VEニュース(情報)


VEニュース(11年1月)


新年おめでとうございます。

本年も早々にVPMのホームページの扉をお空け頂きありがとうございます。本年も、どうぞよろしくお願いします。共に、エッセイの今月号ではありませんが、評価基準を少し前に置いて、輝かしい1年を築きましょう。

ではニュースです。とは言うものの、身近に大きな変化がありませんでした。大半が繰り返しですが・・。✐マークは新しい情報です。

今月のニュース

1.✐日本VE協会、新公益法人へ

2.✐佐藤の正月講演「ものづくり塾 VEは面白い」

3.✐「勝つ設計」1月号の内容紹介

4・【実践】ものづくりイノベーション、出版絶好調!(継続掲載:一部修正)

5.上海に行って来た「中国のモノづくり環境」(継続掲載:一部修正)

おしらせ:VPMのVE関連グッズの紹介


1.✐日本VE協会、新公益法人へ動き出す

 世の中には、登記をされた法人とされない団体(みなし法人と呼ぶ)が存在します。前者には様々な法人があって会社も一種の法人(会社法人)ですし、学校や医療機関も法人です。官公庁も登記されていまして一種の法人です。スポーツ団体でも私の所属する神奈川県スキー連盟は財団法人ですが、同じ都道府県のスキー連盟でも、近くの千葉県や、西隣の静岡県は法人登記をしていませんので任意団体と称される組織になります。

公益性の高い組織は、その公益性の部分は仮に収益があっても課税が緩和されたりの処置が取られるため、多くの組織が財団法人や社団法人と称されて登記されています。ところが最近法律が変わり、これらの団体が新しい公益法人法に基づく衣替えを強いられています。私の所属する神奈川県スキー連盟もしかりです。

まえがきが長くなりましたが、日本VE協会は社団法人ですが、同様に新公益法人としての衣替えが必要になり、さる11月30日、新法人への移行手続きを取ることの承認を臨時総会で取り付け、いよいよその手続きに入りました。新法では平成25年度までに認可が取れないと新公益法人に移行できなくなりますので、それまでに新社団法人への移行手続きが取られることになります。


2.✐佐藤の正月講演「ものづくり塾 VEは面白い」

1月18日(火)、東京千代田区の「主婦会館プラザエフ」にて佐藤の6時間講演が開催されます。主催者は日経BP社です。

昨秋発売された、共著、『【実践】ものづくりイノベーション』の佐藤分短文に書きまくりました、30年も進化の止まったVE、経営者たちの誤った理解であるVE、実務者が壁に当たってやる気をそがれているVEの部分、どうしたら元気にVEを推進できるか、講演と実習の長時間セミナーです。ぜひお出でください。

*時間は10時開演-17時終了

 *受講料48000円(佐藤の紹介としてご参加される場合は読者割引の適用を受けられますので39000円となります。=日経ものづくり1年分の購読料が含まれてのお得な会費です。詳しくは下記ホームページで。

http://techon.nikkeibp.co.jp/Monozukuri/juku/110118.html


3.✐「勝つ設計」1月号の内容紹介とバックナンバー整備

 11・12月の2カ月の間、緊急円高対策の記事を掲載し、何とあの記事から原価低減のチェックリストを作って、一つ一つ問題をチェックされた企業が出てきました。このように活用されると著者冥利に尽きるものです。

 さて今月号は、良い設計をしてもコストが高いのは何か・・・ものづくりの真髄に迫り始めました。ものづくりの技術とどこでどのように作るか…内外製、国内外製の問題に深く踏み込み始めました。2月号とセットでパートナーシップにまで話が進んでまいります。お楽しみに・・・。

(申し訳ありませんが、出版社との約束で、ブログでの掲載は1カ月遅れです。バックナンバーも整備されています)


4.【実践】ものづくりイノベーション、出版絶好調!(継続掲載:一部修正)

 標記の共著、『【実践】ものづくりイノベーション』は販売後絶好調の売れ行きで、VPM経由での販売数が40冊に届かん勢いです。著者割引の特販を11月で終了しましたが、好評につき、定価15000円のところ11000円で継続販売することにしました。。高額ですが絶対お薦めです。申し込みは、vpm-teruko-sato@col.hi-ho.ne.jp まで。

 (以下内容紹介)昨年夏の佐藤は執筆に追われておりました。いつも追いかけられている犯罪者の夢を何度見た事か・・・そう、標記の著作活動に追われていたのです。それと今回は編集部の企画として、あるべき日本のモノづくり技術の集大成(大全)にしたいとの思い入れから、各分野の専門家の方々がそれぞれを執筆する。佐藤はそのうち「VE」が担当でした。

