VEとは何だ! −VE版白熱教室in市ヶ谷−


第45回VE全国大会 スペシャル・トークセッションから



 VEValue Engineering)関連の国内最大イベント「第45 VE全国大会」が、2012103031日に東京で開催された。論文発表や企業の活動報告などと並んで、今年は初の企画として「VEとは何だ!」をテーマに「スペシャル・トークセッション」が行われ、多くの参加者が会場に詰めかけた。VPM技術研究所代表取締役所長の佐藤嘉彦氏と、ファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役社長の横田尚哉氏の両名をパネリストに、会場も巻き込みながら「VEとは何なのか」、「イノベーションを実現する上でこれからのVEはどうあるべきか」といった熱い議論が繰り広げられた(モデレータは、横河電機品質保証部技術企画センター技術推進部の沼澤朋子氏と日立国際電気人事総務本部小金井総務部技師苅谷尚子氏)。その様子をお伝えする。


プロフィール

佐藤 嘉彦(さとう・よしひこ)1963年いすゞ自動車入社。米General Motors社からヒントを得ていすゞ式(佐藤式)テアダウンを構築、日本のテアダウンの第一人者となる。原価企画・管理担当部長、原価技術推進部長、技監などを歴任後、1997年にVPM研究所を設立。コンサルタントとして活躍している。


横田 尚哉(よこた・ひさや):大手建設コンサルタント会社から独立してファンクショナル・アプローチ研究所を設立。米General Electric社の改善手法をアレンジして10年で総額1兆円分の公共事業改革に乗りだし、総額2000億円のコスト削減を達成した実績を持つ。


VEとは原価低減なのか ―VE全国大会 スペシャル・トークセッションから

 ――トークセッションの最初のテーマは「VEは原価低減か」です。VEをやっていらっしゃる方は経営への即効的効果を求められる場面が多いと思います。「原価低減、原価低減」「なんでコスト削減できないのに、おまえらVEをやっているんだ」とばかり言われます。こんな指標を出せば、原価低減じゃなくても元気が出るよといったところからお聞かせください





 

横田 原価低減がいけないというわけでは全くありません。VEが原価低減にすごく効果的だというのはすごく分かるんです。それが、日本の導入の中で適用事例が多かったのは事実ですし、それはすごくいいことだとは思います。私は公共事業に関係していましたから、公共事業のコスト削減でVEが役に立つのではないかということで勉強していきました。しかし、いろいろとさかのぼっていくと、実はVEはコスト削減じゃなかったんだと気付きました。







 VEにおいて価値(V)を高めるにはご存じのとおり4つのパターンがあります。でも議論されているは、いつも1つのパターンばかりです。習うのもコスト削減が中心で、いろいろある発表もやはりコスト削減総額が幾らだとか、コスト削減平均率が何%だとか、投資倍率が何倍だとか、いわゆる全てをコストで評価していくのが前面に出てしまっているところがすごくあります。


 公共事業というのは、納税していただく額を固定として考えると、ファンクションを上げるしかないわけです。そのときに、はたと困ったのが、コスト削減ばかりの論文、事例があるんだけれど、ファンクションを上げるための手段がないということです。これが、私の最初の障害というか、そこが最初の私の研究に火をつけたところなのかもしれないです。


横田 そこで、いろいろな人たちに話を聞きましたが、特にアメリカで聞いた話が衝撃的でした。各州政府のお役人に片っ端から聞きまくったんです。Value Engineeringを向こうではValur Analysisと言ったりしますが、どういう目的で導入しているかと聞くと、コスト削減と回答した州政府は1/3で、残りの2/3は声をそろえて「合意形成だ」と答えました。通常は2年間かかるようなステークホルダーとの合意形成を、VEを使うと非常に短時間にできるから導入しているというような言い方をしたんです。


 私は、実際にValue Engineeringの効果をそういうふうに聞くのは初めてだったので、導入目的はコスト削減じゃないんだ、私の感覚は間違っていなかったと実感しました。なので、もっとうまくやればValue Engineeringの幅がどんどん広がるんじゃないかと強く思っています。実際、私は、いろいろな論文でも「コスト削減はある一側面」だと書いています。


新しい機能開発にこそ勝機


――ありがとうございます。佐藤さん、設計の面から、コスト削減じゃなくて、こんなことを考えたらどうかというのはありますか。



佐藤 私もいすゞ自動車にいるときに散々やってきましたので、コスト削減を否定しませんが、VEがもう一つ伸びない原因としてコスト削減に集中してしまっていることがあるのではないかと感じています。今年も昨年も一昨年も、VE活動優秀賞は大体原価低減をうまくやった会社が選ばれている。ここにちょっと閉塞感があるのではないかと思っているんです。

