マイケル・マーカスとは
マイケル・マーカスは、大手証券会社の商品調査アナリストからトレーダーに転進し、10年間でファンドを2,500倍にしました。
マーケットの魔術師シリーズ第1巻に登場するトレーダー、マイケル・マーカスのインタビューの中から株式投資の教訓となる文言を抽出し、コメントを加えて考察します。
損切り
利喰いを伸ばすことと同様に、いかに早く損切りすることが重要か。(p.31~p.32)
常にストップを使うこと。(p.51)
利が乗っているポジションはできるだけそのままにしておいて、やられているポジションは早く切る。(p.52)
コメント
仮に勝率が5割でも利益確定の値幅を大きくし、損失を利益の値幅より小さく出来れば、負けを上回る利益をもたらすことが出来ます。
利益を伸ばす為には、利益が出ている最中に利益を限定しないことです。利益が出ている銘柄の現状のトレンドが続いている限りはトレイリング・ストップで追従すれば、利益を伸ばすことが出来ます。
逆に損を出す人は、評価損が出ているポジションをそのままにし、利が乗っているポジションを手仕舞う傾向があります。
損切りに関しては、ストップ・ロス・オーダー(逆指値注文)を使えば、予期せぬ反落時に機械的に手仕舞うことが出来ます。
手仕舞い
理解できないような値動きが起こった時は、まずポジションを手じまってからその理由を考える。(p.44)
ポジションに対して自信が持てなくなって、どうしたらよいかわからなくなったなら、すぐに手じまうべきだ。(p.51~p.52)
コメント
自分が何をしているのか分からない状況で、投資を続けないことです。そのままポジションを放置していると損失が膨らみ、資金の大半を失う可能性があります。
基本的に自分が理解出来ない金融商品、投資対象に投資しない方が良いでしょう。仮に理解して投資を始めても、途中で理解出来ない状況になったら、現金に換えることです。
危機発生時には危険回避の反射神経が要求されます。そういう意味では、必要な時にすぐに換金出来るということ、即ち流動性が高いということは重要なことです。
資金管理
一つのトレード・アイデアに対しては常に資金の五パーセント以下の金しか使わない。(p.51)
コメント
資金の5%というと、例えば運用資金が1,000万円のときに、一銘柄の投資額上限が50万円ということです。一見控え目な金額のようにも思えます。
しかしマイケル・マーカスの運用資金は巨額なので、5%でもかなり大きな金額になると思われます
。
個人投資家で運用資金がそれほど大きくない場合は、5%という数字そのものにこだわる必要は無いと思います。何れにしても1回のトレードに運用資金の大半をつぎ込むことは避けなければなりません。
オーバートレードをすれば、相場が見込みと違う方向に大きく動いた際に、大きな損失を出す可能性が高くなります。
投資の姿勢
自分のスタイルでトレードをする。(p.52)
コメント
自分の投資哲学、投資方法を確立することは、トレードを長く続けるには重要だと思います。当初は先人の手法なり投資方法を真似したとしても、そこに自分なりの工夫を加え、自分に合う形を身に付ける必要があります。
投資の勉強
トレードは孤独なものだから、自分で勉強しろ。(p.55)
コメント
株式投資は自己責任です。他人の意見を鵜呑みにすることなく、自分で考え、自分で判断して行動することが必要です。
自分の資金で投資するのであれば、最終的には自分の判断でやるしかないと言えます。
仮に他人のアドバイスに従って投資をして損失が出た場合は、責任転嫁をしてしまいそうになったり、心の整理が難しくなります。
メンタル管理
成功するには勇気も必要さ。挑戦するための勇気、失敗に対する勇気、成功することへの勇気、そしてうまくいかない時でもやり続けようとする勇気だよ。(p.56)
コメント
ある程度リスクを取らなければリターンは得られません。一歩前に踏み出す積極性が必要です。行動しなければ何も始まりません。
しかしリスクを取り過ぎると、少々相場が逆行しただけで追証が発生したり、怖気づいてしまいます。
その間のちょうどいい塩梅(あんばい)のところで、相場の世界で生き延びることが必要です。
マイケル・マーカスの人脈
ジャック・D・シュワッガー…レイノルズ証券で先物調査アナリストとして働き始めた時に、マイケル・マーカスの職務を引き継いだ。
エド・スィコータ…自分が働いている会社にマイケル・マーカスを勧誘した。またトレードについて助言を受けた。トレーダーとして成功していく過程で最も影響を受けた人物。
ブルース・コフナー…コモディティズ・コーポレーションで一緒に働いた。
新マーケットの魔術師に学ぶ株式投資の教訓(シリーズ第2巻)
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