VEニュース(情報)
VEニュース(09年8月)
先月号では、SAVE大会速報をお届けすると予告しながら、申し訳ありません、約束を怠りました。遅ればせながらSAVEの話から今月のニュースを進めます。
1.今年もSAVE大会(International Conference)に行ってきた。
連続参加21回目になるこの会議、実はだんだん乗り気がなくなってきている上に(その理由は後述)、さらに今年は乗り気になれなかったのは、開催場所が(日本式に言うと)最近倒産したGMの本拠地DetroitのRenaissanceであったからだ。昭和52年初めての海外出張がこの地で、あこがれのアメリカであったが、いくつかの失望と現実を見て複雑な思い出を持った地、いすゞ時代に仕事で、独立後も仕事で何度も訪れた都市であったからでもある。
6月27日、一人Detroit Metropolitan空港に立ち、友人のJimが手配してくれた車でRenaissanceに向かった。土曜日であったが、人出は少なく、Renaissanceのショッピング街は閑散とし、マックやバーガーキングなどのファストフード店しか開いていない。クローズしてしまった店舗もいくつかある。やはり旗艦企業であるGMの凋落を象徴していた。
Renaissance
中央がGM本社。周囲に関連Office
この一角にMarriott
Hotelもある。
(写真、訪米調査団写真集から借用)
今年はSAVE創立50周年の記念すべき年で、日本からはアイシン開発の鈴木社長(VE協会中部支部長)を団長に、15年ぶりに協会事務局長が、そして土屋・田中・中神各先生と言った日本を代表する大御所がそろって参加、何と17人もの参加者になった。(更に日刊建設新聞取材陣2名、通訳3名、現地添乗員・・・すごい数だ)
火曜日の30日から開会式・発表が始まったが、参加者は年々減少傾向で、名簿上、18カ国約250名。実際には遅れてきたり早く帰ったりで、会場には200人足らずか。毎年奥様連れで来る人たちも“Detroit”が会場となったせいか、ほとんどいない。
基調講演が始まり、発表も始まったが、実は内容が冴えない。これは標記のSAVE行きの乗り気が落ちている理由で、かつてはここで学んだものを持ち帰ることに多くの生きがいを感じたが、新しい手法や潮流がない。アメリカ経済の低調な理由を証明するように、このような技術開発がないことであり、今の日本にも当てはまる話だなと強く感じた。アメリカのことを言っておれない気がした。
2日目の基調講演に登場したGMの役員(Ray Koopman氏)の講演もはっきり言ってひどかった。ブランド4つに集約をし、工場集約を(35→12工場に)し、新たな商品開発をしていく、キーワードがGMS=GM Manufacture System、標準リードタイム、Innovation、Built in Quality・・・一見良さそうに見えるが、新開発の車の燃費や性能、環境対応、モノ作りの姿勢・・・これで再建できると思うのか!と言いたい内容で、再建どころか更なる降下を続けるのであろうと感じた。単なる縮小均衡で革新的に挽回するテクノロジーは見当たらなかった。
特筆することとしては、50周年を祝して6月1日に「Japan
Day」と称した、丸1日日本からの発表者が発表会場を独占して発表する企画。残念ながら聴衆が少なく、日本人を除くとせいぜい2~30人。それでも他の会場の偵察をした事務局長からは「多い方だ」との報告、2日目なのにみんなどこへ行ってしまったのだろう。
講演を始める佐藤。 右は親友Jerry Koufman氏、 左はCraig Squires副会長 |
日本の発表内容には大きなばらつきがあり、良い発表もあったが、こんな発表?と思うものもあった。恥ずかしい1日にならなかっただろうかと心配する点も残った。
厳しい言い方だが、日本の技術は、活動は、しっかり企業の活性化や競争力を強化する貢献をしている事実を訴えたか。形骸ではなく実態として功を奏していて、VE実施企業は少々の不況でもへこたれない。そのことを訴えられるようにしたいものだと感じた。
佐藤は、50周年のお祭りに 浅草・浅草寺の祭り半纏を羽織って発表。 講演後客席に投げる・・ なんと私の一昨年の生徒サンチェスが獲得。 |
佐藤の発表は、日経ものつくりに連載しているコラムの7月号の内容(掟を破って沈没した日本の製造業)をお話しした。他の発表者(多くは日本の順調な部分をご発表)と全く異なることまで内容(日本の怠慢)に含まれた。さて聴衆の評価はいかがであっただろうか・・・。
今年も「佐藤バー」は盛況でした。窓の外はもうカナダ…夜景見えますか、美しい。
2.海外指導に行ってきた
7月18日から22日までマニラに出かけました。マニラの某社でコミュニケーションの取り方、チームワークの方法、そしてソフトVEを指導してきました。
驚いたことは、機能定義がとても素早く的確にできること。正直日本人よりものすごく速く、的確に定義ができる。日本人は教えられたことができないのはなぜなのだろうか、そんなに感受性が弱いのか…良く分かったことは、日本人はきっと素直に聞かずに、はなし半分、自分の想像半分なのかもしれない。
2日間のセミナーだったが、初日にコミュニケーションの勉強、会話のNegative,・Positiveの違いを演習して、チームデザインの勉強、そして機能定義のさわり・・活発でしたね。
2日目は各自の業務分析とソフトVEの機能系統図の作成に…なんとスラスラできて予定時間を余して終了。優秀だ、優秀さもあるが素直さが効果的だったのだろう。素晴らしいマニラでした。
3.最強のCVS/VESを目指して:WSS間もなく開催
CVS向け24時間WSSは、
8月20日(木)~22日(土)の2泊3日間のセミナーがいよいよ弊社八ヶ岳研修所で始まります。参加者は4社9人、宿泊研修ですので24時間に拘らず、徹底的討議で実力養成を行うつもりです。
参加の皆さんは、高原の空気をたっぷり吸って、しっかり学び、秋の成果を勝ち取ってください。
佐藤のポリシーとしては、
VEがいまだ原価低減の代名詞になっていて、真の創造の原則をベースにしたValue Engineerが少ないことを憂いており、Blast-Create-Refineのプロセスが頭の中で当たり前になるValue Engineerを育成したい。
特に機能系統図の書けないValue Engineerが多く、我がVPM研修の卒業生には絶対に機能系統図をスラスラ書けるValue Engineerになっていただく訓練をしたいと思っています。
従って、認定を受けているカリキュラムの範囲において、最大限の応用をもって、時間配分、採用応用技術の範囲拡大などを臨機応変に導入して、実力Value Engineerを育成してゆきます。
4. 佐藤の連載が大好評です!
