過去のノート
2001・12
最近コンピューターウィルスが出回っているようです(「W32/Bad…」)。こちらにもファイル付きのメールが立て続けに届いてきます。感染に気付かずに散布してしまう場合があるので、皆さんもお気をつけください。

 ゴンとセーユの卵のうち、少なくとも6つが有精だった。いろいろ考えて、1つを残して偽卵とすり替えることにした。孵化して育てば運が良いというくらいの気持ちだ。

 孵化予定日を過ぎてもヒナの声は聞こえない。中止卵かと思ってのぞいたら生まれていた。ところがその後も、3日、4日と時は過ぎても、ヒナの声は聞こえてこない。これは育てられなかったのだろうとのぞいてみたら、生きていた。オマケは一羽で生まれて、孵化した途端に大きな声でエサをねだっていたものだが、この物静かなヒナは大丈夫だろうか。不安を感じるが、介入する気はないので放っておく。ヒナの生命力と親の育児能力が不足しているのなら、それは育たないものと割り切るほうが適当だと考える。
 そして、やはり割り切らねばならなかった。一羽でも大声あげて存在を主張していたオマケのようなあつかましさはなかったのだ。せっかく生まれたヒナはつぶれたように死んでしまった。親の体重でつぶれたわけではなく(文鳥は軽い)、衰弱死して2、3日したものを発見したに過ぎない(なるべくのぞかないことにしている)。残念ことではあった。

 だいぶ寒くなったので、ビニールシートを買い込んで簡易温室を作ることにする。温かくしすぎ気はないのだが、6歳、5歳と若くもなくなってきたので、少し気をつけた方が良いと思ったのだ。
 スチール製の棚の周りを透明ビニールシートで覆いたい。観葉植物用にそういったものも売られている。チラシに6980円などとある。いっそ棚ごと変えてしまおうかと思ったが、大きさが合わないので、適当に自分で工作することにした。
 まず、何となく隠し持っていた板切れを、のこぎりで90cm×40cmに切る。続いて、近くのスーパーでテーブルクロス用に売られているビニールシートを買って来る。120cm幅で、極薄のものは10cm28円である。これを170cm買って、板の周りに画びょうで止めて、板を最上段の鳥かごの上に置き、ビニールをたらせば、上部、両横、奥面はカバーできてしまう(これでは長さ120cmで少し短いので、継ぎ足して150cmくらいにしている)。最下層の鳥カゴの下に厚手のビニールシートを敷けば底部も完成(厚手のものは10cm200円もするのだ)。残るは前面のみだが、これは真冬までにカーテン状に工作することにしよう。
 ゴンとセーユのカゴと、オマケのカゴの置かれた木製の棚も温室化する。やはりビニールシートを巻くだけで、ここは昨年もやった。ただし今回はさらにこって、前面は10cm110円の柄付きのシートをにし、巻き上げる際の軸となるように、太い止まり木のような木製の棒(90cm)を下部に貼り付ける。本当は三角柱の形の棒が理想なのだが、まあ良いだろう。この超安易な温室に、20Wひよこ電球ヒーターを2個、1個と入れておけば、正しい冬となっても大丈夫だろう。

 そのひよこ電球と一緒にヒナの保温に使おうと思って、底に敷くヒーターも通販で買っておいたのだが(爬虫類用に作られたもので、そのような使い方をして良いものかは知らない)、果たして使用する機会があるだろうか。
 11月末、セーユがまた産卵を始めたといった顔つきをしている・・・、いや、まったく顔色は変わってないゴンも産卵しているのかもしれない。カトルボーンを食べているのは怪しいといえば、怪しい。一日に2個増えれば、ゴンも産んでいると考えられるから、毎日確認することにした。
 11月30日2個。12月1日4個。
 「う〜〜〜む・・・、ゴンはゴン子ちゃんだったのか、それならなぜ去年は産卵しなかったのだろう?う〜〜〜む、う〜〜〜む、う〜〜〜む。」
 混乱は頂点に達したが、2日卵は6個、3日8個ときちんと2個ずつ増えていった。もはや事実は隠しようもない。飼主は自らの不明を恥じねばなるまい。ゴンはメスなのだ!!