内容的には、今まで佐藤がVEの実践を通して思い、温めていた数々、特に、近年全く成長が止まったVEに切りこんでみた。

*30年停滞したVE技術、むしろ退化した技術の問題点を赤裸々に書きまくった。

*経営者たちの誤ったVE概念。

*誤ったVE教育と試験(テスト)ビジネス化したVE。

 *難しいプロセスに易しいHow toがないVE。

 *不要なプロセスもあるが押しつけている・・などの問題から新たな提案をまとめた。是非お読みいただきたい。

VE以外のテーマと執筆者

1●なぜ,手法が重要なのか 東京大学大学院 経済学研究科 教授 藤本 隆宏 氏

2章●革新手法の位置付け 林 技術士事務所 代表 林 利弘 氏

3章●トヨタ方式(トヨタ式イノベーション)ゴールドライツ 代表取締役 金田 秀治 氏

4章●ダイセル式  ダイセル化学工業(執筆情報未着)

5章●TOC(制約条件の理論)ロゴ 代表取締役 津曲 公二 氏

6章●シックスシグマ ソニー 品質センター 品質技術室 品質教育・研修担当コーデ

ィネーター(元・ソニーイーエムシーエス 経営管理部門経営品質部 SSS担当部長)奥田 啓之 氏

7章●ABC(活動基準原価計算)日本アイ・ビー・エム グローバル・ビジネス・サ

ービス事業 コンサルティング・サービス 戦略コンサルティング アソシエイト・

パートナー 佐藤 俊行 氏

8章●商品企画七つ道具P7)成城大学 経済学部経営学科 教授神田 範明 氏

9章●QFD(品質機能展開)/付録2作図手法 玉川大学 経営学部国際経営学科

教授 大藤 正 氏

10章●TRIZ 第1 オリエントエンタープライズ 代表取締役
          (元・日経BPコンサルティング コンサルタント)篠原 司 氏

10章●TRIZ 第25節 大阪学院大学 情報学部 教授 中川 徹 氏

11章●タグチメソッド/付録1●実験計画法 富士ゼロックス RD企画管理部

シニアアドバイザー 立林 和夫 氏

12章●中沢メソッド 中沢塾 代表(早稲田大学名誉教授)中沢 弘 氏

13章●VE  VPM技術研究所 所長 佐藤 嘉彦 


5.China Report:上海にみる「中国のモノづくり環境」(継続掲載:一部修正)

 「Bauma China 2010」という、主として建設機械を中心に展示するイベントの見学を目的に上海に行って来た。モノつくりの企業も6社ほど視察してみた。

 4年前に同じ展示会(2年おきに開催、ほぼ世界中から主要企業と中国系企業が出展)に行ったが、この4年の進化は凄かった。

今月のニュース(下記)にVE全国大会報告の継続版を掲載。その中の講演:ボリュームゾーン戦略『VEで中国市場に切り込め』東京大学社会科学研究所 教授 丸川 和雄 氏と合わせて以下China Reportをお読みください。

1)環境

 上海の街はもとより、車で飛ばして1時間半の無錫まで足を伸ばしたが、黄砂なのか空気汚染なのか、街は常に霞んで見える。上海名物になった“栓抜きビル”(テレビ塔より高く、492mの高層ビル)から目の下のテレビ塔(例の団子を刺したような)さえ霞み、すぐ対岸の旧欧州領事館などは写真には移らない。日本の青空の美しさが本当に素晴らしく感じた。(上海でビジネスをする元いすゞの同僚が、「あれはガスだ」と先月号のこの記事を読んで上海から電話をくれました・・・が)

 タバコの喫煙率は高く、そこかしこにタバコの匂いと吸い殻の投げ捨て、展示会場などは全くひどかった・・・まだ民度が低い。企業を訪問するとそこでもタバコを進める。日本も消え始めたがアメリカではもうタバコのにおいは街中から消えた。民度の差だ。

しかし、町はきれいになった。五輪(は北京だったが)や万博で整備されたのか、道路や空き地にさほど空きかんやビニールの散乱が見られなくなり、ここは進化、新幹線も走り、一流国の仲間にしっかり入った感があったが、しかし、マナーはなく、渋滞の際のあの割りこみのすざましさは、私には到底運転ができない凄さだった。


2)工業製品

 Baumaでみると、前回に比べずっとMade in Chinaには進化があり、国産(海外ブランドの国産化含め)化が進んだ。もう一流の工業国と言えるようになって来たが、いずれも独自の開発品と言うより模造の国産化。工業所有権に対しては無頓着、これがいつか自分の十八番になるのであろうから恐ろしい。今回は前回見たIUZUのエルフにはお目にかからなかったが、エルフのイミテーションモデルは山ほど走っていた。ちょっと真似られて鼻高だが、癪にさわったのも事実。

