VEニュース(情報)


VEニュース(2010年12月)


本年も、1年間ご愛読ありがとうございました。本年最後のニュースです。

どうぞ皆様、良いお年をお迎えください。ではニュースです。

今月のニュース

Ⅰ.一般ニュース

1.【実践】ものづくりイノベーション、出版絶好調!

2.上海に行って来た「中国のモノづくり環境」

3.「勝つ設計」11月号の内容紹介

4.セミナースケジュール

Ⅱ.VE全国大会 速報(継続掲載)

おしらせ:VPMのVE関連グッズの紹介


まず、お詫び:先月号の全国大会速報で、普及功労賞を受賞した阿部良孝氏の所属先をトヨタ自動車㈱と表示しましたが、正しくはトヨタ車体㈱でした。
お詫びして訂正をさせていただきます。本文(訂正した)は本ニュースに継続掲載しております。主催者と異なった目線が好評です


Ⅰ.一般ニュース

1.【実践】ものづくりイノベーション、出版絶好調!

 標記の共著、『【実践】ものづくりイノベーション』は販売後絶好調の売れ行きで、VPM経由での販売数が40冊に届かん勢いです。
著者割引の特販を11月で終了しましたが、好評につき、定価15000円のところ11000円で年内一杯延長します。高額ですが絶対お薦めです。
申し込みは、vpm-teruko-sato@col.hi-ho.ne.jp まで。

 (以下内容紹介)この夏の佐藤は執筆に追われておりました。いつも追いかけられている犯罪者の夢を何度見た事か・・・そう、標記の著作活動に追われていたのです。
それと今回は編集部の企画として、あるべき日本のモノづくり技術の集大成(大全)にしたいとの思い入れから、各分野の専門家の方々がそれぞれを執筆する。
佐藤はそのうち「VE」が担当でした。

内容的には、今まで佐藤がVEの実践を通して思い、温めていた数々、特に、近年全く成長が止まったVEに切りこんでみた。

*30年停滞したVE技術、むしろ退化した技術の問題点を赤裸々に書きまくった。

*経営者たちの誤ったVE概念。

*誤ったVE教育と試験(テスト)ビジネス化したVE。

 *難しいプロセスに易しいHow toがないVE。

 *不要なプロセスもあるが押しつけている・・などの問題から新たな提案をまとめた。是非お読みいただきたい。

VE以外のテーマと執筆者

1●なぜ,手法が重要なのか 東京大学大学院 経済学研究科 教授 藤本 隆宏 氏

2章●革新手法の位置付け 林 技術士事務所 代表 林 利弘 氏

3章●トヨタ方式(トヨタ式イノベーション)ゴールドライツ 代表取締役 金田 秀治 氏

4章●ダイセル式  ダイセル化学工業(執筆情報未着)

5章●TOC(制約条件の理論)ロゴ 代表取締役 津曲 公二 氏

6章●シックスシグマ ソニー 品質センター 品質技術室 品質教育・研修担当コーディネーター
           (元・ソニーイーエムシーエス 経営管理部門経営品質部 SSS担当部長)奥田 啓之 氏

7章●ABC(活動基準原価計算)日本アイ・ビー・エム グローバル・ビジネス・サービス事業
            コンサルティング・サービス 戦略コンサルティング アソシエイト・パートナー 佐藤 俊行 氏

8章●商品企画七つ道具P7)成城大学 経済学部経営学科 教授神田 範明 氏

9章●QFD(品質機能展開)/付録2作図手法 玉川大学 経営学部国際経営学科

教授 大藤 正 氏

10章●TRIZ 第1 オリエントエンタープライズ 代表取締役
            (元・日経BPコンサルティング コンサルタント)篠原 司 氏

10章●TRIZ 第25節 大阪学院大学 情報学部 教授 中川 徹 氏

11章●タグチメソッド/付録1●実験計画法 富士ゼロックス RD企画管理部

シニアアドバイザー 立林 和夫 氏

12章●中沢メソッド 中沢塾 代表(早稲田大学名誉教授)中沢 弘 氏

13章●VE  VPM技術研究所 所長 佐藤 嘉彦 

2.China Report:上海にみる「中国のモノづくり環境」

 「Bauma China 2010」という、主として建設機械を中心に展示するイベントの見学を目的に上海に行って来た。モノつくりの企業も6社ほど視察してみた。

 4年前に同じ展示会(2年おきに開催、ほぼ世界中から主要企業と中国系企業が出展)に行ったが、この4年の進化は凄かった。

今月のニュース(下記)にVE全国大会報告の継続版を掲載。
その中の講演:ボリュームゾーン戦略『VEで中国市場に切り込め』東京大学社会科学研究所 教授 丸川 和雄 氏と合わせて以下China Reportをお読みください。

