃないの?」

「えっ、何でですか!?」

「この『サラリーマン法人』は、執筆当時なら節税メリットがかなりあったけど、平成18年度税制改正で『役員給与の損金算入』が制限されるから節税メリットはほぼなくなるのよ」

「し、知らなかった……起業するのが夢だったのに……」

「っていうわけで、評価の方にいくけど、私は星5つよ。さまざまな税制の歴史的過程も丁寧に描かれていたし、とてもいい本だわ」

「僕は星4つでしょうか。1つ減らしたのは、話がちょっと難しくてよくわからなかったところがいくつかありまして……。そもそも税金って、難しいしものだとは思うんですけど……」


『「超」納税法』
http://tinyurl.com/8uk2f

〔採点〕
萌さん  ★★★★★
カッキー ★★★★
計 ★9つ



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2 ◆◆◆最新ビジネス書の読書室◆◆◆
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萌さん
「今月は新刊本を2冊紹介するわよ」

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1.『大阪破産』
吉富有治(著) 光文社 2005年10月
http://tinyurl.com/7r4fm
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カッキー
「腐敗と放漫財政で税金を湯水のように使ってきた大阪市。“財政再建団体”一歩手前と言われている大阪市の状況を調査した本なんですが、第1章の『未来シュミレーション・大阪底なし沼』というミニ小説がとっても面白いですよ」


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2.『商人の機微 書店人がみた顧客満足』
能勢 仁(著) 中央経済社 2006年1月
http://tinyurl.com/cq8m7
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カッキー
「本の入れ替わりが非常に激しくなっている新刊書店、ブックオフなどの 新古書店やネット書店など、書店が乱立するいまの出版業界。そんななかで商人の視点から書店の顧客満足を語った本です。他業界や海外の事例もあったり、出版史もわかるというなかなか“読者満足”な本ですよ」


■■■編集後記■■■

今年最初の発行は、運よく20日(←発行予定日)に出すことができました。

【ベストセラー読書室】のなかで話題に出した『役員給与の損金算入』問題ですが、これはこれまで小規模事業を営んでいた人が節税メリットを狙って会社をつくった、いわゆる「法人なり」を規制するための税制改正です。

※ ちょっと専門的な話をすると、同族会社の役員給与の「給与所得控除」を認めなくするので、二重控除の解消ともいえます。詳しくお知りになりたい方は、こちらのサイトをご覧ください。

「財務省 税制ホームページ」
 ↓
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/syuzei.htm


それではまた来月も過去のベストセラー、最新のビジネス書をご紹介いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。