VEニュース(情報)
VEニュース(2011年11月)
今月のニュース
1.VPMのWSSからついにCVS誕生《速報》
2.日本のVE全国大会開催《速報》。
3.SAVE大会がアジアにやって来た。行って来た。
4.日本VE協会、公益社団法人に認定。
5.VEセミナーのご案内。
おしらせ:VPMのVE関連グッズの紹介
…佐藤の自信著作「Value Engineering」コピー版もあります。
1.VPMのWSSからついにCVS誕生《速報》
本年度のCVS受験結果が一部分かりました。まだ全体の状況は公式発表がありませんが、(ホームページにアップした頃には判明している可能性がありますが)VPMが開催したWSS(Work
Shop Seminar)の卒業生がついにCVSに合格されました。
お名前は三菱重工業の藤原 裕輔さんと赤城 弘一さんのお二人です。心からお祝いを申し上げます。同社の第一号CVSに成られました。
今年度の他の合格者の情報はまだ入手していません。VE協会のホームページにいずれ公開されると思います。
尚、CVS(Certified Value Specialist)とは、アメリカVE協会(SAVE
International)が認定するVE資格では最高峰の国際資格。原則アメリカで受験するが、日本、韓国など受験審査を委託されている国ではSAVEと出題や検定・判定などを連携して行っている。
現在日本のCVSは124名、これに今年の合格者が加わります。
因みに佐藤は1987年秋に受験し、合格認定を受けました。当時では自動車業界では第1号の認定を受けました。
2.VE全国大会が開かれた《速報》
VEの全国大会が10月18日~19日の2日間東京は市ヶ谷の「アルカディア市ヶ谷」で開かれました。今年は1.5日の期間で、形式的には毎年のパターンで、表彰、基調講演、論文・事例発表、記念講演、特別講演で、各種の発表は4トラック平行で行われました。
毎年、いろいろな発表がダレてきたかな、これで会費を取るのかと思うモノが多くなってはいたが、今年は各種発表では、なかなか味のある発表がありました。
先月韓国でSAVE-Asia大会を見てきたばかりで、日本はまだまだASEAN諸国とは一味違う、VE技術を使った開発や、改善に結びつく内容が見られ、少しほっとした。
その中でも論文では、三菱電機のテアダウンを電子回路に活用した論文(村井 康治氏)やファンクショナルアプローチを企業経営に生かす論文(=横田 尚哉氏)などは、現在の日本の置かれている立場から現実をとらえた論文として注目されるものがあった。
テアダウンの活用は、先のAsia大会でも三星電子が発表した様に、ものづくりに根付いた技術で、創始者としては恥ずかしながら満足を頂いた。(しかし、相変わらず学者の論理が論文に多く、もう少し実用的なものが欲しいと佐藤は思ったが・・)
事例では、余り大きなヒットではないが、各企業がVEやテアダウンをコツコツ利用して成果の上がっている報告があった。
結構だな、継続してくれたら尚素晴らしいな、と関心と期待を抱いて聞かせていただいた
いずれも私の仕事(コンサルティング)上では、如何にこのような事例を各社に作るか、それを定着させるか肝に命ずるところでありました。
基調講演や特別講演では、毎年感動する講演を聞かせていただいていますが、その中から特徴ある講演を紹介してみよう。
基調講演:
『今こそ現場力、日本の底力』早稲田大学ビジネススクール教授 遠藤 功 氏
日本はピンチ…多くの人が思い込み(佐藤もしかり)心配しているが、世界の中でまだまだ日本は元気だ。米・独はもっとピンチ、ギリシャ・ポルトガル・スペインは倒産寸前、中国はインフレで悩みだした。相対的に見てまだ底力がある。だから円高になる。
震災後瓦礫の中をクロネコノ宅配便が走っている。トップの指令無く、現場の底力が走らした。ユニクロはニューヨーク5番街に3000坪の店を出した。
震災の復旧も早さ、遅い遅いと言いつつ空港や新幹線・インフラの復旧の早さ、復旧力は現場の国、民の国の表れだ。
求心力(リーダーシップ)と遠心力(実行する力)・・・原発の収拾遅れは求心力の無いリーダー(首相や東電)のせいで民間企業や地方はどんどん復旧している。底力だ。
戦後の日本、50年間成長を続け今日成長が止まったと見る人が多いが、新しい成長の始まりと捉えることができる。
経営を構成するピラミッド
競争力はどこにあるのか→企業活動の中心はオペレーション(実行する力)
問題こそ現場の原動力だ。問題との向き合い方だ。
・問題の無い会社は無い
・問題に対する向き合い方・・・問題大好き人間の集合体を作る