 恐ろしいことはイミテーションに罪悪感を感じないことと、いつの間にか、ものづくりが鍛えられて一流化することだ。多くの定年退職した日本の技術者が、日本のモノづくりを教えている。日本の会社にいた時代の1/5から値切られている人は1/10の報酬で技術でなく、日本を「売り」に行っている。すぐ追い着かれるのだろう、何しろ消費の分母が大きいだけに、量的効果が大きくなった暁に日本は吹っ飛ぶ。

 面白い新製品を見た。電動自転車。免許がいらない。50ccバイク並みの手軽さで、バッテリー駆動。3・40kmほど一充電で走るそうだ。通勤一往復、帰宅後翌朝まで充電。なかなかスタイルも良く、初めて中国で模造品でなく中国開発製品を見た。(消耗したバッテリーの後始末・・・考えていないんでしょうね)おかげで自転車が消えた。


3)品質感覚

 ホテルのバスタブに貯めた水は少しカーキ色に、シャワーのホルダーはぐらついてシャワーするには手で持たねばならない。壁掛け電灯は曲がっている。現地でお世話してくれた駐在員が、部屋の中に昨日は十分果たすか点検してくれた。そのくらい信頼が置けない。

見学した各企業で、どうやって同じものを作り上げているのか不思議なくらい、グラインダーで削りまくる。検査治具があるわけではない。粉塵を吸い続ける。

工場内はうす暗く(電気代が高い、総電力に限りあり)細かな作業で品質は守られるのか。

溶接は本当に安定した品質を保てるのか、それだけの技術者なのか。錆びた上の塗装は平気、これが常識化すれば敢えてショットして錆を落とすなどの投資は最後の最後までやらずにごまかし抜くのではないか。(やっていた会社も既にあるが)

安全衛生や環境に目を向け出したら、「使用者優先」のモノづくりに転嫁して行くのだろう・・・そこまで行くのに何年かかるか。日本はごまかさずにものづくりをしたが彼らは如何に見つからないかのごまかしものづくり・・・この文化が消えるまで本当の世界一は来ないだろう。

4)コスト構造

 日本と全く異なる現象の資本主義社会が造られている。それはオーナーがものづくりをするのでなく、一獲千金、金づくりをしていることだ。売り上げを伸ばし、安い賃金=3万円(2500元)で作業者をこき使い、日本製のAMADAや Panasonicの機械に投資を続け、そして自分の所得は世界の経営者のトップを行く大金持ちに変わっていく。これは日本には余り見ないパターンだ。きっと安い賃金でも自働化には目を向けるのではないか。作業者の定着率が悪く、品質を目的に投資して行くのだろう。従って中国製品の原価予測や比較は、決して彼らの賃金比較で行ってはいけないことが分かった。

5)生活

 最初に中国に来てから、11年目、最初も上海だったが、ほとんど人が漕ぐ自転車が消え、車と上記の電動バイク。生活水準も随分上がって、マンションと家電製品に打漏れ始めたようだ。コンビニもでき、水やお茶がふんだんに出回り生活環境は(この都市部)は確実に変わった。作業者の賃金はいまだ3万円(2500元)程度なるも、一部の成金文化が浸透して、いずれの本で昭和30年初頭に労働争議が続き、所得倍増政策が取られたように、上昇するのだろう。その頃の自由主義社会は恐ろしく巨大になる。インフラの投資も膨大になり、いずれ国家的固定費の償却などから、世界の先進国と同等に漸くなってくる。日本が世界の工業国になるまでに労働争議から30年、清潔な生活環境に転じたのはそれから20年。さあ、空気のきれいな、安全・衛生と秩序のある国に中国が転じるのは同じ様に50年後なのか。

 そして中国の大国主義が、一党独裁の基、歪んだ南京虐殺が公然のモノとして受け継がれ、チベットや新疆への侵略は、侵略でなく歴史を書き換え、いずれ尖閣列島を13億人全てが自国の物と主張し、金で世界を蹂躙する時が来る。怖い。




お知らせ「VE & Tear Down 小道具の斡旋」(継続掲示)

-実際にご活用いただいている企業さんがあります-

 多くの方々から、「VEの機能カードは無いか」「Tear Down展示用のタッグは無いか」とお問い合わせいただいており、このたび準備し小分け販売することになりました。
機能カードは裏に接着剤が付いていて、綺麗に貼り付けることが出来ます。剥がして再度貼り付けも可能です。(たぶん日本で唯一)
タッグは、5色あり、機種名、部品名、部品番号、コスト、重量、材質、その他の情報が記入できるように印刷されています。勿論取り付け用の針金付です。(写真参照)
機能カードは200枚単位で販売(2000円、送料当社負担)
Tear Down Tagは5色100枚単位で販売(5000円、同)です。ご要望は、弊社アドレス vpm-office@dol.hi-ho.ne.jp もしくは、
電話042-753-8658までご一報ください。



                      




◆ SAVE大会の案内や、行事案内。
◆ データや出来事、トピック。
◆ VE協会の案内など
随時掲載して行きますので、お楽しみに!!