VEニュース(情報)


VEニュース(2012年7月)



 3月にVE協会内に作ったプロジェクトチームが「東日本大震災復興計画VE支援手引書」を完成させ、復興庁等へ提出してから、
自分の私的なことは大きく動きがありましたが、VEについてはさほど大きなニュースはありませんでした。今月は佐藤の思い入れを含めて・・。



目次

1.SAVE Conferenceへ行ってきた

2.VE全国大会情報:えっ!佐藤がトークショー???

3.インドで第2回アジア大会

4.一般セミナーと資格試験のご案内(継続掲示)

おしらせ:VPMのVE関連グッズの紹介

…佐藤の自信著作「Value Engineering」コピー版もあります。




1.SAVE Conferenceへ行ってきた

 今年もSAVE International Conferenceに行ってきました。今年の開催はフロリダ州のOrlandoでの開催でした。
11日の会長Receptionに始まり、12・13日と発表がありました。いくつか気づいた点を報告しておきましょう。


Jerryが初の欠席。今回はSAVE設立翌年から始まったこの大会で第52回、創会以来欠かすことなく連続51回参加を続けていた親友Jerry Koufman 氏がついに欠席となりました。
彼が一昨年東京に来られた時に、夜一杯飲みに行った際、歩行が随分困難になっていたことから心配していましたが、ついにその時が来てしまいました。
親友と書いたのは、お互いに何度お互いの家を訪ねたか、そして2006年には彼との共著「Tear Down VA」でPaper of the Yearを受賞した仲です。残念。
実は多分連続記録では、次が大きく差が空きますが24回で私かも知れません。


今回の大会参加は約250名くらい。くらいとは大会関係者に聞いても正確に把握していないようで、aboutな国です。15カ国くらいは来ていたようです。

日本からは12名、うち発表者は何と8名に及びました。


(写真1  澤口さんと協会の上杉さんが写っていない)


今回の特徴は、開催ホテルが巨大で、さながら大きな広場を囲うように4つのビルが四角に連なり、大きなガラスの屋根がそれを覆う。中央広場は大きな10階分の吹き抜けになっている感じのホテルでの開催。
10階から眺めるとさながら海底を思わせる雰囲気。現に地階のOpen Restraint周りは多くの大画面の水中ショーが映されていた。

例年と異なるのは、会長レセプションが水族館の鯱のショー(写真2)でダイナミックな鯱には驚かされました。
イルカのショーは何回も孫と見に行きましたが、鯱はイルカを食う獰猛な哺乳類、それが慣らされて我々に感動を与えてくれました。


写真2          


写真3(ショーを見る前列佐藤と、Craig Squires SAVE会長、後列左から澤口さん、松田さん、上杉さん)

大会はいつものようにホテルの大ホール、とはいえ人数が人数で、中クラスの部屋での開会、Craig Squires会長の開会宣言に始まりました。


写真4 開会宣言するCraig Squires会長

今回の基調講演は、地元フロリダ州交通局のRick Scott長官が6900名の役人と338億$の予算を如何に上手に使ってきたかの講演であった。
多額の節約を成功させ、そこにVEがあったというがどのような工夫だったかもう一歩突っ込んで知りたかった。


毎年Exhibit(各出展会社の宣伝ブース)でCoffeeや飲み物、軽食をつまみながら交流する場が作られているが、今年も約10社が出展、
ひところの記念品を配ったりスポンサーになったりの企業はさすがになく、毎年重宝に使わせていただいているカバンの配布が今年はなく、
今回は用途の知れない袋が書類入れに配られ、以前は論文集だった書籍は消え、数年前からDVDに、さらに今年はUSBのメモリーに変わっていました。
(正直DVDの方がファイリングしやすいから機能的)


2日間、例年の様に、時に6か所に分かれて発表やフォーラムが開かれました。いくつか特徴をメモっておきましょう

フォーラム:最近の傾向で、いろいろなテーマのフォーラムが増えてきているが、毎年行われているのが「国際フォーラム」。
各国の代表者がその国の状況に触れるものだが、正直、数字の羅列で国の実態を把握するには何とも言えないため(例えば日本のVELの数を海外の人が聞けばびっくりするが、実力や実働人数は不詳・・みたいに)
佐藤の興味は薄らいできて、今年は覗かなかったが、松田節夫さんが聞きに行って韓国のCVSが毎年100人も生まれている情報にびっくりしていた。
いま世界で最もCVS人数が多い国で、アメリカをはるかに超えて、認定の仕方が数年前から大問題になっているが、検定を委託してしまったからSAVEも何も言えなくなっている。毎月試験があるそうだ。


