VEニュース(情報)



VEニュース(’08年8月)

 一気に極端に暑い夏が到来、皆様いかがお過ごしでしょうか。
15年ほど前から山梨は清里近くにぼろの隠れ屋を持って、飲んだり歌ったりの場所にしてまいりましたが、
昨年まで30℃を超えたことがなかった。それが何と今年は33℃をついに記録してしまいました。
異常気象?温暖化?それともフロック?・・なら良いのですが。いずれにしても皆様ご自愛ください。実は佐藤は少々くたばっておるのです。

てなことでまたまたお断りですが、今月もブログを先送りしてしまいましたが、
VEニュースとエッセイは更新しました。お読みください。



Ⅰ.フィリピンに行ってきました。

フィリピンで、海外向けの設計を生業とする会社から、社員教育の一環にと「テアダウンセミナー」のご依頼をいただき、
行ってまいりました。簡単にフィリピンレポートです。


1)進化するフィリピン

 フィリピンには何と28年ぶりの訪問となりました。今回はマニラ市内から1歩も出ずに帰国しましたが、上海をほうふつさせる光景に出合いました。まだまだ貧困層のバラックが残る半面、何と40階建て級のマンションが立ち並び、そして建築ラッシュ。まだまだ低所得者の国にあってすごい勢いは何なのか。上海でも年収の10倍以上のマンションをいくつか投資のために買うなどの動きを垣間見てきたが、マニラでもその風潮あり。

 それと私はいろいろな国を訪れると必ず、職業柄か、車の程度を見ます。大きさ、グレード、外国車の存在・・・この国の車は決して先進国に劣らず(そもそもジプ二―以外はKDか輸入で、本格的想像はごく一部)良い車が走っている・・・政治や経済はまだまだ不安定なところがある国ではあるが、成長とげていることは確かだ。


2)セミナーは

2日間のセミナーではあったが、なかなか皆さん優秀で驚いた。大学を出て、設計技術を学び、海外の設計事務所で働き、高賃金を得る・・・これが彼らの目指しているパターンのようで、管理技術を学ぶ機会が乏しいため、真剣そのもの。6班編成でワークショップ形式での実践セミナー。2日目の午後の発表にも熱が入りました。

WSSの状況を2枚の写真から

MTCセミナー-1


MTCセミナー-2


Ⅱ.SAVE大会報告(継続)

 弊社にとっても、主宰者佐藤にとっても年に1回の大きなイベントですので、継続して皆様にご報告します。

1.参加状況・大会規模・概要

1)SAVE大会概要

第48回目の大会になる。テーブルと椅子の数から200人強か。年々減ってきている。20年前の大会では、私の発表だけでも聴衆が100人を超える勢いで、総勢400人を超えていてと記憶している。

しかし、参加国はアメリカ、日本、インド、ハンガリー、韓国、台湾、中国(北京)、オーストラリア、カナダ、クエート、メキシコ、プエルトリコ、モロッコ、オランダ、サウジアラビア、フィリピン・・16カ国からのまさに世界からの参加である。なぜか先進国であるドイツ、フランス、イタリア、イギリスからは今年は一人も来ていない。ヨーロッパでの大会(来週フランスで大会が開かれる)や資格制度が始まって2極化の走りなのだろうか・・・分かりません。(推定で言ってはなりませんね)

Exhibitも展示会社や内容が低調で、以下に細部報告するがいずれも例年に比べて低調なのは、サブプライム問題に端を発したアメリカ経済・世界経済の低調さが象徴されているようだ。




写真1開会式


2)参加者

 人数は上記のとおり、ここ数年気が付いていて今年は顕著であったのが、高齢化と奥様連れがなくなったことだ。最初に参加した頃は、大会プログラムに「奥様ツアー」があったものだ。私も、1995年と‘97年には家内を連れて参加し、家内は奥様ツアーで料理教室に入ったことがある。みんなで料理を作り、昼食にして午後は観光ツアーだった。今年奥様連れはCraig Squire副会長(昨年日本に来た)ただ一人。


3)参加国の変化:韓国・中国・台湾の勢い

全体に低調の中、すごい勢いは韓国、中国、台湾の勢力だ。

中国の参加は8人。協会らしき組織ができ、教育や資格制度が始まった。

韓国はSAVE Internationalに大金を寄付し、参加者は何と約30人(在米4名を含む)、これには、国内でVEのイニシアティブ=認定団体=闘争をしている2団体があり、競争で来ていることもある。今回はその一方の参加で、各国の事務局会議でライバル団体を公然と非難していたとのこと…しかし国の経済の勢いが凄いことは事実。