・「二律背反の克服」こそ、現場の使命(力)真の現場力が問われる。
改善・改良の重要性
・改善、改良のできない組織からはイノベーションは生まれない。
・号令掛けるより、改良努力を続ける。その過程が新しい商品を作る。
・改善、改良は現場の日常的思考トレーニング…考える現場、思考回路が回る現場。
サントリーの「やってみなはれ」、某中小企業の週に1回お昼はバーベキュー、反して幹部(社長)が「大丈夫か?」とブレーキを踏む会社。大きな差だ。野心を持て。
①仕事、適度にストレッチした責任・役割
②認める・褒める
③関係者、人間同士の絆、仲間・兄弟
④明るいノリのある会社、ノリの伝染
大事なことは、
*ビジョン:経営のパッション、共有された組織の思い
*戦略:経営の合理性、合意された組織の目標
*オペレーション:経営の実現性=結合された組織の行動
http://gemba-sembonknock.com
佐藤の印象:指導企業に元気を与えてはいるものの、私自身もこれだけの円高や海外移転などで元気を失いつつあったが、遠藤先生に元気を頂いた。
現場の底力を如何に引き出すか、引き出せれば元気は出る・・と言い聞かせることができました。
もう1件、倒産した中小企業を3年で黒字化したお嬢様社長奮戦記
特別講演
『六本木生まれの社長令嬢が挑んだ奇跡の経営再建物語』
日本電鍍工業株式会社 代表取締役 伊藤 麻美 氏
お父様が創業(1958年)し、メッキを主体にした仕事で、大手メーカーのとの契約は信用を得られると努力の結果、時計のバンドのメッキ仕事を大手時計メーカーから受注。
一時は200名の従業員を抱えて、徐々に多角経営に手を出し、その間お譲さまはアメリカに留学し、宝石の加工や鑑定の資格取得に走っていた矢先、お父様が急死(1997年)。
その後19億円の赤字会社に。自宅まで借金の担保に。
従業員とその家族を路頭に迷わせたくない・・その思いから父の後を継いだ赤字転落の社長を更迭し自らが再建に挑む。(2003年)黒字転換までの悪戦苦闘の物語。
いくつかキーワードがあった。
*(小娘が…と周囲は当初認知しなかったが)まず行動しなければ分からない。やってみなければ分からない。
*社員とのコミュニケーションが大事:挨拶が返ってくるまで挨拶をし続けた。
*いろいろな所にチャンスがある。不慣れでも挑戦。(宣伝活動をインターネットで、ホームページ活用、どこにでもお願いに率先して歩く…他)
*お金が無くともしっかり考えれば知恵が出る(サンプルのカラーコピー機・・)
*社員と一体になるために会社の経営状態をオープン、全ての資産や資金を公開、
*人員削減は最後まで行わなかった。
*景気に左右されない業種(健康・医療・美容)に接近
*社員は「できない」、社長は知らない(素人)が故に可能性を考える。ついに社員が壁を乗り越え、難題のテーマ克服。新たな受注(カテーテルの厚膜メッキ)に成功
*やったことが無い→やってみなければ分からない→挑戦→成功!!⇒自信に、企業拡大のきっかけを。
*大きな柱を立てずに小柱をいくつも作る方針に。景気に左右されにくくなる。
*人との出会いを大事にする。会合に積極的に出席、ついに見放されていた金融機関と接触が再会。
*社員を大事に。単年度の黒字になった。まだ銀行はお金を貸してくれない。借金は返さねば・・でもその年、お年玉の袋に1万円ずつ入れて全従業員に配った。
(ここで佐藤は涙が止まらなくなった)返してくる社員、神棚に供える社員…社員と感動を共にする経営。
*日曜日に会社に行ったら、社員は内緒で働いていた。
*社員とコミュニケーション。毎年全員と面談をする。何でも話し合う。心の疎通は社員のモチベーションを上げる
*(黒字になっても)海外には事業進出しない。社員が分離するから。
こうしてついに、2006年には銀行とも取引再開、黒字転換(2007年7億円の黒字)
2008年には2カ月分のボーナスを支給し、リーマンショックで世の中が不況時に社員募集を掛け19名採用。現在70名の会社に。
ご講演では涙を頂きました。苦難に挑戦、何事も挑戦しなければ壁は破れないことを学ばせてくれました。
各種顕彰は、(功績の背景は省略させていただきます)
《VE経営者賞》
*下村
節宏 氏 [三菱電機株式会社 取締役会長]
*鬼頭
正雄 氏 [株式会社安川電機 専務取締役]
《VE功労賞》
*管
康人 氏 [元 キャノン株式会社 CE本部長 CVS]
*吉井
康雄 氏 [大阪大学経営学部教授 CVS]
《VE特別功績賞》
*社団法人
中部産業連盟
《VE学術功績賞》
*田中