日本人の発表:今回はたくさんの人(8人)が発表した。ここも歯に衣を着せずにコメントすると横田さんのように素晴らしい発表と、そうでないのとに二分される。
すくなくも観客が日本人以外で10人以上いたのは横田さん、澤口さん、中原さんの発表だった。それ以外は残念ながら我々日本人が賑やかに頭数をそろえていたにすぎない。
日本人以外の聴衆は3人、などもあった。ちょっと残念。
時間的にも30分の持ち時間を10分で終わってしまったり、通訳を使わなかったがゆえに、質問に必ずしも十分答えられなかったり、『世界』を相手にする発表としては程遠いものがいくつもあった。
やはり協会がもっと主導して、応募内容もある程度吟味、事前に発表者に対するサディッションを送るなりしないと日本がますます海外から見放される。“日本の発表はつまらない”が定説化し始めているのだ。
また通訳の件だが、発表は自分の英語で…は大賛成。質疑はやはり通訳を配備する必要があった。方言の複雑な英語もある、質問に理解した答えが出ないことがあり、現に頓珍漢な答えをしている人もいいた。
これも協会は支援して日本の信頼を確保する任務を果たしてもらいたいと願うところだった。


しかしここで発表すると、日本ではCVSの受験資格の論文部分が免除になるのでとても便利。
日本の超難題の単位が取れます。これってすごい矛盾。(日本では全国大会の論文に合格しなければだめ、SAVEへはアブストラクトでOK)

日本以外の発表:だんだん新しい技術が発表されなくなってきたのはここ数年の傾向。
その中でもわが友人Jim Rainsのように技術の応用やコンバインドした活用方法を述べる人もいるが、一般的に事例発表型。
Cost Saving事例型、また韓国の発表などは韓国人さえいない(少ない)聴衆で4・5人のセッションも。したがってセッションに立ち見ができている・・などは1・2の事例を除いてほとんどなかった。
Taguchi Method、6σ、DFAやTRIZがそこかしこで議論された時代が懐かしい。


佐藤の失態:今回佐藤は表彰晩餐会で顰蹙を買いました。例年食事が終わってから表彰式ですが、今年は食事しながらの表彰、おしゃべりしながら夕食を頂いていたら、『うるさい!』と叱られた。
大変申し訳ないことをした。24回も行っていて甘く見ていた反省です。


日本の参加の問題点:私は24年参加してみて、SAVEへの参加が個人行動化してしまったことに残念さを感じている。
昔は大デレゲーションを組んで、企業訪問やアメリカのVE現場の実態をつぶさに見ることができた。いすゞグループで大型バス1台集めた時もある。
団体化すると割高(添乗員がついたりで、それだけでなく経費が計上されて、はっきり言って高すぎた)と自由度が無くなるが、団体なるが故の良い点が無くなってしまったから個人化したとも捉えられる。

過去、こんな良いこともあった。

ペンタゴンとの交流は3回経験した。本当にVEを軍隊がやっているのをつぶさに学んだ。

アトランタオリンピックの準備委員会に行った。あのオリンピックはVEだらけだったのです。

戦闘機の工場にも見学に行けた。    私のVE経験に大いに今も生きている。個人ではできない、協会ならではの行動があるのです。
是非協会にもう一歩踏み込んでいただけたらと願うのです。


見学先だけではない。まだ日本人は英語ができないんです。通訳の問題も、正直、堪能な方でも方言の強い方の話は理解できない人が山ほどいる。
今回も質疑応答にトンチンカンがあった。過去にはあの超ベテラン通訳の中大路さんが、ギブアップしたことさえある。私など分った顔して話しているが良く分っていない。
これが日本の実態。遠くから呼ばず地元の通訳なら安くでき、逐次の通訳なら発表の質疑には耐えられる。「言葉はお任せ」と協会がスンナスタンスに立ったら、もっともっと多くの人が学べます。

更に何かの手続きに都度手数料を取るのもいかがかと思う。受益者負担だそうだが、なら会費や我々の奉仕活動はどうなるのか・・・。
公益法人になったのだから、あまりビジネスライクに走らず(逆行している)もっと日本の地位向上、参加者にとっての効果拡大などに配慮できないものか・・と何度も思うところでした。
協会には重要な機能があるのです。これは決して協会批判ではなく、如何に日本のVEが世界で認めてもらえるようになるか、日本のValue Engineerが世界で活動できる様に成長するか、それを願ってのことなのです。


来年の開催場所はワシントンDCです。期日は6月24日―27日。開催ホテルはCrystal Gateway Marriott.場所はペンタゴンの近く。空港から地下鉄で2駅だそうだ。
多分私は25回連続参加に挑戦するでしょう。皆さんも一緒に行きませんか。




2.VE全国大会情報:えっ!佐藤がトークショー???

