VEニュース(情報)



VEニュース(07年06月)

先月中旬にSAVE報告をアップしました。
お読みいただいていない方もいらっしゃるかと思います。
今月はそのまま報告を残します。



佐藤だから書ける

1.SAVE Conference 最新情報

 47th SAVE Conferenceはアメリカテキサス州Houstonで5月6日から9日まで、華やかに開催された。華やかと書いたが、少し雲行きも変わってきている。華やかさは根っからの明るい人種「TEXAN」のHouston 支部、そして運営する世代の若返りが華やかさをかもし出したもの(と佐藤は推定)19回目(連続参加)の佐藤にとっては何かその影にあるものがある。それが見えないだけに気になって仕方がなかった。まずは状況を報告しよう。


1) 参加者

名簿上の参加者は230人(昨年は275)、開会式もほぼそのくらいはいたように思える。国別に見ると韓国(15)、日本(12:通訳2名含む)、中国(7)、カナダ(5)、独・英・台湾(各4)オランダ・アラブ首長国連邦・香港・アイルランド(2)そしてメキシコ、ハンガリー、サウジアラビア、シンガポール各1名の国と地域から参加、主催国アメリカは167名の参加者だった(230人の数から各国の人数を引いた)

増減のポイントを見てみると、アメリカの減少は甚だしい。過去の会長経験者、そして表彰式にずらり並ぶFellow(私もその一人だが)がぐっと減っている。そして若者も少ない。困った、困った、アメリカは個人会員制なので魅力と金額バランスが取れなければそれぞれ参加の選択肢を選ばない。(日本は企業が参加費用負担をしているし安い、また協会理事に日本の主要企業トップをずらっと並べているので動員能力は別のところに存在する。行って見たいとは日米共に思っている人は多い。ちなみにSAVE会員の参加費は表彰晩餐会と昼食を含めて$615)Strategic Planning Sessionと称して参加者によるワークショップで問題点探しと対策案立案を鼓舞したり、事前に調査したアンケート分析による会員の意識を報告(Membership Forum)したりしたが・・・マンネリが進んでいるからか(でも日本より毎年工夫がアルゾ)、会員のためのアクションが不足しているのかもしれない。古い人(FASTの偉大なる研究者BythwayやThom Kingなど )も来ていなかった点では、古い人へのお誘いは充分だったのか、それともきな臭く匂う内紛が原因か。常連で私と1995年にFellowになったDon Hannan (豪)は明らかにそのようだが・・ここで原因を明確に断定することは出来ない。日本が同じ轍にはまらないようにしなければならないことだけは事実だ。

ヨーロッパ各国からの参加減少も大きく、これはヨーロッパで大会が開かれ、新しい資格制度が生まれたからか、アラブ諸国の減少もそれに釣られてか、それともアメリカとの関係(中東政策)からか。常連国で今回不参加はインド、インドネシア、豪州、ロシアも来始めたが今年は0だった。ベトナムなどからも来始めたのに・・・。最盛期は400人を越えていたことを付記しておきたい。


2) 感動の基調講演


 今年はJonson宇宙センター(NASA)の所在地Houston が開催地。アメリカの宇宙開発は月への挑戦であるApollo計画に始まり現在の国際宇宙ステーション作りにまで繋がった大きな夢の実現が今日まで続いている。

 アポロ13号の事故(3台の酸素供給装置のうち2台が破損・不能となり、月着陸を断念して、地上部隊と飛行士が連携を取って奇跡的に無事帰還したもの)の地上から指令を送る部隊(ミッションコントロール)の責任者Fred Haise氏(彼自身も宇宙飛行士で何度も飛んでいる)が講演。1996年にChicago大会でDC-10の事故の際の操縦桿を握った機長の講演を思い出した。いかにして犠牲(人命)を少なくするか、如何に諦めないか、しかし限界も見え始めて飛行士が奥さんと電話で最期の会話をするなど緊張と最後の最後までの不眠の努力、そして3人の飛行士が無事帰還するところまでの話はまさに感動だった。我々が仕事の上で簡単に投げ出したり、諦めたりの連続だが、「真剣」の世界を教えられた。予断だが大会中に飛行士時代の彼の写真をいただいた。サイン入りで我が家の宝物が増えた。



3) 華やかさと発表内容


 主催支部がTexas州Houston 、あの明るい気質のTEXANたちの企画で、毎夜生バンドやダンスが久々に組み入れられたが、奥さん連れはとうとう地元を含めて0になった。(正確には1組=Luis Venegas夫妻、奥さんもVEr.)