 確かに原価低減は企業にとって重要ですが、むしろ新しい機能開発をする。そこに新しい勝負の場があるんじゃないかと思います。そっちに振っていけば、日本はまだ生き延びていけます。しかし、コスト低減を進めて最終的に多くの企業が何をやっているかというと、日本脱出をしているんです。震災や電力事情もあり、海外に進出をして日本のものづくりが消えかかっている。我々はVEで、機能を伸ばしていくところに軸足を移していくことが必要なんじゃないかと思っているんです。



  例えば、私がこの間アメリカから持って帰ってきたペットボトルですが、これはワンタッチで蓋ができるものです。運転しながらも片手でキャップが取れます。アメリカへ行ってびっくりしました。一方、日本のものは右手にキャップを持ち、左手でボトルを持って開けるこれでは車を運転できません。こんなふうに、ちょっとの工夫が新しいVEをつくるんです。


 これは小さい事例ですが、機能向上についてもっと語り合える場があったら、企業の経営者がそれを高く評価をするようになったら、原価低減から脱出するVEができるのではないかと思います。


横田 皆さんに挙手でお答えいただきたいんですが、VEをやるときに、V=F/Cを意識している人は手を上げていただけますか。


(会場の大半が挙手)


 これは全員上がらないといけないかもしれないですね。では、VEのステップの6つ目に対象分野の選定がありますが、そのときにVを計算して、価値の程度、コスト削減余地の両方を見ながら対象分野の選定をしている人は、どれぐらいいらっしゃいますか。


(会場を見渡して)3割ぐらいに減りました。ということは、V=F/Cという非常に素晴らしいVEの基本式があるにもかかわらず、CFをなんらかのかたちで数値化し、価値の程度ごとに改善対象を優先付けするというのが、実務レベルでなかなか活かされていないというのが実情だと思うんです。


コスト低減からの流れを変える

横田 我々VEに携わる人間は、価値向上が精神論で終わるのがもったいなくて、価値向上だなんて言って意気込むんだけれど、提案を受けたオーナー側、経営者側の人たちにあまり響きません。経営者というのは、幾らコストが削減されるのかというところに興味が湧く。そうすると、V=F/CCにしか興味を持ってもらえないのです。


 いくらVが上がって、これは素晴らしい提案で価値が向上するからやろうと提案しても、Cが下がらなかったら意味がない。価値向上の原則となっていながら、4つのパターンがありながら、コストが上がる案を採用しづらい。オーナーが判断しづらいし、我々も説明しづらい。最終的には精神論になってしまう。そういうので、本当にもったいないなということがすごくありました。


佐藤 横田さん、F/Cの方程式は概念として僕は否定しませんが、結局Fが足し算できないんだと思います。品質と使用感とか、使用機能など、Fにはいろいろな機能がある。ペットボトルでいえば、水を蓄える機能とか、飲みやすさを確保する機能とか、漏れを防ぐ機能とか。Cはリアルに計算できるけれども、Fの単位が異なるのでFが計算ができないから、しょせん概念式に終わっているんです。F/Cを意識しろと言って、いろんな手法の方程式をつくったけれど、そこのところに矛盾が存在しているんじゃないかと僕は思います。


横田 それはありますね。


佐藤 機能の目標の立て方から、流れを変えなきゃいけないんじゃないかと思います。そもそもVEがコスト低減に傾いているのは、日本に入ってきた経緯が原価低減、それも購入資材費の低減が中心だった歴史があります。かつて私がいた会社でも、上司がVEを理解していたとは思いません。彼らが要求したのは、やはり原価低減です。私自身もまだVEの技術が足りなかったし、テアダウンみたいな原価低減志向の技術を開発したので、「よくやった」となる。どうしても経営者の方が目先の利益を求めるんです。私が何度か社長賞などを受けたりしたのも、みんな原価低減ですしね。


 ですから、サラリーマンとしても原価低減をやると褒められるから、これは具合がいいなと言って、どうしてもFに行かない。僕は、そこのところがすごく気になっているんです。


価値向上のアプローチは1つではない

横田 次の式は、V=F/Cを私なりの解釈で加工したものです。

 



横田
 上はいいですよね。下もF/Cであることは間違いありません。さきほど佐藤さんが「Fは数値化をする。でも足し算できない」とおっしゃいました。私はこれを「Ft」としました。tはターゲット、つまりFtとは目標のファンクションのレベルです。ファンクションが時間であれば時間で割ればいいし、面積であれば面積で割ればいいし、個数であれば個数で割ればいい。現行と目標を割り算することで無次元化できるので、無次元化すればF/Cは計算が可能だというのが私の考えです。


 ただ、Fが上がりも下がりもせず、現行も目標も同じだとしたときに、初めて(目標コスト)/(現行コスト)に加工されると私は解釈したんです。そうすると、一番下のCt/Cnは、(目標コスト)/(現行コスト)となります。我々はこれを一番上の式のF/Cと置き換えたかたちで計算していただけの話で、V=F/Cは、あくまでもファンクションにおける目標と現行が同じという仮定の下での式だと思います。