 今年の全国大会は10月30日(火)31日(水)毎年開催のアルカディア市谷です。実行委員長は先月報告しましたように、横河電機の沼澤朋子CVS。女性初の実行委員長です。

企画も斬新な企画が加わりました。まだ企画段階ですが、VE界の超売れっ子の横田尚哉CVSと私がトークショーをする企画が持ち上がっています。
「今改めて考える、VEとは何か」私は度々VEがVELの養成機関になっている問題点を指摘し、本来のVEのあるべき姿を連載や自著で主張してきています。
横田さんもマスコミのいろいろな場面で、機能でものを考える技術構造やコミュニケーションの取り方を主張していて、面白い対談が実現しそうです。
(この企画が実行されることが決定すればですが)その宣伝用にこんな準備(下記URL)をSAVE大会中に行いましたが、実現するのかは不透明。
正式に決まれば、公式に協会ホームページに載ると思います。


 http://www.fa-ken.jp/strage/120617/SATO&YOKOTA_Talk.wmv  情報収集の参考にご覧ください。



3.インドで第2回アジア大会

 昨年秋に韓国で第1回のSAVE Asia大会が開かれました。今年はインドでの開催です。(なかなか日本に来ませんね。日本の影が薄くなったのでしょうか・・)。

期日は12月10日、11日、会場はニューデリーのRadison Blue Hotel。大会後デンソーのインド工場、スズキ自動車のインド工場の見学などがオプションでセットされています。
(やっぱり中心は日系企業なんですね)昨年の内容からは原価低減事例発表会的な内容は十分予測されますが、アジアの各国がどんな改善に取り組んでいるのか実態を知るには良い機会だと思います。
どうぞご参加ください。

インドVE協会は、今回のSAVE大会でも大々的にチームを組んで、民族衣装サリーを纏った女性たち数名を伴って宣伝活動を行っていました。

日本大会がいつ来るのか、いずれ開催時期が来ると思いますが、あんな歓迎体制はできるものでしょうか、いや国の名誉をかけてもしっかりやりたいものです。準備をしよう。


4.セミナーと資格試験のご案内(継続掲示)

まず資格試験は、

*VELは、前期は5月18日~7月31日、後期は9月1日から2月28日まで

 申し込みはそれぞれ4月2日からと8月21日から。各地区実施日が微妙に異なりますから、協会ホームページで確認してください。

*VES:申し込み受け付けは4月2日から、試験は11月10日(土)

*CVS:申し込み受け付けは4月2日から、試験は9月29日(土)


一般セミナーは、入門2日間コース

東京地区:7月19日(木)~20日(金)、 8月30日(木)~31日(金)、

9月20日(木)~21日(金)

名古屋地区:7月5日(木)~6日(金)

大阪地区:9月6日(木)~7日(金)、

福岡地区:7月26日(木)~27日(金)


お知らせ「VE & Tear Down 小道具の斡旋」(継続掲示)

-実際にご活用いただいている企業さんがあります-

 多くの方々から、「VEの機能カードは無いか」「Tear Down展示用のタッグは無いか」とお問い合わせいただいており、このたび準備し小分け販売することになりました。

機能カードは裏に接着剤が付いていて、綺麗に貼り付けることが出来ます。剥がして再度貼り付けも可能です。(たぶん日本で唯一)

タッグは、5色あり、機種名、部品名、部品番号、コスト、重量、材質、その他の情報が記入できるように印刷されています。勿論取り付け用の針金付です。(写真参照)

機能カードは200枚単位で販売(2000円、送料当社負担)

Tear Down Tagは5色100枚単位で販売(5000円、同)です。

佐藤の著作(絶対名著です「Value Engineering」のコピー版3000円

ご要望は、弊社アドレス vpm-office@dol.hi-ho.ne.jp もしくは、電話042-753-8658までご一報ください。


                      




◆ SAVE大会の案内や、行事案内。
◆ データや出来事、トピック。
◆ VE協会の案内など
随時掲載して行きますので、お楽しみに!!