夜の華やかさに比べ発表は低調だった。

最も人を集めたJerry Koufman と英国の大学教授のRoy Woodhead(SAVEの論文審査委員長)との共同発表も欧州の大会の再演であり、最も集めたとは言え陰りも見えた。メソッドが影を潜めている。研究者がいないのか、求める人がいないのか、あってもインパクトが薄いのか、一頃、VMやDFMA、田口メソッド、TRIZ、6σ等のブームの火付け役がこの場であった(ちょっと言い過ぎとは思う)が、Managementや新しいメソドロジーやテクニックの発表は少なくなり、事例発表が中心になってしまって興味をそいでいる事が要因かもしれない。

松田(節夫=フジタ)さんが「2時間VE」を発表された。久々に日本人が日本人以外の多くの人を集めた発表になった。ここ数年このようなことはなかったと記憶している。日本人のサクラの聴講で10人とか15人がせいぜいだった。今まで日本離れかとも思ったが内容を見て集まるものだと改めて関心した。タイトルも良いし、日米共にタイトルのような事が出来るなら理想であって興味は深い。大会前にCraig Squiresさん(まだ30代か、今年2月に急遽国際担当副会長になった)のお宅でメジャーリーグの野球を見に行く前の雑談では、彼はとても興味があると言っていたが、Jerry(Kaufman)は相変わらず興味を示さなかった。2時間で出来るはずがないと決め付けている。このギャップも面白かった。

しかし、興味を注いだのは事実で、「頑張ろう日本」と言いたい。改善事例などは受けない。応用性の高い考え方やシステムの変更などに関わる技術論やシステム論などの良いテーマを選んで送り込む必要があるように思う。




(写真1:発表する松田さん)    



  (写真2:Texan Style Partyでダンスを

習う佐藤、首にカウボーイスカーフを巻く)



4) 変わり始めたSAVE:役員の急激な若返り

 最終日に次期会長にバトンが渡される仕組みが恒例だが、今回は会長(Terry Haise)が欠席し、開会から次期会長が進行を担当した。新会長も、副会長(たくさんいる)も過去論文やセミナーで名をはせた人たち(そもそもそういう人=Mice Cookさんなどが来なくなった・・・?)が消えつつあるのか、Boardメンバーは一気に若返りが始まった。私が参加し始めた20年前は、Bill LenzerとJerry Koufmanの両巨頭とそれぞれの傘下に集う強力な軍団がいたものだ。Billは亡くなり、Jerryも理論の影響力は今も揺るがないが、組織へは力は及ばなくなっている。でも政府との関係はしっかり継続しているようで、大会終了後の木曜日には同地で政府関係のVE大会が開かれる。



5) NASAに行った、メジャーリーグの野球も見た。


 1990年にHoustonを訪問した際に見学予定だったが湾岸戦争でNASAも混乱して見学が出来なかった。今回はCraig Squires氏に便宜を図っていただき、宇宙船のミッションコントロール室まで見せてもらえた。現地の説明員がApollo-XⅢの際に実際に使用された部屋でその時の様子を説明してくれ、翌日の基調講演がとても現実的であった。広大な敷地に展開されるアメリカの宇宙戦略・・・大きな国の大きな夢を語る大きな施設でした。