実は台湾も同様で、まだ国を挙げての組織がなく、SAVEと如何に親しくなるかが、日本のVE協会の存在のようになるようで、まだ民間組織のレベルであるだけに覇権争いの道具の一つがSAVEとのコンタクトになっているのではなかろうか。

いずれにしてもアジア圏の参加が増加し、Affiliates Forumで分かったことはこの3国はしっかりSAVEとコンタクトをし、韓国に至っては何とCVSが384名に及んでいること、そのためのセミナーも年間にModule-ⅠとⅡを各13回も実施している。急増にアメリカからの問題視が始まったのは数年前からだが、やることをやっているようだ。

韓国、台湾、中国、香港が元気でその中の日本・・・おいて行かれてしまわないか不安を感じた。実はここに問題があるのだ。日本の機能系統図の作り方が(私は分かりやすいと思っているが)L.D.Mils(実は彼は携わっていない様だ)、Bytheway、Jerry Kaufmanその他の人たちが開発した(SAVE)のFASTとは異なる。(アジア圏の使用状況を)詳しく調べていないが、FASTを使っているとなると、多くの日系企業の多くが進出している3国には手法が異なると日本式が通用しなくなる。

ヨーロッパ勢の参加がなかったが、これはフランスでの大会を来週に控えて参加を躊躇したのか?よくわからないが、全く0はないのだろう。新しいヨーロッパの資格制度の関連か、経済(不況)か、この大会そのものの魅力低下か、会場か・・・。


4)日本の参加

日本からの参加は例年の調査団を組むほどのメンバーではなく、佐藤、並びに協会事務局を含めたったの6名。企業数ではVPMを入れて4社であった。到着もバラバラで珍しいパターンになった。2002年のDenver大会(確か4人だったか?)以来の少人数だ。 日本の参加の少ないのも気になる。見学先が魅力に欠いたところであったり、大会の魅力が乏しくなったり、今まで参加した企業から同窓会(一緒に行った仲間と定期的に会合)はするがその次の後継者が続かなかったり、訪米調査団パターンに新鮮さがないことや、色々原因が考えられる。会費も問題かな。協会も今まで参加した企業も、もう一度策を考える必要があろう。なぜ今まで参加してきたか、目的を機能系統図にして今の環境との相違を分かるようにしてみたら面白い。

ちなみに参加者は、松田さん(フジタ)、横田・中島さん(パッシフィック コンサルティング)、沼澤さん(横河電機)、佐藤と、事務局の上杉さん。ちなみに横田さんは6年連続の参加で、大会参加者からとても上手に情報を収集して仕事に生かしておられる。沼澤さんは日本の女性では最初の発表者になられた。



写真2 日本からの参加者


5)オプショナルツアー:Tahoe湖のDinner Cruise

 日本からの大会参加者は私を除き次の訪問地Denverへ移動し、参加は私一人になった。

バス2台満杯。したがって80人くらいはいたのだろうか、いやいや楽しかった。ここでの交流が新しい人間関係を作るのだと再認識した。夕方5時、ホテルをバスは出発をした。前回(のReno)もバスツアーがあったが、この時には行って帰ってくるだけで途中、猪谷千春選手が銀メダルを取ったスクオバレーというスキー場に寄ったりしたが、今回はまっしぐら。30分ほど待って船に乗り、まずは船で湖を周遊しながらのディナー、夕日が何と美しかったことか。

湖はカルフォルニアと、ネバダ州の間に位置し、十和田湖をずっと大きくしたような湖で深さが自慢(3000Ft)。周囲を雪の残る山に囲まれた湖で、日がとっぷり暮れて分かったことは、山には多くの別荘が全周にわたって点在し、ネバダ側にはCasinoまでしっかりネオンを輝かしていた。


日が落ちてから周囲の古い由緒ある別荘をサーチライトで照らして説明をしたり、一応の観光説明のあとは生バンドの凄い響きの中でのダンスパーティ。船には我々だけではなく夫婦(?)連れや、恋人同士、SAVEメンバーにわか組も加わり狭い踊り場なのにあの大きなお尻をぶつけ合って踊っていた。見ているだけで十分楽しんだ。

時折船の上にあがって満天の星を眺め、寒くなるとダンスに戻り・・・何と12時40分のホテルへの帰還でした。(ちなみに翌朝6時半に佐藤は帰国の途に・・・)