 しかし、Fは変わる可能性があります。Fが変わらずコストが変わる場合はこの式でいいんですが、Fが変わる場合はF/Cだけではない、下の式の途中の段階のものを使わなくちゃいけない。これも今までの論文の中に出しました。これを計算できるのが分かった瞬間、これはやはりやっていかなくちゃいけないだろうと思いました。


経済効果は計算できる


 次の図を見てください。

 

横田 コスト削減は、「1」というパターンはある点でしかないんです。Vを高める、つまり角度を急にするというのは、この黒いラインのどこかに乗ればいいわけです。必要なファンクションを達成し、Vが高まる方向は、いろいろなあるのに、分析できる式が「1」しか使えない。


 でも「4」なんてすごいです。コストを増やしてもFがさらに上がればいいというパターンです。理屈では分かっても、こんなのは経営者が判断しにくいとよく言われますが、私の論文では「4」でも、正味の経済効果を計算できる式を表しています。論文を見ていただければいいと思いますけれど。


 

 これから、こういうものがどんどん広がってみんなが使っていけば、VEの可能性はすごく広がります。「1」の方向の式だけだからあまりVEが使われないというのは、もったいない話です。


 

 もっと工夫して、経営者が「これだけの経済効果があるんだ」と分かるような式を我々が開発すれば、いろいろなところでVEを適用することで、どんどんVEが活かされていくのではないかという気がすごくするんです。


Vとは顧客の価値 



瀬口(日本VE協会会長の瀬口龍一氏)
 今までの話を聞いて、私も経営者の端くれとして、特にVEを前面に掲げてやった立場から申し上げると、価値の定義は、経済学的にも、哲学的にもいろいろあるけれど、このV=F/Cという定義は素晴らしいと思うんです。これ以上の定義はないんじゃないかな。この式は経営そのものを表しているんです。


 Vは何かと言ったら、お客さんにとっての価値です。これは数値的に何で表現されるかと言えば、売り上げです。Vが上がるということは、すなわち売り上げが上がることなんです。それが何によって構成されるかと言うと、最終的にはF/Cとなるわけです。



 これをさらに分けると、私は、お客さんにとっての価値はF/P(プライス)だと思うんです。お客さんにとってのコストはプライスなのに対して、企業はとにかくPよりもCが低くならないと意味がありません。利益については、いろいろ考えがあるかもしれませんが、単純に言えば、P/Cが企業にとっての価値なんです。これを利益と称するんです。


 これとお客さんの価値であるF/Pを掛けるとPは消えちゃいます。それで結局V=F/Cとなるんです。コストもプライスも数値で表せます。Vも売り上げですから、数値として表れます。結局、数字で表現できるんです。だから私は、VF/Cというのは経営の全てを表現していると思うのです。


 ある大会社の社長が「コストダウンをrespect(尊敬)されたものにするんですな」とおっしゃっていました。コストダウンというのは、企業の中で非常に重きを置かれていますが、安かろう悪かろう、手を抜いているんじゃないかいったイメージにもつながって顧客に受けません。つまり、コストに対する概念というものは、一般的に見ると必ずしもrespectされるものではないんですよ。


 

 ところが企業にとっては、極めて重要なファクターです。今、日本メーカーの薄型テレビの不振などいろいろな問題が出ていますよね。いろいろな要素がありますが、要するに値段の競争、コスト競争に負けたということです。


 

 そういうことから言えば、コストは依然として最重要課題です。コストを下げることは、価値を下げることだと思っている人が多いんですが、コストが下がることは価値を上げること。そういう点でV=F/Cという式は非常に優れたものだと思います。


 

 私は、数字的に表現することは経営的に可能だと思います。式を変形すれば分かります。FV×Cなんです。だから、Vで価値を表せるんです。Vは売り上げですよ。機能を上げたら売り上げが上がらなければいけない。それは数字的に表現できる。それにコストを掛けるとFになるわけで、当然Fも数値になるわけです。


Fを向上させる訓練が必要


佐藤 私も横田さんもこの概念式を否定していませんし、コストリダクションについて不要論を投じているわけでもありません。絶対必要です。VEのプロセスでないところでも十分できますが、コストリダクションは絶対やらないといけないし、ASEANに負けないものづくり、コスト水準の達成は、経営的にも、我々ものづくりに携わっている人間にとっても、絶対の義務だと思っています。


 

 概念式のFの捉え方も、方程式としてはいいんですが、実務ではFを算出しにくい。それに対しては、さきほどの横田さんの理論やり方もありますし、Fについて個別に主要機能も分けて判断していくやり方もあります。


 

 Fが上がっていくことは、VE教育の中でもあまり強調されていません。私は、入門セミナーに30時間かけています。その中で徹底的に機能開発を訴えるんです。いろいろな題材に対して、もっとユーザーが満足する新しいFはないかというところに3時間も4時間もかけます。Fを向上させる訓練が身近にないと、どうしても原価低減型になるのではないかと感じます。