1)環境

 上海の街はもとより、車で飛ばして1時間半の無錫まで足を伸ばしたが、黄砂なのか空気汚染なのか、街は常に霞んで見える。
上海名物になった“栓抜きビル”(テレビ塔より高く、492mの高層ビル)から目の下のテレビ塔(例の団子を刺したような)さえ霞み、
すぐ対岸の旧欧州領事館などは写真には移らない。日本の青空の美しさが本当に素晴らしく感じた。

 タバコの喫煙率は高く、そこかしこにタバコの匂いと吸い殻の投げ捨て、展示会場などは全くひどかった・・・まだ民度が低い。
企業を訪問するとそこでもタバコを進める。日本も消え始めたがアメリカではもうタバコのにおいは街中から消えた。民度の差だ。

しかし、町はきれいになった。五輪(は北京だったが)や万博で整備されたのか、道路や空き地にさほど空きかんやビニールの散乱が見られなくなり、
ここは進化、新幹線も走り、一流国の仲間にしっかり入った感があったが、
しかし、マナーはなく、渋滞の際のあの割りこみのすざましさは、私には到底運転ができない凄さだった。

2)工業製品

 Baumaでみると、前回に比べずっとMade in Chinaには進化があり、国産(海外ブランドの国産化含め)化が進んだ。
もう一流の工業国と言えるようになって来たが、いずれも独自の開発品と言うより模造の国産化。工業所有権に対しては無頓着、
これがいつか自分の十八番になるのであろうから恐ろしい。今回は前回見たIUZUのエルフにはお目にかからなかったが、
エルフのイミテーションモデルは山ほど走っていた。ちょっと真似られて鼻高だが、癪にさわったのも事実。

 恐ろしいことはイミテーションに罪悪感を感じないことと、いつの間にか、ものづくりが鍛えられて一流化することだ。
多くの定年退職した日本の技術者が、日本のモノづくりを教えている。
日本の会社にいた時代の1/5から値切られている人は1/10の報酬で技術でなく、日本を「売り」に行っている。すぐ追い着かれるのだろう、
何しろ消費の分母が大きいだけに、量的効果が大きくなった暁に日本は吹っ飛ぶ。

 面白い新製品を見た。電動自転車。免許がいらない。50ccバイク並みの手軽さで、バッテリー駆動。3・40kmほど一充電で走るそうだ。
通勤一往復、帰宅後翌朝まで充電。なかなかスタイルも良く、初めて中国で模造品でなく中国開発製品を見た。
(消耗したバッテリーの後始末・・・考えていないんでしょうね)おかげで自転車が消えた。

3)品質感覚

 ホテルのバスタブに貯めた水は少しカーキ色に、シャワーのホルダーはぐらついてシャワーするには手で持たねばならない。
壁掛け電灯は曲がっている。現地でお世話してくれた駐在員が、部屋の中に昨日は十分果たすか点検してくれた。そのくらい信頼が置けない。

見学した各企業で、どうやって同じものを作り上げているのか不思議なくらい、グラインダーで削りまくる。検査治具があるわけではない。粉塵を吸い続ける。

工場内はうす暗く(電気代が高い、総電力に限りあり)細かな作業で品質は守られるのか。

溶接は本当に安定した品質を保てるのか、それだけの技術者なのか。錆びた上の塗装は平気、
これが常識化すれば敢えてショットして錆を落とすなどの投資は最後の最後までやらずにごまかし抜くのではないか。(やっていた会社も既にあるが)

安全衛生や環境に目を向け出したら、「使用者優先」のモノづくりに転嫁して行くのだろう・・・そこまで行くのに何年かかるか。
日本はごまかさずにものづくりをしたが彼らは如何に見つからないかのごまかしものづくり・・・この文化が消えるまで本当の世界一は来ないだろう。

