(C)TOSSインターネットランド /中学/3年/理科/エネルギー/
山本芳幸(TOSS岡山サークルMAK、MAK-Science、TOSS中学∞)
学習指導要領解説(理科編)では、「水力、火力、原子力発電の仕組みについて(中略)エネルギーの変換・保存と関連させて理解を深めるようにする。」とある。ものやスライドを用いて、エネルギーの移り変わりを理解させ、次世代のエネルギーの有効利用法、新技術を知る。
準備物 マッチ、ゼネコン、豆電球、モーター、電池
※授業で用いたスライドのお問い合わせは、山本までご連絡ください。
エネルギーと聞いて、思いつくことをノートに書きなさい。
エネルギーの定義は、物を動かす力、物をこわす力、などのことを言います。
エネルギーには、いくつかの種類があります。人間が走るときなどの運動エネルギー、高い温度による熱エネルギー、稲妻などの電気エネルギー、そして、石油や天然ガス、石炭などの燃えるものに含まれる化学エネルギーなどがあります。
手と手を合わせ、こすってみます。どう感じますか。
「熱くなる。」
運動エネルギーが熱エネルギーに変化しているのです。
※マッチを出す。
マッチです。化学エネルギーを含んでいます。こすります。何エネルギーに変化していますか。
「熱エネルギー」
※電池でモーターを回す。
何エネルギーが何エネルギーに変化していますか。
「電気エネルギーが、熱エネルギーに変化」
※水を熱して発生する蒸気で風車を回す写真をみせる。
この写真は、何エネルギーが何エネルギーに変化していますか。
「熱エネルギーが、運動エネルギーに変化」
※手回し発電機で豆電球に明かりをつける。
何エネルギーが何エネルギーに変化していますか。
「運動エネルギーが、電気エネルギーに変化」
このしくみをもっと大きくしたものがある施設があります。何という施設ですか。
「発電所」
※火力発電所の写真
ここは何発電所だと思いますか。
「火力発電所」
※発電所のしくみの写真
火力発電所では、その石油などの化学エネルギーが燃えて、熱エネルギーに。それが、水を蒸発させ、蒸気になって、タービンを動かす。そのとき、運動エネルギーに変化。そして、発電機を回して、電気エネルギーが発生します。
このようにエネルギーは形を変えて一定に保っていきます。このことを、「エネルギー保存の法則」といいます。
しかし、この過程で大きな問題があります。どんな問題がありますか。
隣同士で相談し、発表する。
石油が燃えたときの熱、ボイラーの蒸気、送電線での熱によって、エネルギーが抜け出てしまっているのです。
家庭に届くまでに、約何%のエネルギーが抜け出ていると思いますか。
「約65%」
このエネルギーを有効利用できる方法に、どんな方法が考えられますか。
隣同士で相談し、発表する。
※コージェネレーションの写真
例えば、発電所でできた温水を家庭用の温水などに再利用しようという技術があります。これをコージェネレーションといいます。
※超伝導の写真
超伝導物質。一度電流を流すと、消えることなく流れ続ける素材です。−200℃ぐらいの低温で、この現象が発見されていますが、普通の温度でもこの現象ができるようになったとき、エネルギー効率は大幅に改善します。
※燃料電池の写真
燃料電池。エネルギー効率が80%と高く、また環境に悪い廃棄物を出さない究極の電池です。
このような技術を開発することで、エネルギーを有効利用できるのです。これからの新技術を開発・普及していくのは皆さんです。
参考文献:中学校学習指導要領解説―理科編―、新しい科学 第一分野下 東京書籍
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