『おっぱい』って赤ちゃんが生まれたら簡単に出て、簡単に上げれるものだと思っ
ていました。もしかしたら、出なくて悩むかもしれないと思っていましたが、出すぎで
悩むとは想像もできませんでした。
出すぎたら、絞ればいいんじゃないのってことなのですが、そんな簡単なことではあ
りませんでした。
私の場合、出すぎた乳はおっぱいの中で固まって出口(乳首)に栓を作り、乳を
出さなくしてしまいます。出口を失った乳は、オッパイの中でドンドンたまっていきます。
乳は、ドンドン作られるわけです。これ以上オッパイが大きくなれないという状態にな
ります。もう岩のようにガチガチのオッパイです。もちろん、痛い!! 痛いなんてもんじゃ
なかった。ひどい時は、肩・頭などが痛くなりました。熱も出たことがあります。
一番簡単なのは、赤ちゃんが固まった栓を吸い出してくれることです。出口が出来れば、
すぐにママは楽になり、おっぱいも軟らかくなります。ただし、たまり乳はまずいらしく、
ほとんどの場合、赤ちゃんはそのつまった栓を吸ってはくれません。
赤ちゃんは、乳腺(乳首にいくつかの出口がある)を順番に飲んでいくそうで(乳腺の数
は人によります)、気に入らない乳腺は飛ばします。
赤ちゃんが白栓を取るのは、簡単です。でも、取ってくれない場合が大変です。
その白栓は、簡単にとれるものではありません。
自分でマッサージして取れたこともありましたが、1時間ぐらい汗をながしながらの戦い
でした。慣れてくると、コツがわかって少しはとりやすくなりましたが、なにしろ大変でした。
白栓が目で見える場合と見えない場合がありました。見えない場合は、多分このあたり
だろうと見当をつけて乳首をマッサージしました。見える場合、その白栓が上手く飛んで
出口ができる時もありました。白栓が外れたとたん、乳が勢いよく吹き出てきます。
夫に吸ってもらうのがいいようですが、赤ちゃんのように上手に吸うことが出来ません。
我が夫も協力しましたが、ほとんど効果なしでした。
どうしようもないときは、助産院(桶谷式)に行き、母乳マッサージをしてもらいました。
約1時間ぐらいのマッサージ、ウソのように楽になりました。
オッパイで育てるには、色々な努力が必要です。特に私のように乳腺炎系になりやすい
オッパイだとその努力は必要です。
もちろん、それぞれ人によって全然違うようです。母乳だけで育てていても何もトラブルが
ない人は沢山います。何が違うのかわかりません。多分、体質なのではないでしょうか。
そんなことをケンが生まれてから断乳するまでの約1年間、付き合うことになりました。
オッパイと戦う日々が続きました。
オッパイトラブルがなかったら、もっと楽な育児だったように思います。
母乳だけで育てようと意気込んでいたわけではないのですが、出るオッパイなのに、
ミルクにするのがもったいないと思ったわけです。
というかオッパイを吸ってもらわなければ、私はしんどかったので、母乳だけにせざる
をえなかったというのが正直なところです。
おっぱいを急に止めた時の痛さを思うと怖くて決断する勇気が持てませんでした。
普通にしていてもこんなにたまって痛くなるのに、もっと痛くなるなんて考えただけでも
ぞおっとしました。
でも、オッパイの想い出が沢山できました。
自分のオッパイにすいつく我が子は、本当にかわいかったです。女にしか実感できない
経験だと思います。それに、授乳はすっごく動物的な感じがしました。(人間も動物なん
だなって)こういう経験は初めての経験でした。こんな経験するのも人生のうちにあって
もいいかなって思います。
まあ、こんなゆとりのある言葉が書けるのは、終わったことだからですが。
実際は、つらい日々でした。はやく、断乳をしたいと思っていたのも事実です。
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