4)コスト構造

 日本と全く異なる現象の資本主義社会が造られている。それはオーナーがものづくりをするのでなく、一獲千金、金づくりをしていることだ。
売り上げを伸ばし、安い賃金=3万円(2500元)で作業者をこき使い、日本製のAMADAや Panasonicの機械に投資を続け、
そして自分の所得は世界の経営者のトップを行く大金持ちに変わっていく。これは日本には余り見ないパターンだ。
きっと安い賃金でも自働化には目を向けるのではないか。作業者の定着率が悪く、品質を目的に投資して行くのだろう。
従って中国製品の原価予測や比較は、決して彼らの賃金比較で行ってはいけないことが分かった。

5)生活

 最初に中国に来てから、11年目、最初も上海だったが、ほとんど人が漕ぐ自転車が消え、車と上記の電動バイク。
生活水準も随分上がって、マンションと家電製品に打漏れ始めたようだ。
コンビニもでき、水やお茶がふんだんに出回り生活環境は(この都市部)は確実に変わった。
作業者の賃金はいまだ3万円(2500元)程度なるも、一部の成金文化が浸透して、
いずれの本で昭和30年初頭に労働争議が続き、所得倍増政策が取られたように、
上昇するのだろう。その頃の自由主義社会は恐ろしく巨大になる。インフラの投資も膨大になり、
いずれ国家的固定費の償却などから、世界の先進国と同等に漸くなってくる。
日本が世界の工業国になるまでに労働争議から30年、清潔な生活環境に転じたのはそれから20年。
さあ、空気のきれいな、安全・衛生と秩序のある国に中国が転じるのは同じ様に50年後なのか。

 そして中国の大国主義が、一党独裁の基、歪んだ南京虐殺が公然のモノとして受け継がれ、
チベットや新疆への侵略は、侵略でなく歴史を書き換え、いずれ尖閣列島を13億人全てが自国の物と主張し、
金で世界を蹂躙する時が来る。怖い。


3.「勝つ設計」12月号の内容紹介とバックナンバー整備

 好評を頂いている、日経BP社の月刊誌「日経ものづくり」の佐藤のコラム『勝つ設計』は、ものづくり、
特に設計者が何をすべきかを中心に毎回経験的なことを語って来ていますが、今月は先月に続き、超円高を受け、
編集部からの要請で緊急特番『円高対策』です。まだやり残している部分をグサッと掘り下げています。どうぞお読みください。

 「その昔我々は良くやったよな」・・・やったことがあるのは対策ではありません。今、過去の実行を進化させ、やり直して初めて、今の円高対策になるのです。

 過去のバックナンバー(昨年4月号からの掲載分)も整備しました。読み落とされている方は是非お読みください。

(申し訳ありませんが、出版社との約束で、ブログでの掲載は1カ月遅れです)


4.セミナースケジュール・・・今年度分は大半終了です

1)VPMのセミナー:全て終了しました。

2)日本VE協会主催のセミナー:基礎講座(入門:VEL受検対応)

 東京地区

 *12月16日(木)~17日(金):日本VE協会

 *1月20日(木)~21日(金):日本VE協会

 *2月3日(木)~4日(金):日本VE協会

名古屋地区

 *11月11日(木)~12日(金):中産連ビル

大阪地区

 *1月20日(木)~21日(金):新大阪丸ビル新館

福岡地区: 全て終了


Ⅱ.VE全国大会 (継続掲載)

  第43回、VE全国大会は10月26日(火)・27日(水)東京市谷のアルカデア市ヶ谷で開催された。

本年度のキャッチフレーズは『変化を見抜けば未来が見える 今こそVE進化論』さて、今年の内容はいかが・・・速報をお届けします。

初日:

1.開会

      瀬口気会長の挨拶に始まり例年並みのセレモニー。
      お話しによると、参加者は約1000名(2日間の延べ人数)
      海外からは、カナダ、ドイツ、インド、韓国、アメリカ、からの参加者であったが、
      各国人数は極小、ちょっとさみしかった。日本の盛衰を見てか、円高を避けたか???。
      瀬口会長のお話しはむしろ後段の基調講演を参考にされたい。