日経ものづくり誌に、佐藤の連載が始まっています。4月号から1年間の連載です。佐藤の思い入れを精魂こめて書いています。今月(8月号)のテーマは「勝つ設計:企画に勝つ」です。今月は機能開発に付いて、特に生活研究の極意に付いて触れています。
実は書きにくいところですが、大変好評のようです。(アンケート情報から)他の記事も魅力満載で是非ご購読をお勧めします。
なお、1か月遅れで、このホームページのブログ「主張」の欄に掲載しています。⇒
5.地方の方々のVES、CVS受験要件が変わります。
関東地区や関西地区では各種イベントが行われて、受験要件を満たしやすい環境にありますが、北海道や九州ではそのイベントに参加するためには交通費や時間が想像以上にかかるため、既定の拡大解釈をお願いしてきましたが、先般、日本VE協会から以下のような寛大な解釈をいただきました。以下協会からのメールの写しです。(前後私的表現割愛)
VE協会の解釈:
「カテゴリー2.学習活動」の「(3)日本VE協会または他の専門団体主催のセミナー、研修会に参加した場合【[VE学習経歴」のところで挙げたものは除く】」の解釈として、「他の専門団体主催」には、一般のコンサルティングファームが主催するものも含むこととします。その内容は、VEに関連したセミナー、研修会とし、VEそのものでなくとも、関連性のあるものは可とします。したがって、例えばVPM様が実施されるVEに関連したセミナーに参加された場合もポイントに加算できます。
佐藤からの質問・要望への答えとしてVPMが登場しましたが、認定された各種コンサルティングファームはすべて含まれるものと佐藤は解釈しています。(個人が勝手に行ったイベントは含まれない・・と解釈しています。)
6.今年の大きなイベントは…最新情報
1)VE協会主催セミナーのご案内
VEL受験資格を取得できる入門セミナー、一般教養を身に付けて且つ、CVS、VES受験資格が取れるアドバンスコース、テクニカルスキルコースなどのセミナーは9回が主催しています。
主なコースでは、
*バリューマネージメント実践塾WSSコース(VES受験用WSS)
6月8日から8月18日の間の8日間。中神先生担当、252,000円
*バリューマネージメント実践塾テクニカルスキルコース(VES受験用が可)
・6種類2日間コース、各コース3講座93,000円
・3講座を受けるとVES受験が可能になる。
・VES受験だけでなく、スキルアップが可能になる。
*バリューマネージメント実践塾(CVS受験用が可能になる)
・5月8日から8月21日まで5コース(各コース講師が異なる)
・各コースVESは23,100円
・4コース受講すると、CVS受験資格が得られます(81,000円)
*その他、WAVE法(7月27日、講師:大西正規CVS)やVEL受験用入門コース(全国で18回=上期+下期合計)など数多くのセミナーが開催されています。まず、http://www.sjve.org/events/ をクリックしてお望みのコースを選択してください。
お知らせ「VE & Tear Down 小道具の斡旋」(継続掲示)
-実際にご活用いただいている企業さんがあります-
多くの方々から、「VEの機能カードは無いか」「Tear Down展示用のタッグは無いか」とお問い合わせいただいており、このたび準備し小分け販売することになりました。
機能カードは裏に接着剤が付いていて、綺麗に貼り付けることが出来ます。剥がして再度貼り付けも可能です。(たぶん日本で唯一)
タッグは、5色あり、機種名、部品名、部品番号、コスト、重量、材質、その他の情報が記入できるように印刷されています。勿論取り付け用の針金付です。(写真参照)
機能カードは200枚単位で販売(2000円、送料当社負担)
Tear Down Tagは5色100枚単位で販売(5000円、同)です。ご要望は、弊社アドレス vpm-office@dol.hi-ho.ne.jp もしくは、
電話042-753-8658までご一報ください。
◆ SAVE大会の案内や、行事案内。
◆ データや出来事、トピック。
◆ VE協会の案内など
随時掲載して行きますので、お楽しみに!!