横田
 私も基礎研修は3日かけます。そこで機能系統図の作成と、V=F/Cの基本式が肌に染みつくぐらい研修をする。VEはコスト削減ではないんだと。私の実務、本番のワークショップでも必ず全部Vを計算します。それも機能分野ごとに全部です。普通皆さんは機能分野ごとのコストしか出さない。あるべきコストと原価コストしか出さないかもしれないですけれども、私のやつは、機能分野ごとにあるべきファンクションと現行ファンクションを全部数値化して、全部Vを出します。


 だから、「コスト削減が何%、機能向上が何%、それを合わせた価値向上が何%、この案は価値向上が何%です」と明確に言える。従って「コスト削減はこっちのほうが大きいけれど、価値が向上するのはこの案です」と数値で説得できる。


 

 瀬口会長が言われたようにFは数値化できるし、佐藤さんもF/CFに着目している。でも、残念ながら今ここに集まってきている人の3割ぐらいしかVを計算していません。これだけ素晴らしい式があって理解している人もいるのに、実務でどうして使わないんでしょう。使う機会がないのか、使う方法を知らないのか、使う意味がないから諦めているのか。それをもっと変えないと、VEの良さが分からないし、自分たちも分からなくなる。そういうのがすごく惜しいなという気がします。


 

―― 議論も白熱してきましたので、次のテーマである「Next Value Engineeringとは」に移っていきたいと思います。


 



横田
 私も佐藤さんもアメリカによく行きます。日本のVEをこれから育てていく、そしてアメリカでいろいろ研究開発されている情報を仕入れてくることは、とても大事だろうと思います。VE全国大会は2日間で1000人近くの人たちが集まるわけですけれど、そういう人たちの研究結果、成果みたいなものを海外に発表する機会がまだ少ない。そういうのはもったいないなという気がしています。


 

 アメリカでよく言われるのが、「機能系統図がちょっと違う」ということです。向こうではFASTダイアグラムというものがあって、基礎研修に相当するモジュールTの中で教えられています。しかも、FASTダイアグラムのバリエーションが3つもあって、それを教え、それを基に分析をしています。

 

 その中に日本の機能系統図に似たようなものもありますが、また違う。機能系統図は私も大好きです。でも、日本の機能系統図は、バリエーションが1個しかありません。なので、機会があれば、アメリカのFASTダイアグラムも一度どこかで使ってみていただきたいなと思います。


 

 私は向こうのFASTダイアグラムの教え方、使い方、こつ、特徴、全部学んできました。その結果分かることは、日本の機能系統図もFASTダイアグラムも両方いいんです。一長一短があって、両方をどんどん使っていくのがいいんじゃないかなと思っています。佐藤さんは、機能系統図をどのように作っているんですか。


 

佐藤 機能系統図は、私独自がやりやすい方法で作っていますが、最終的に出来上がる機能系統図のスタイルは日本式で基本を変えていません。今問い掛けられているのは未来のVEですが、僕はまだ日本には本当のVEが浸透していないと思います。うわべだけのVEがたくさんあって、本当のVEをやっている会社はいったいどのぐらいあるでしょうか。

 

 ですから、未来というよりも、まず今やっている「VEらしきこと」を本格的にきちんとやること。そして、それを応用することが大事なんじゃないかなと思います。我々が問題にしなければいけないポイントを申し上げると、機能開発に目を向けたVEの適用を積極的にやるべきであろうと私は思っています。このごろ特に日本の商品がコストで負けるばかりなものですから、機能開発で勝ちたいという思いが非常に強いんです。


マインドを変える


 

佐藤 それから、(機能を想定する上での)ユーザーの範囲を広げることです。例えば、茶碗。食器洗い乾燥機でこれを洗うとひっくり返した足の部分に水がたまります。しかし、あの水が抜ける茶碗がちゃんと売られているんです。これは洗う人の立場を考えているんですね。通常は茶わんを使うことを念頭にVEをしますが、茶わんを洗う人という視点でも考えるべきなんです。いろいろなユーザーがいますから、ユーザーの範囲を広げることは重要なんじゃないかと思います。潜在機能をどう見つけるか。そこで競合他社に差をつけて勝っていけば、VEは本当の意味のVEとして認められるんじゃないでしょうか。


 

 昨年のVEアジア大会へ行ったら、全部コストリダクションの発表だったので、日本にとっては絶好のチャンスだなと思いました。


 

横田 基調講演で20世紀のマインドセットから21世紀のマインドセットに変えていかなくちゃいけないというお話しがありました。私もそのとおりだなと強く感じました。


 

 恐らく基本的な考え方は変わらないだろうと思います。でも、テクニックは変わっていく。V=F/C、そして価値向上、特に5原則で総括されるようなものは変わらないけれど、手段や手法、ツールは変わっていくんじゃないかと思います。