 さえずらないのに、オカマではないかなどと言っていたは、よほどおかしな話だった。巨体で、真っ赤なクチバシをし、メスを追いかけ、妙な鳴き方をし、さらに同居のメスとイチャイチャしていても、メスではない理由とはならなかった。確かに昨シーズンは卵を産まなかったが、未成熟か、その気がなかっただけで(交尾はしていたが…)、同居のセーユが産むのを見ていて自分も産みたくなったのだろう。それなら、9月5個、10月が10個という産卵数も簡単に説明がつく。「オス」との先入観を持ちすぎたのかもしれない。

 冗談のような展開だが、そうと決まった以上どうすれば良いのだろうか?メスとメス機能を有する文鳥を「夫婦」としておくのはいかがなものか?せっかく仲良くしているがやはり別居させるべきか?そうしてセーユはオマケに嫁入りさせてうまくいくだろうか?さらにゴンには婿を迎えねばならないのだろうか?

2001・11
 昔いい加減に貼り付けたままだったので、画質がボロボロだった写真館を全面的に直しました。その他ちょこちょこと直しました。また、HP『文鳥麦酒』とリンクさせて頂きました。文鳥と付き合う上での身近な話が参考になるホームページです。

 セーユのフンが赤い。病気かと疑いたいところだが、理由はすぐに思い当たった。ニンジンを食べている結果なのだ。この食い意地と好奇心のかたまりのような文鳥は、菜差しに小松菜を固定するのにつめておいたニンジンの切れ端を食べてしまったのだ。
 ニンジンは文鳥には良いのだろうか。以前、どこかのホームページで「うちの文鳥はニンジンが好物」という話があったのを拝見したことがあったから、大丈夫なのだろう。たぶん。珍し過ぎる話でもないのかもしれない。
 隙間に詰めるのに大根やキュウリも使うのだが、せっかくなので、しばらくニンジンにして様子を見ることにした。セーユ以外に食べるものはいない。しかしセーユは必ずボリボリ食べている。よほどうまいらしい。これからは、なるべくニンジンを用意することにしようと思う。

 そのセーユは10月末に二度目の産卵をしたようだ。夫・・・のはずのゴンが、夜遊びもせずに懸命に抱卵している。まれに出てくると、ブレイやグリやガブ、さらにサムといったオスたちに言い寄られている。まして、尻尾を振って交尾姿勢までしている。一体どうなっているのだろうか。神様、仏様、その他もろもろにお尋ねしたいところだが、とにかく相変わらずまともなオスではないのは間違いない。育児能力は抜群なのかもしれないが、生殖能力の方は大変に怪しい。
 5代目は、ゴンの弟のオマケがいるが、彼はごま塩頭が好みらしく、三姉妹やチビを執拗に追い掛け回すくせに、まったくセーユに興味を示さない。飼主の都合でに入れ替えたりするのは控えた方が良さそうだ。
 ガブやグリがセーユに近づくのをあえて止めなかったので、ひょっとしたらヒナが生まれるかも知れない。ゴンの実子かは疑惑だが、それでもゴンは、きっと、やたらと甲斐甲斐しく世話をするのだろう。これを乳父というのだろうか。

 などと考えつつ何個産んだのかのぞいたら(この2羽も箱巣に変えた)、何と9つもある。また頭が痛くなってきた。普通6個だろうに・・・。やはりゴンもメスで、「夫婦」で産卵競争しているのではないか。ぬぐいきれない疑惑が、またしても頭をもたげてきた。しかし、昨シーズンにナツが9個産卵したことがある。ナツよりセーユは、厚かましさにせよ、食欲にせよ、基礎体力にせよ、数段上をいっているから、9個くらい産んでもおかしくはないような気もする。
 それにしても、産卵競争だったらどうしよう。ましてや、孵化したら・・・、一体誰の子なのだろうか。

 疑惑が疑惑を呼び、飼主が焦燥感を深める中、秋も深まっていくのだった。

2001・10
 配合エサを通販してくれる会社が独自に開発したというペレットを、試しに少しだけ買ってみました。我が家の文鳥たちの味覚にはあったらしく評判が良いので、とりあえず試食の感想を『その後』に書きました。また、HP『うちの「ぴーぶん」』とリンクさせて頂きました。文鳥以外の話題も豊富なホームページです。