雅康 氏 [東京理科大学 名誉教授 目白大学大学院 教授 CVS]
《普及功労賞》
*足立
忠郎 氏 [鹿島建設株式会社 建設管理本部建設設備部次長 CVS]
*芝本
幸太郎 氏 [ダイハツ工業株式会社経理室原価企画グループ主査]
*高須
智之 氏 [日本車両製造株式会社 経営監査部内部統制推進室 次長]
*故津野 義包 氏 [社団法人 中部産業連盟]
*中西
和雄 氏 [マツダ株式会社 収益管理本部原価企画部主幹 VEL]
*水谷
彰利 氏 [アイシン・ホールディングス・オブ・アメリカ 副社長 VES]
*山田
康晴 氏 [株式会社島津製作所 設計技術センター長 VEL]
*吉見
三郎 氏 [日本電子株式会社 医用機器本部技術顧問 CVS]
《VE活動優秀賞》
*三菱重工業株式会社
原動機事業本部 ブレード燃焼器製造部
*横河電機株式会社技術企画センタ- & 横河マニュファクチャリング株式会社
《マイルズ賞特別賞》
*首都高速道路株式会社
3.SAVE大会がアジアにやって来た。行って来た。《継続掲載》
「SAVE International 1st Asia VE Conference & 19th
International VE Conference in Korea」が9月20日~21日に韓国はSeoulでSAVEの大会が開かれました。
先月号で詳報しましたがお読みいただきましたでしょうか。
皆様には是非お読み頂きたい部分が満載です。韓国の動き、ASEANの動き、日本のVEのポジション・・・。継続掲載のつもりでしたがボリュームが大きくなりすぎますので。10月号(ホームページの新着情報→2011年10月号をクリック)を開いてお読みください。
4.日本VE協会、公益社団法人に認定 《継続掲載》
今までも社団法人だったのでしょう・・・と思われる方も多くいらっしゃいましょう。実は、財団法人や社団法人…企業も法人ですが、非営利を目的とする公益性の高い法人が日本中に余りにも多く存在して、
役人の天下りの温床になったり、非営利と言いながら暴利をむさぼる団体があったりして、内閣府が新たに従来の財団や社団の法人に対して、「公益」と「一般」と「法人解散」の3つのいずれかを選択するよう法律ができ、平成25年度までにその選択を既存団体は迫られていました。
佐藤が所属している神奈川県スキー連盟は財団法人ですが、今「公益財団法人」化を目指して難しい法律やシステムの変更に取り組んでいますが、このたび、8月1日付で日本バリューエンジニアリング協会は、晴れて「公益社団法人」の名前が付くようになりました。
この「公益」の運営は従来と異なり、さらなる公益性が求められ、社会に貢献する、日本を代表するバリューエンジニアリングの運営が求められます。
まずはご認可おめでとうございます
5.セミナーのご案内
日本VE協会から、今年度のVEセミナーの紹介があります。
今までは個別に転記してご紹介してきましたが、URLをご紹介しますので、該当するアドレスをクリックしてください。
*VEL受験の方の「VE基礎講座」はこちらです。
http://g.ab0.jp/g.php/2mbus4Zw5gis3Bi65z
*VES、CVS受験の方の「バリュー・マネジメント実践塾」はこちらです
http://g.ab0.jp/g.php/2mbus4Zw5gis4qi65x
お知らせ「VE & Tear Down 小道具の斡旋」(継続掲示)
-実際にご活用いただいている企業さんがあります-
多くの方々から、「VEの機能カードは無いか」「Tear Down展示用のタッグは無いか」とお問い合わせいただいており、このたび準備し小分け販売することになりました。
機能カードは裏に接着剤が付いていて、綺麗に貼り付けることが出来ます。剥がして再度貼り付けも可能です。(たぶん日本で唯一)
タッグは、5色あり、機種名、部品名、部品番号、コスト、重量、材質、その他の情報が記入できるように印刷されています。勿論取り付け用の針金付です。(写真参照)
機能カードは200枚単位で販売(2000円、送料当社負担)
Tear Down Tagは5色100枚単位で販売(5000円、同)です。
佐藤の著作(絶対名著です「Value Engineering」のコピー版:3000円
ご要望は、弊社アドレス vpm-office@dol.hi-ho.ne.jp もしくは、電話042-753-8658までご一報ください。
◆ SAVE大会の案内や、行事案内。
◆ データや出来事、トピック。
◆ VE協会の案内など
随時掲載して行きますので、お楽しみに!!