 

 これからのValue Engineeringを考えるなら、当然今までのものをそのまままねるということではなく、当然ツールも変わっていきますし、これだけの研究が毎年行われるわけだから、いろいろなものを導入していっていいと思います。でも、考え方は変わらないだろうなとは思います。


 

 マイルズさんが晩年言われた言葉で、私がすごく印象的だったのは、「VEというのはものを変えるんじゃないんだ。人を変えるんだ」というものです。それを聞いたときに、なるほどなと。VEの本当のマインドというか、VEをやる、広げる、それが多くの業界で効果が出ているというのは、うまく人を変えられたかどうか、そこに極まるんじゃないかなと思うんです。


 私の本の中でもこの「Mind turning is an essential step in problem solving.」という言葉を何度か紹介しています。


 

 



横田 
問題解決において、極めて重要な一歩はMind turningだと。技術とかそういうものではなく、開発している人が、携わっている人が、分析している人のそのマインドが変わったかどうかというところが極めて重要で、ツールや式やステップなんかは時代ごとに変わってもいい。でも、このMind turningというのができているかできていないかで、VEが成功するかしないか全然違うと思ってもいいぐらい、マイルズさんの言葉に感銘を受けたし、これが本当のVEの姿なんだろうなと思います。


 

 これをするためにいろいろな道具が研究開発され、VE協会がそれを集約し、そして皆さんが実務で使用し、開発していくのです。次の時代、21世紀型のネクスト・Value Engineeringの姿は、これを忘れてはいけないのではないかと、私はすごく思います。


 

対象ユーザーも門戸も広げる 


瀬口 VEを普及する仕事をしている関係上申し上げると、今のお題である「Next Value Engineeringとは」で一番重要なのは、対象範囲を広げることだと思います。


 

 VEは、どうしてもハードに寄ってしまうのです。もちろんハードは大事ですよ。これは非常に有効な手段ですから。しかし、ハードは大事なんだけれど、やはり、経営そのものが対象であるべきなんです。


 

 私はまさにそれを実感していまして、経営全般に通用する例えば中期計画をつくるときにこの手法を使っていきます。ソフト面にも使っていきます。


 

 コストと一口に言っていますけれども、佐藤さんの話にもあったように、コストにも変動費、固定費があるわけです。ところが、変動費の対象は、主としてハードです。ですからVEが対象にしているのはハードになります。ところが固定費はほとんどソフトです。人間をはじめとする固定的な費用であって、図面をいくら描いても下がらないわけです。仕事のやり方を変えないと固定費は下がらないです。


 

 損益分岐点のグラフを思い浮かべると分かりますが、変動費の部分を下げるのもコスト低減の1つですが、固定費を下げるのも1つです。それは対象が違うのです。要するに、物(図面)が対象であるか、仕事が対象であるかということになるわけです。そういうところは認識して、今後は、ハードで使いこなしてきたValue Engineeringを、ソフトあるいは経営そのものに使うということが、Next Value Engineeringではないかと私は思います。


 

VEには人間活用の答えがある


 

瀬口 もう一つ付け加えると、横田先生がおっしゃったマインドは非常に重要です。要するにVEというものは、基本的に言うと、私は人間力の活用だと思うのです。会社を構成しているのは人なんです。だから、その力をいかに有効に活用するかということが経営者の最大の関心事でなければならないはずなのです。


 その答えを持っている経営者は少ないと思いますが、私はVEをライフワークとしてやってきた関係もあり、VEが人間の力を活用する答えだと思っています。とにかく購入部品の値段を下げればいいんだということではないんです。売れるということが、お客さんにとっての肝ですから。米Apple社を見れば分かるじゃないですか。あの機能変換というものは強烈ですよ。そこで伸びているわけです。ですから機能が重要だというのは、当然です。


 ただ、私が言いたいのは、原価低減をやらないと、なかなかVEというものを経営者は理解しませんよということです。そこは捨てちゃいけないどころか、おおいに喧伝すべきだと思います。


 もう1つ言いたいのは、VEの機能にさかのぼるというやり方は、ものすごく飛躍的な解決につながるということです。私はIEQCもやっていますが、飛躍的な解決はないんです。そもそもそれを狙っていません。要するに、飛躍的な解決というものは、VEの専売特許だと思うんです。


 

 ところが今、日米の企業を比べた場合、営業利益は日本の場合10%どころか5%を切っているところが多い。アメリカは、例えばVEを考え出したGEは、ずっと増益を続けていて営業利益は20%を超えています。日本の企業は、そもそももうかっていないんですよ。コストダウンうんぬんというより、利益が根本なんです。利益が出なかったら企業なんてものは発展しませんから。


 

横田 たぶんファンクションの部分、コストの部分、その差の部分、瀬口さんのおっしゃるP/CでいうところのPCのところなのかもしれない。そういう企業としては当然利益を生み出していかなくちゃいけないというところに本来の姿があるということですね。