2.表彰


     今年の顕彰は、マイルズ賞が㈱山武ビルシステムカンパニーに
     VE活動優秀賞が、3社(㈱建設技術研究所、西日本旅客鉄道㈱)
      ㈱波南)
       研究開発功績賞は、JEMCO日本経営の桜井文達氏
       普及功労賞は、阿部良孝氏(トヨタ自動車㈱)、大橋 守氏(日立電線㈱)、
      北川克己氏(ナブテスコ㈱)、高久政文氏(㈱IHI)、萩尾受賞する横田CVS、
      禎正氏(㈱デンソー)、日比野守夫氏(KYB㈱)、横田尚哉氏(㈱FA研究所)、若林真一氏(㈱フジタ)
     VE経営者賞は、只木可弘氏(いすゞ自動車㈱)、長谷川邦夫氏(㈱日立国際電気)、
      古 川一夫(㈱日立製作所)、松崎 昭氏(川崎重工業㈱)の4氏でした。 









3.基調講演:『VEの発展と普及』

新会長、瀬口龍一氏(元日立建機社長・会長)

 VEは、元々は機能購買だった。ハードからスタートしたが、適用範囲が広がり、ソフトや企業経営にまで広がっている。それはなぜか、VEは問題解決手法だからである。

 ポイントは、Creativeな所。創造性(ブレーンストーミングとシネクティクスだ)と情報(この効果は無限にある)がキーだ。

 VEで何を狙うか…元々原価低減、売り上げの拡大にはValue を売る=バリューセールス。
コストには2種類あって、変動費は部品・製品について開発段階から注視し、固定費は仕事のやり方であるので、経営改革が主軸になる。

 効果は上流で行うことが最大。損益分岐点で考えよ。

 VE資格者:CVSは韓国が600人で日本の124名を大幅に超えている。負けていられない。AVSも日本は大きく遅れている。
教育に力を入れなければならない。VEはやってみなければわからない手法でWSSは重要だ。
創造力開発のセミナーを積極的に行うべきだ。資格者の拡大、CVSの活用を図らねばならない。GEにあったCreative Engineeringの教育コースがあった。
優秀な人材を育成してきた。マイルズもその一人だった。

 VEの実践は大企業が主体だが、中小企業に普及させたい。大学教育で教えているのは6校。(瀬口さんは6校もあるとおっしゃったが、佐藤はまだ6校とメモを書きたい。)

更に行政がVEを実行して欲しい。いろいろやっているようだが、まだ行政が真のVEをやっているとは言えない。国民の満足度をFとして出力を大きくして欲しい。

 日立Gの例では3年間でVEL12000人、VE効果は500億円、投入費用は5億円、国防総省も100倍、同じような数字が生まれた。
VELの資格者が増えると教育が不要になる。話が翼通ずるから効果的だ。

 GEのジャックウェルチに学べ。危機感の共有と緊急性の認識、茹でガエル、革新のアイデア、

・バリューステートメント=問題の抽象化、事業の特性(機能)、個人の特性(機能)・・・色々学ぶことが多いぞ。

・ワークアウトの概念、解放された組織、職能を超えた組織、ファシリテーターの存在、官僚的体質の除去。基本的なビジネスプロセスの改革。

・ワークアウトの実例では、位置づけは全社戦略、結論が出たところで事業部長がYesかNoの決断をくだす。
 正にVEに共通するところ大

日立建機の事例はジャックウェルチの考えを実践、過去いくつか事例が出てきた。

アメリカでは1995年に連邦調達規則と言う法律を作った。(LCCの考えと削減額分配を実践している。・・・この辺からよその事例引用で瀬口ポリシーが薄らいできた。

(事例は結構なことだが・・・素晴らしいValue Engineerであるので瀬口節で・・)

 世間では思ったより進んでいることがうかがえる。広範囲にものを見て経営者に更に理解を頂くこと、政治家の方に理解を頂くことをお勧めしたい。

4.受賞報告

1)マイルズ賞:㈱山武 ビルシステムカンパニー 開発本部長 伊藤 弘氏

  きっと素晴らしいVE展開がなされたのであろうが、発表にはインパクトがなかった。マイルズ賞は。
     多くの企業が目指す最高位の
Awardであるだけに、そのインパクトをもっとアピールして欲しかった。
   推進者もリーダーがVEL、教育もVELがインストラクター、
     VELが活躍する数少ない企業。それだけに、マイルズ賞受賞の秘訣をもっと聞きたかった。











2)VE活動優秀賞

 3社の報告はそれぞれ特徴があった。建設技術研究所の報告は公共事業に挑戦するVEの艱難辛苦が語られ、同社の活動は称賛するも、
まだまだ官公庁の理解を得るには相当の苦労があるものと理解できた。