写真3 Lake Tahoeの夕日


2.発表

1)基調講演

Altairnano社Terry Copelond社長が講演。同社は電池・電気関連の製品を作る会社のようだ。前段に彼らの製品であるリチウム電池の(PCなどでトラブルのあった)発火メカニズムの話を科学的に発表されたがサッパリ分からん、誰か分かった人はいたのだろうか。だんだん電池の世界を広げ、世界のエネルギー問題に触れつつ、価値観や自然のエネルギーなど近年の温暖化がらみに近い代替エネルギーや動向に触れてはいたがありきたり、結局電池のメカニズムに終始し、SAVE大会、それも基調講演とどこの部分で接点があるのか分からない話だった。それでも盛大な拍手。社交辞令の国だ。これにつられてはならない気がした。

いつぞやの(Chicago国際空港での)DC-10墜落時の(生還した)機長の危機管理・危機対策や、昨年のポロ13号世紀の帰還に際する衛星と地上軍のチームワークと教訓の講演はすごい感動があったが・・・。


2)発表全般

①新しい技術がない

 今までは、毎年のように新しい技術が紹介され、多くの聴衆が引き込まれるケースがたびたびあり、その技術を使った事例が翌年は席捲したものだ。古くはTQM、私のTear Down もその一つだったか(アメリカ式と違うところが今でも受けているのか・・?)、QFD、DFA、TRIZ、Taguchi Method、6σ・・・そして相変わらず基本的なFASTなどはしっかり受けているも、成功事例の無い、あってもささやかな技術には関心もない。今年の発表は全部でプログラム上32件(日本5件、韓国4件)例年に比べて少なく、むしろForum形式で討論するテーマが多かった(11件)

大会に引き続き(毎年2日間)政府との合同会議が開かれている。ここがアメリカの特徴であり、民間の大会の後国防省や、各省庁(どの程度の範囲化は不詳)が参加して、彼らがじっこうしたVEや問題点を公開している。我々は2時間の参加であったがこの中の話の方がよっぽど面白そうだった。日本の5人はここを切り上げ、Denver(企業訪問)に向かい、私は帰り支度で、残念ながらあとはどうなったのやら・・。


②日本の発表

 日本の発表は佐藤(Jim Rainsと共同)のものを含め5件、松田さん(フジタ)の「2時間VE」は2日目の開会で飛び入り発表の紹介があったことやタイトルが興味を引いたのか30人強が集まった。質疑の大半が「2時間では・・信じられない・・」の感じであったが、松田さんから準備時間、フォローの時間は含めないことや「小さい魚しか釣れない」と補足があり漸く納得の大笑いと拍手、さてこの意味は?・・。

しかし他のテーマには相変わらず人が集まらない。日本人(我々)以外に聴衆は5~6人がせいぜい。内容は決して悪くないと思うが、インパクトのある技術ではなく、日本経済が低調であることから日本の技術が参考にならないと思われているのか、悔しい思いがする。また過去の多くの日本人の発表の目的が「SAVEで発表する」「SAVE大会に参加する」ところにあった点も影響を及ぼしているのだろうか。

松田さんの発表に見るようにインパクトのあるタイトル、興味をひく内容(実用的、将来性、学術的・・が視点か)を選んで日本からの応募をしていかないと「日本」が世界から見捨てられて行きそうな心配を感じた。

特記事項は横河の沼澤さんが日本の女性として初めて発表したこと。反省点もあったがついに日本女性が発表!新しい記録が生まれました。

女性のVEL,VESはたくさんいるではないですか。試験に受かっただけではだめですよ。実践して、世界のひのき舞台に立つ。もっと皆さん続いてください!…佐藤からのアドバイスは、他力本願ではだめだということ。自費ででも行く。絶対発表する。こう固く決意して臨んだら、絶対成功するし、自分に大きな世界が開けることを保証します。


③佐藤とJimの発表

Jim Rains 氏とは約20年の付き合いで、佐藤がアメリカ(大会)に行き始めた直後からの知り合い。GM(いすゞは当時GMと提携していた)に勤める彼は、当時小さなカワイイ女の子を連れて来ていたがその子ももう2児の母・・そんな彼と「Tear Down とDFA」についての発表だった。

最近米国では、私がいすゞ時代に構築したTear Down システム(アメリカ式ではない)が受けるのか、Work Shop形式のセミナーの仕事が舞い込むようになった。英語版の本も良く売れる。今回もずいぶん売れる。そんな関係で興味を持たれているのか、松田さんの発表と同じくらいの集客ができた。

Tear Down に関する発表やセミナーはSAVEではもう6回も行っている。それでも3~40人(日本人以外)が集まり、1時間枠(通常の発表は30分)を超えて質問も何件もあり、何人かが後で握手を求めにきてくれたりした。実務に活きる手法は多くの人にニーズがあるのであろうことが確認できた感じがした。自分で創りあげた技術、自分で実践してきた技術に誇りと自信を持った次第です。