 

瀬口 僕は、V=F/Cという式は利益を表していると思います。それは、人間力を開発することによって利益につなげていこうという根本的な考え方です。これがマインド・ターニングなんですよ。ですから、VEは心理学的な要素が非常に強いわけです。ですから、このマイルズさんの言葉は非常に素晴らしいと思います。




横田
 ええ、本当に。私の会社の名は「ファンクショナル・アプローチ研究所」で、Value Engineeringは使わなかったんです。なぜかと言うと、今瀬口会長が言われたように、VEは製造業のある部分だけに特化したものじゃなく、経営そのものであり、全ての人の活動全部に適用できるものだろうという考え方からです。定義の中にもあります「機能的研究に注ぐ組織的努力」である。その機能的研究が、ファンクショナル・アプローチなんです。ほかの改善技法が山ほどある中、VEが唯一にして最大の効果を引き出しているのは、機能的研究法にある。ファンクション、機能に一度置き換えるというのが素晴らしいと思います。


 

 我々は、そこをもう一度確認して、製造業、建設業だけじゃなく、もっと一般の業界の人たちもここに集まり、そして、それぞれの業界でまた新たな研究がシェアされていくというのが、21世紀の姿じゃないかなと思います。


 

 そのために我々は何を世の中に発信していかなくちゃいけないのでしょうか。コスト削減ばかりでは駄目だし、製造業だけということだけでもなく、もっと門戸を広げて、ウエルカムな気持ちで我々も活動していくと、また我々の活動の場が広がっていくんじゃないかと思います。


 

佐藤 未来のVE、将来のVEをどうするかというのは、たくさんの切り口があると思いますけれども、私が皆さんに提案しておきたいことは、さきほどの意見の中でも私の持論でもあるんですが、ユーザーの範囲を広げよということです。


 

 VEの手法的にいうと、セカンドルックでVEのアプローチをする。セカンドルックで、あるものの機能を抽出して、その機能を違うかたちのもので置き換えようとしている。これはVEのセオリーです。


 

 でも、このセカンドルックは、従来のユーザーから広がらないんです。従って、ユーザーの範囲を広げる見方で新しい機能開発をすれば、VEの幅が広がる。これが、未来のVEについてのごく身近なところの提言の一つになるということで、私は、自分のセミナーでも、コンサルタントの仕事の範囲でも、いつもユーザーを広げる話をしているんです。そうすると、新しい機能のニーズが出てきます。


 

機能開発に力を入れよ


 

会場からA 私はまだVE初心者なんですけれども、会社は製造業ですから、基本的にコストリダクションに重きを置いています。それは、たぶん、ファンクションが数値化できないからです。民間企業は、数値化できないと成果も測れませんし、活動にできません。予算ももらえません。


 

 Vを上げるためにファンクションを上げるというのは、式では分かるのですが、ファンクションを上げたときに、本当にお客さまのプライスを上げてくれるのかがうまく証明できなかったり、式にできなかったりするので、そこが苦しいところだと思うんです。


 

 すごく枯れた商品では、結局、プライスを上げるファンクションが出てこないので、皆さん苦しんでコストリダクションになっちゃっている。そこでファンクションを上げるための手法として、生活研究とかいろいろやっています。


 

 結局、F/Cといっても、プライスを上げてくれるFをどうやって見つけるかというところまで含めて一貫してできるツールなり活動なりがないと、VEではない他のツールが良いじゃないかと思い始めちゃっています。


 



会場からB
 先ほど、V=F/Cのお話を聞きました。FCの研究はVEの中でかなりされています。私が言いたいのは、Vの研究がされていないことです。Vは価値ですから研究はされているのですけれども、お客さまの研究はされていないと思うのです。


 

 会社は製品をつくるところの研究をします。どういうお客さまに売るかを考えますね。そのときの方法が、例えば今は、日本国内だったのがグローバルになってものすごく多様化している。人間も多様化していますね。だから、機能を探すためにお客さまを研究しなければ駄目なんです。


 

 VEでは、V=F/CFCにすぐ注目して、今まで来たわけです。今の世の中はソフトの時代だと言われて、物の時代ではないと言われています。そういう意味でも人間の研究をしないと駄目なんです。それと、Vの研究を重ねてやらないと20世紀は負けちゃうんじゃないかと思います。


 

横田 手を上げられた方は、Bさんの話についていかがですか。


 

会場からA 私はV=F/CFをある意味Vと考えています。要するに、お客さまがプライスをくれるファンクションのことを、勝手に私はF/CFと考えていまして、Fを上げるところが単に性能を上げるという意味ではなくて、お客さまがプライスを載せてくれる機能=Fと私は勝手に解釈しているのです。そうしないと上司に「Vが上がった」とは言えません。そこら辺の研究がこれから大切なんじゃないかなと思っています。