 JR西日本の発表にも興味が残った。二つの工事事務所(建設と電気工事)の連携、更に電力品質を向上させる・・・
なかなか思いつかない点に着眼しての活動など興味津津の物があり優秀賞らしい実績だった。

また㈱波南の佐々社長(元日立建機、CVS)の報告は実際に実施された具体例が細かに報告され、
まさに中小企業でもVEを使えばこんな改善ができると良い見本をお話しになった。
やっぱりこのくらいやった会社を優秀賞に選んでいかないといけないなと痛感した。

5.特別講演:ボリュームゾーン戦略『VEで中国市場に切り込め』

                  東京大学社会科学研究所 教授 丸川 和雄 氏

 (結論的に言うと、非常に興味ある発表だった。20年前のアジア圏のGDPの7~80%は日本が占めていたが、今や日本のGDP以上を中国が占める。
もうアジア圏を無視したビジネスでは生き延びることができない。アジア圏に通用するコスト、機能・・・その中身を詳細に分析した報告だった。)

中国、ロシア、インドネシア、ベトナムなどが目の前の巨大市場で、もし日本と同じ比率で普及すると石油が無くなる。電気自動車化などの自動車の革命をしないと走れない。

中国で言うと、人口分布は農村部に7.2億人、都市部に6億人、前者は超低所得で日本の製品を持って行くならコスト水準を大きく変えないと通用しない。

車の例では、5%の人=6000万人がマイカー人口(普及率33%)。その下の5%が17%、その下の5%が10%の保有率。
しかし85%の人がまだマイカーに無縁で、そこに10億人がひしめいていることになる。
それでも既に世界一の車の販売台数を誇る。また世界の鉄鋼生産の47%が中国だ。

ここ数年、中国での乗用車販売を見ると、欧州ベースの車、中国系の車は上昇しているが日本車はなぜ下落しているか。此処がポイント。
日本車は購入層の価格帯の上辺に位置付けられて、中心的価格帯にないことと、排気量も上辺りをかすめてしまっていることが原因、
要は高く購買層の上を滑っていると丸川先生は言う。
上海GMが最も販売数が多いが、GMはスズキや提携した日本企業から学んだものをフルに生かしている。(逆に本家がお株を取られていることを指摘)

携帯電話は低収入層に浸透しているが、此処にも日本製は多機能・高価格、ノキア、モトローラ―、サムスンの世界的携帯電話メーカーは
単機能低価格路線、ここにも商品企画から競争力を失っている。
更にノキアなどは量の効果で更に大きなメリットを享受できてきた。ノキアは生活研究をしっかり行って、好まれる商品を作っている。
そして農村層に好まれる価格帯を設定していることも注目される。

日本も低価格層を狙ったビールを投入したサントリーは、商流まで変えて低価格層に食い込み成功している。

安くする事例で丸川先生は、コピーのうまさを上げている。
提携先の車のプラットホームは既に強度や耐久性は実証されたもの、これを使えば衝突安全性や耐久性は実証済みでテストなどの保証工程を省ける=コスト低減。
それからまだまだ悪かろう、安かろうのゾーンもありで、見かけンも(コスト)競争力を付けている。

今後、富裕層狙いでなく大衆層を狙わないとボリューム効果は望めない。
携帯電話で毎年1億台の増加マーケット、車で1000万台の増加マーケット。数を利した戦略で食い込めばまだ戦えると結ばれた。

6.佐藤塾生の活躍

 今年は佐藤関連の論文発表や事例発表が数多くプログラムに盛り込まれた。その中から特徴を報告しておこう

  

  



いくつかその中から紹介すると

1)入選論文「サプライチェーン価値向上のためのアイデア評価方法」

  三菱重工業(株)高砂製作所 赤城弘一VES

 狙いは面白かったが、Jコストをもっと理解させ、マテハンの影響をもっと内容分析してアピールしたら良かったかな・・と感じた。
時間が余った分、そこを話したら良かったと思うが・・・。