写真4  Jimの発表



写真5  佐藤の発表


④その他の発表

前述のように、韓国の参加がすごい勢いで、発表も4件あった。しかし内容的にはさほど(私の印象は悪いけど全く)興味のあるものはなく、聴衆も韓国人応援団を除くと日本並み。強いて言うと韓国で仕事をしたいアメリカのコンサルたち(私の知る一人もいた)がコミュニケーションや実態把握で参加していたのか・・・。


3.アメリカの変化、SAVEの変化

カジュアル・・開会式の会長のDavid C.Wilsonさんもネクタイをしない。ネクタイをしているのはアジア人とごく一部のアメリカ人。みんなカジュアル。そういえばマイクロソフトのビル・ゲイツのネクタイ姿を記憶していない。

SAVEも変わってきた。今までVEを生業にした人がボードメンバーになっていたが、最近は必ずしもそうではない。最近親しくしているCraig Squires副会長はIT関連会社の上級スタッフだ。そういえば会長の職業は何だっけ。コンサルではなかったな。

高齢化:参加者は、Jimが連れてきた彼の関連(指導)する会社の若きスタッフが目立ったが、(もちろん若者がいないわけではないが)ここ数年の高齢化傾向は確かだ。佐藤の知るこの20年間で何人かは故人になり(葬式に行った友人さえいる)、一昨年一緒にこちらでTear DownセミナーをやったH氏は何と杖をついて会場に来た。ショックだ。

アジア人を除くと老人ホームのようになってきた感がする。(私も老人になってきたので他人のことは言えない)どこの国も若者の参加がもっと増える内容や企画が必要なのであろう。

それと、話は全く変わるが、アメリカはチップの社会。本給はほとんどでなくチップで働く人がいたからだが、アメリカに来始めてから30年、ホテルの枕の上にチップを置くことを教えられて生真面目に実行してきたが、何と今はもう置かないんですってね。ご存知でしたか。


Ⅲ.Mark your Calendar:本年のVE関連日程



 まず資格認定ですが

CVS:試験日10月18日(土)(受検申請期間:9月1日~30日)

VES:試験日11月15日(土)(受検申請期間:10月1日~31日)

VEL:前期4月21日~7月31日

後期9月1日~2月28日

9月27日にマークシート方式の試験もあります(締切8月27日)


 VELですが、佐藤の関連するある企業では今シーズンも継続的に受験を続けていますが、成果は上々、全員合格でいまだ合格率100%。すばらしい。

 今までこの欄でVEL受験用のセミナーのご案内をしてまいりましたが、各地で数多く開催されますので協会のホームページをご紹介します。そこに飛び込んでください。

 ニュース!ニュース!VELの受験に際しては、講習会受講1年以内に受験しないと受験資格がなくなるようになりました。要注意!。(但し、今年度は過去の受講者は1年以上経過しても受験可能です。来年度は受けられませんので今年度中に受験してください)

 基礎講座は http://www.sjve.org/107_seminars/index.shtml

札幌・仙台地区:4回

東京地区:11回

名古屋地区:4回

大阪地区:6回

西日本地区:3回 開催されます。

  実践塾は、合計10回開催されます。VELの方は3回(6日参加するとVES受験が可能になります。
                                            http://www.sjve.org/107_seminars/223_management.shtml


  2008 SAVE International Conference:6月9日-12日(2008年) Reno, Nevada

  VE全国大会:10月30日・31日:アルカディア市ヶ谷

  西日本大会:10月?日:エソール広島

  中部VE大会:11月?日:メルパルク名古屋

  VE関西大会:2月?日:大阪国際交流センター

  そのほか、各地区でVEセミナーが開かれます。(昨年は4回)


お知らせ「VE Tear Down 小道具の斡旋」(継続掲示)

-実際にご活用いただいている企業さんがあります-

 多くの方々から、「VEの機能カードは無いか」「Tear Down展示用のタッグは無いか」とお問い合わせいただいており、このたび準備し小分け販売することになりました。

機能カードは裏に接着剤が付いていて、綺麗に貼り付けることが出来ます。剥がして再度貼り付けも可能です。(たぶん日本で唯一)

タッグは、5色あり、機種名、部品名、部品番号、コスト、重量、材質、その他の情報が記入できるように印刷されています。勿論取り付け用の針金付です。(写真参照)

機能カードは200枚単位で販売(2000円、送料当社負担)

Tear Down Tagは5色100枚単位で販売(5000円、同)です。
ご要望は、弊社アド
レス vpm-office@dol.hi-ho.ne.jp もしくは、
電話042-753-8658までご一報ください。




                      




◆ SAVE大会の案内や、行事案内。
◆ データや出来事、トピック。
◆ VE協会の案内など
随時掲載して行きますので、お楽しみに!!