 

佐藤 今のお二人の話から、私の意見をお話しします。Fの開発で、日本にはセカンドルック、ファーストルック、ゼロルックと名付けたVEの手法があることになっていますが、現実的にファーストルックとゼロルックはマニュアルもありません。どういう狙いで、どうやったらほんとにゼロルックなのか。


 

 ただファーストルックもやっていると言いたいから、開発段階にVEをやったからファーストルックと言っている場合もありますが、気持ちとしては、ファーストルックは今までにない何かを求めているレベルに変わっていくものなので、設計段階での原価低減的なVEをファーストルックと言うのは、ちょっと間違っているかもしれない。


 

 私も、正直あまりゼロルック、ファーストルックをやっていないんです。ゼロルックは世の中に実績が少ないのですが、機能開発の方法としては存在しています。これを、具体的にもう少し、私も含め、我々日本のCVSやバリュー・エンジニアがもっとこの手法を詰めていく必要があるのだろうと思います。


 

多様な情報収集を


 



佐藤
 もう1つの視点は、情報収集の仕方に問題があるかなと、今思っています。私も経験があるのですけれど、アンケートとか面接法、アスタリスクが付いているところは多くの教科書が推奨している方法なのですけれども、アンケートも面接もこちらが知っていることしか質問しません。こちらが気付いていることしか質問しません。回答者も、知っていること、気付いていることしか回答しません。


 

 そこで、動作分析とか、観察、それぞれのVEをやる人が具体的に体験する、そういう中からユーザーの範囲の前提を広げておいて、さっきのコップは、コップで水を飲む人だけではなくて、洗う人、壊れたコップを片付ける人、実は私は壊れたコップで手を切ったことがあるんですが、そういうようなことを含めると、対象範囲を広げていったらもっと違うニーズが出て、このきれいなグラスだけが評価を受けるのではない、新しいグラスが出てくるんじゃないかと。




 佐藤 そういうようなことで、この観察法、動作分析、体験のときに対象範囲を広げておく。最後にスクラップを、それこそレアアースではないですけれども、半導体の中から何かを取り出していくことまで含めた半導体ができたら、日本は永久に資源は、これだけ半導体が入っているわけですから、新しい、中国から資源なんて買わなくたって済んじゃうようになるんじゃないかというくらい、対象範囲を広げることによって、新しいものができてくる。それが、場合によっては売価を高くします。


 

横田 さきほどご質問いただいた点についてお答えします。私も同じ疑問を最初に持っておりましたので。


 

 Fをどう評価するのかというのに、まずは基本に返るとなると、名詞を定量化できるものできちんと定義しているかどうかです。「電気を流す」ではなく「電流を通す」。そうすると、何アンペアなのかといった数値や程度が分かります。現行のやり方の機能の達成度が、それで評価できます。代替案が出たときも、その達成度はどうなのか。何アンペアだったものが何アンペアになるのか。時計の誤差が、月差何秒だったものが何秒になったのか。要は、定義が定量化できる名詞を使って、本当にちゃんとやっていければ、測れるんだから難しくはないんですね。


 

 なかなか全部が全部定量化できる名詞を使えるものではないんですし、実際、性能等級法というのを使わざるを得ないこともありました。ただ、我々は、佐藤さんが言われた情報収集してでも、観察してでも、何とかしてFを、お客さんがどう感じているのかを数値化していかないといけないのだろうなと思います。


 

本当に我々がしようとしていることは何か 


会場からC 今の議論とは違いますが、V=F/Cで、今まではV1を超えないという話があります。その辺に疑問があるんです。これについてはいかがでしょうか。


 

佐藤 この件は、私が25年ぐらい前にVE誌に「V1を超える」という論文を投稿しています。そのころから、そう思ってはいますが、ただしセミナーの中では1を超えないと教えています。なぜかというと、実際に実績価値標準の考えがあるからです。同じ機能を果たすのに1を超えてしまうはずはないという考え方として教えます。


 

 しかし、現実的には、例えば60Lの燃料タンクを80Lに大きくしようとなれば、当然、容量が違うわけですからコストが変わってきますので、必ずしもV=F/Cの評価が正しいかどうか、疑問になってくることがあるわけです。


 

 追加機能については、当然のことで、なおのことそう言えます。私のセミナーでは、機能定義シートを改良して、追加機能の欄を改めてつくって、それが競合相手にあるのか、ないのかといったチェックもします。そうして追加機能のところで、競合相手と差が付くことが分かるようにしています。


 



佐藤
 ここに目標値を入れて、従来機能については原価低減をして、その原資を使って追加機能のコストをはき出す。そのようなやり方で、上のCを下げる話がなければ、この追加機能分をプライスアップできるかという議論に変わります。


 