 もう一つ楽しんだのはメジャーリーグ。CraigさんとJerry夫妻とGeorge PadvoracさんとHouston Astors対Cincinnati Redsの1戦を試合前の練習から楽しんだ。ぽんぽんとスタンドに飛び込むので多くの観客が試合前から外野席に集中してグローブを競って差し出す。ゲームより興奮。試合は9対8で逆転に逆転でHouston の勝ち、日本と違うことは、ホームゲームにはほとんど相手のファンがいないこと、そしてゲーム途中で人が帰らないこと。前半で勝負ついたかに見えたのに8・9回に逆転、また逆転、ここを予測したのか帰らずに楽しむ(余り野球通ではない77歳のJerryも一言も「帰ろうぜ」とは言わなかった)。それにグランド(アストロドーム)が昔のようにコンパスで円を書いた球場ではなく、エキサイティングシートはファールライン2mまで選りだすし、センターのお国観客席を潰して芝が張られたアンラッキーゾーンが出来てフェンスがでこぼこになっていたり、バッター泣かせ、外野手泣かせで、見る側にとってはとても面白い球場になっていた。



(写真3:NASA入り口で日本のデレゲーション。大きなアメリカ人がCraigさん)



6) その他

 FellowにLuis Venegasさんが選ばれた。今年はたった一人。パーティではJim Rainsが恒例の腕立て伏せをやらせて歓迎していた。



(写真4:Luisを歓迎するFellowたち

左から2人目はBruce Lenzer、佐藤、抱き合うJerry Kaufman)


  来年は、6月9日(日)~12日(水)までで、場所はNevada 州 Reno。2000年に開催されて再び。American Dreamで西へ西へと進んだ荒くれ男達がロッキー越えの前に最期のくつろぎの場となった酒と賭博の町、今もCasinoはLas Vegasについで有名な街、如何ですか来年は、VEと一攫千金のアメリカ旅行を。


   それと、会議場のテーブルにWelcome toと書かれた万里の長城の載ったカードが置かれていた。北京大会(2008・10・25~28)がなんとSAVEの2008 BEIJIN ConferenceとSAVEを名乗って開催される。1999年に親友故Bill Lenzerが熱を入れて中国初の全国レベルの大会を開いて以来、何度か国内の大会は開催されてはいるが、SAVEの大会に一環として開かれるとは。


2.Mark your Calendar::本年のVE関連日程

(順次メンテナンスしてゆきます)

 今年のSAVE大会(Texas州Houstonで)5月6日~9日・・・参加者募集中です(問い合わせは日本VE協会へ)

 本年度のVE協会主催の基礎講座

札幌:5月31日(木)~6月1日(金)、9月20日(木)~21日(金)

仙台:7月12日(木)~7月13日(金)

東京:5月17日(木)~5月18日(金)、6月21日(木)~6月22日(金)

7月5日(木)~7月6日(金)、7月19日(木)~7月20日(金)

8月24日(金)~8月25日(土)、9月6日(木)~9月7日(金)

大阪:6月28日(木)~6月29日(金)、7月19日(木)~7月20日(金)

広島:9月27日(木)~9月28日(金)

福岡:6月14日(木)~7月15日(金)

 VEL試験は今年も全国200箇所

前期:5月25日(金)~9月15日(土)

後期:10月15日(月)~2月29日(金)・・・ほとんど1年中ですね。

 VE全国大会:10月30日(火)~31日 於:アルカディア市谷

 SAVE International Conference:6月9日-12日(2008年) Reno, Nevada



お知らせ「VE Tear Down 小道具の斡旋」(継続掲示)

 多くの方々から、「VEの機能カードは無いか」「Tear Down展示用のタッグは無いか」とお問い合わせいただいており、このたび準備し小分け販売することになりました。

機能カードは裏に接着剤が付いていて、綺麗に貼り付けることが出来ます。剥がしも可能です。

タッグは、5色あり、機種名、部品名、部品番号、コスト、重量、材質、その他の情報が記入できるように印刷されています。勿論取り付け用の針金付です。(写真参照)

機能カードは200枚単位で販売(2000円、送料当社負担)

Tear Down Tagは5色100枚単位で販売(5000円、同)です。

ご要望は、弊社アドレス vpm-office@dol.hi-ho.ne.jp もしくは、電話042-753-8658までご一報ください。




                      




◆ SAVE大会の案内や、行事案内。
◆ データや出来事、トピック。
◆ VE協会の案内など
随時掲載して行きますので、お楽しみに!!