2)入選論文「VE実施手順におけるDRBFMの活用」

  三菱重工業(株)汎用特殊 藤原祐輔VES

 実例をベースにした事例で分かり易くプレゼンされた。本当に分かり易く、VEと品質問題を取り上げたとても良い論文だった

3)入選論文「原価企画活動における『シリーズ製品共通化計画』の立案方法」

  北越工業(株)開発部 竹内好郎VES

 原価企画の盲点であるシリーズに目を向け、シリーズで原価企画をしていかないと、1機種単位の企画が崩れ、
  多種多様の商品作りになってしまう危惧をしっかり報告できた。

4)事例発表

①VE教育から実践へ:「ボイラ内仕切りアクセスドアへのVE実践事例」

  三菱重工業長崎造船所 長谷川裕之VES

 これがVE、特に洗練化で4もアイデアが出てコスト効果を20%も改善した事例はお面白い。

②海外EにおけるVE導入の試み

  MTS Technical Services Corp. 長尾雅司VES

 海外、特に後進国にあって、優秀な人材が存在するkと都、上手く活用して低コストで高出力を目指す秘訣を話しされた。
  むしろ技術講演にした方が良かったのではないか。

以下の二講演は、都合で傍聴できなかった。出席された方からの感想を掲載します。

7.記念講演「ドラッカーの教えと“もしドラ”に込めた想い

                     放送作家・プロデューサー 岩崎夏海氏

*全てにおいて、顧客は何を欲しているかを考えることが、答えにつながるとドラッカーは教えてくれる。

*本を書くきっかけ  本は自分が読むためだけのものではない

 ・クリスマスの前日は本屋が混むことから、  本は贈るためのものでもあることに気づく

 ・姪に本を贈ったが、読まれないことがショック。贈って喜ばれる本を書こうということから始まった。

*講演会に呼ばれる。

 消防署、IT関連の中小企業、商工会議所、教育委員会、ホテル・・・等々マネジメントが必要と感じる企業が多い

何故か?マネジメントが必要となっている根源は?

 「失われた20年」「リーマンショック」がその理由と聞くが本当にそうなのか、よく考えて見る必要がある。
いづれにしても、「今」変化の矢面にたたされていることは事実プロデューサーっぽい考え方に思えた・・・余り感動無し。

8.特別講演 はやぶさ地球へ「その7年間の軌跡と奇跡

                JAXA & ISAS 准教授・理学博士 吉川真氏

*世界初に挑戦するすばらしさ → 感動、チームワーク

*世界初に挑戦する難しさ   → 想定外と忍耐 事前予測の重要性、現代における

“真”の冒険の大切さ → 若い世代へ伝える義務

 ┗真の冒険、この時代その対象は宇宙!

*成功は、あきらめないことと「幸運」」に尽きる

*いろいろな技術に挑戦

    →失敗もたくさんあった。その失敗はハヤブサ2で生かされる

*オーストラリアに落ちる時のきれいなこと、きれいなこと。

報告をくれた某氏の感想

*こういう、夢のあること、みんなが感動することを事業仕分けで予算を削ることは

おかしい!逆に政府や省庁が引っ張らないといけない!

*ハヤブサ帰還後のフィーバーぶりが、みんなが喜んでいることの証拠。

 講演中、吉川さんは、何度も「予算を取るのが大変だった」「予算がつかない」等々、ご苦労が伺えた。

 日本の技術が、世界初、世界で3台だけということに感動し、誇りを持てるということはすばらしいと感じた。




お知らせ「VE & Tear Down 小道具の斡旋」(継続掲示)

-実際にご活用いただいている企業さんがあります-

 多くの方々から、「VEの機能カードは無いか」「Tear Down展示用のタッグは無いか」とお問い合わせいただいており、このたび準備し小分け販売することになりました。
機能カードは裏に接着剤が付いていて、綺麗に貼り付けることが出来ます。剥がして再度貼り付けも可能です。(たぶん日本で唯一)
タッグは、5色あり、機種名、部品名、部品番号、コスト、重量、材質、その他の情報が記入できるように印刷されています。勿論取り付け用の針金付です。(写真参照)
機能カードは200枚単位で販売(2000円、送料当社負担)
Tear Down Tagは5色100枚単位で販売(5000円、同)です。ご要望は、弊社アドレス vpm-office@dol.hi-ho.ne.jp もしくは、
電話042-753-8658までご一報ください。



                      




◆ SAVE大会の案内や、行事案内。
◆ データや出来事、トピック。
◆ VE協会の案内など
随時掲載して行きますので、お楽しみに!!