 従来機能の範囲は原価低減をして、追加機能にお金を使っていくことにすれば、数値的にはCが変わらずにできる。こんな理屈をよく、セミナーで教えたり、実務で使い始めたりしていますが、ある程度具体的に機能の目標と、コストの目標を付けることによって、プライスを誘導する議論の原点になるのだろうと思っています。


 

横田 先ほどの式ですけれど、一番右下を考えると、当然V1以上にはならないと私は思っています。つまりターゲットを超えることはない。それは、今佐藤さんが言われたように、実績価値標準で行く以上最も安いものがターゲットなので、これはあり得えません。ただし、F/Cの式に戻ったときは、1以上はあり得ます。機能を向上しなくちゃいけない場合は、これは当然1以上であってしかりであると思います。


 

 ここは考え方を分けないと、ちょっと理解に苦しむことになると思います。私も最初、すごくここの理解に苦しんで、自分なりにこの式を改良したことでようやく両方正しいと理解ができました。


 

会場からD 建設コンサルタントで、VEをサービスとして公共事業の手伝いをしていますが、価値の基本式で非常に悩みながらやってきました。行き着いたところは、横田先生がおっしゃった、Fを定量化すれば無次元化できるということで、それもやりました。Cも当然数字がありますので、無次元化同士でしっかり出せます。ところが、ワークショップなどやっていると、Fそのものにも要求の強い弱いがあり、それについて前のステップでもっとしっかりやっておけばよかったというような意見が出てくるんです。


 

 チームで答えを出すときに、もしかしてこれは偶然ではないだろうかという悩みに陥ってしまった経験が繰り返しあるんです。突き詰めていくと、1つのテーマを同じ情報で、同じ制約条件で、同じチームが3回続けてVEをやった結果と、同じことを三つのチームが並行してやった答えがどうなるか。当然、違うだろうという悩みです。


 

 これが最終的な答えだと言えるだろうかという悩みをぶつけられ、それに対しては「VEは絶対1つでありません。チームが創造するもんです」と言うんですが、心の奥で納得しない。こういったものは、手法とか理念とか、いろいろなことはあるんですが、根底に、VEそのものの社会的な地位というか、何かよりどころがないところを感じるんです。今後のVEというお話で、社会的な地位を高める方法として、何かご意見を伺いたいと思っています。


 

横田 ありがとうございます。価値が表現されれば、今、言われたように、もっと違う意味付けができるとは思います。佐藤さんいかがですか。

 

佐藤 そこは僕ももやもやしていて、Fに対する満足度の違いでもあると思うんです。ですから、チームが出力するときに、Fに対する満足度をどう捉えるかということで、答えは変わるんじゃないかと思います。


 

 ですから、私は結構早いタイミングで投げ掛けた、概念式は認めるけれども、これをいろいろな項目ごとに数値化して足し算するのは、単純にはできないんだと。だから、むしろ個別に目標を置いたほうがいいというふうに切り替えているんです。


 



――最後に、お二人に、このたびのトークセッションのご感想をお願いできますでしょうか。


 

横田 またマイルズさんの言葉なんですが、よく言われる「What are we really trying to do?」、本当に我々がしようとしていることは何ですかということをよく言われるんです。それを、フィーリングすることが大切だとマイルズさんは言っているわけです。マインド・ターニングとすごく似ているところがあります。「我々は本当は何がしたかったんですか」という質問は有名です。彼は、ただ、それをフィーリングしろと言うわけです。より深く理解する。より感じるためには、こういうことをやりましょう。とても重要なんですよと彼は言っているわけです。


 

 そうすれば、アクションズか、インアクションズか、つまり、やるべきか、やらざるべきかというのは、瞬時に分かります。我々がああだこうだ議論する前に感じることが大切だ。分析することとか、トークすることとか、そんなことではなく、感じろと。これがとても大切なんだと、彼はそういう言葉を残しているのです。


 

 我々のやっている、皆さんがやっているVEが本当にマインド・ターニングできていますかということです。そして、フィーリングできていますかということです。我々が本当にそのものを感じたか。感じていたらVEができているのだと思います。


 

 



佐藤
 今、「to do」という言葉がマイルズの言葉に出てきました。私の言いたいことも「行動しよう」ということです。


 



佐藤
 ここにいる皆さんは特に意識改革のできない階層だと思っています。なぜかと言うと、こういうところに来られる方は、会社の中でも地位が高かったり、信頼があったりするからここへ来られるんです。そういう方々は、誰かに何かをやらせようとするんですが、自分ではなかなか理想を追い切れないことが多い。意識改革が必要なんだけれどできないのです。やれることは、自分で一つずつ行動を変えていくこと。こういうことをいつも申し上げています。


 

 VEももっとレベルを上げなければいけないわけですから、そのレベルを上げるという視点で考えると、レベルが上がるまで変える、行動する。そして、上がったレベルが2度と下がらないようにすることが肝心です。


 

――ありがとうございました。



                   (株)VPM技術研究所 所長 佐藤嘉彦 CVS-Life, FSAVE