 非手乗りのナツは、手乗りたちの習慣に紛れるようになった。手のひら水浴びをしているとやってきて、手乗りではないくせに、腕に乗り、手首に行き、しまいに手のひらにチャポンと入るまでになった。あつかましい。

 箱巣を設置する。いつものように皿巣を加工して産座にすえるのだが、どう考えても非効率だ。市販の皿巣では大きすぎるし厚すぎる。弥富の文鳥生産農家では、わらじ風に編まれた四角の物を敷くそうだが、こちらの方でも売ってくれる店が現れないものかと思う。
 どうせ自分たちで巣草を使って巣作りするのだから、市販されている切った牧草でも敷いておけば良いのかもしれないが、どんなものだろう。悩ましい。そんなことを考えつつ加工した産座を据えた箱巣を、文鳥たちの不審な目を集めながら設置していく。ついでにカゴの大掃除もしたので手間取ってしまう。夜遊び時間が終わって帰宅した彼らは、ひとしきり文句をいってくる。
 「一体これは何なのよ、ねぐらを返しなさい!」
 数ヶ月前に使っていたことなど、あっさり忘れてしまうところが素敵である。

 旦那はオカマだし女房は変わり者、しかもお互いにわがままときているから、ゴンとセーユでの繁殖を期待せず箱巣も用意しなかった。それが常識的な判断だと思うのだが、しかし世の中はそう簡単ではないらしい。9月中旬をすぎると、ゴンがセーユの毛づくろいなどするようになり、怪しいと思う間もなく、つぼ巣に5つの卵が見出された。まさか5つ産むまで気づかないとは!不覚であった。まったく顔色も変えないところが恐ろしい。
 夜遊び大好きのセーユだが、1時間近く遊ぶと「家に帰して」といった態度でそわそわする(彼女は飼主に捕獲されないと帰れない)。1時間も放っておいたのでは卵はだめになってしまうだろうと思っていたら、翌日は40分で「帰してくれ」をはじめ、さらに翌日には20分に短縮され、次の日にはそれまで無関係に遊んでいたゴンまでが1時間も遊ぶと「帰る」と要求し出した(彼は飼主の指に乗って帰るものと決めている)。交代でセーユが出てくる。これは理想的な夫婦のパターンではないか。感心していたら、さらに次の日からは、ゴンが外に出ずに温め、セーユが飼主の手を煩わして帰っても1時間は譲らずに温め続けるようになった。さすがに血は争えない。彼はヘイスケの遺伝子を濃厚に受け継いでいるのだ。交代で外に出てきても、ソワソワして落ち着きがない。

 ゴンとセーユでは万一卵を産んでも育てられるはずはないので、誰かしら他のベテラン文鳥に温めて孵してもらうつもりだったのだが、見くびってはいけなかったようだ。しかし今温めているものは、多分無精卵で抱卵も不十分なので孵らないだろうと思う。余計な事をせずに放っておくことにする。しかし、またしても予想を覆し、4羽も5羽も孵化したらどうしよう。それはそれで悩ましい。

 予想外の2羽以外は、予想通りに9月末に産卵を始めた。調子の悪そうなものは特に見当たらない。ちょっと外見から産卵を判断するのは難しいくらいに変化がない。産卵が日常化するのが良いのか悪いのか、なかなかこれも悩ましい。

2001・9
 家のかなり近所でガラガラヘビを目撃した人物がいるらしい。ろくにヘビの区別のつかない都会人のことだから、どんなヘビだか怪しいものだが、何でも新しいものを飼って喜ぶ向きも多いので、そんな物騒なものが逃亡していてもおかしくはない。しかし、そのような幻のウネウネ生物より、ごく身辺をうろつく無毒のアオダイショウの方がよほど個人的には迷惑だ。今年の来襲は今のところない。去年はガツがかじられ、こちらの方が青くなったものだが、いい加減ヘビも悟ったのかもしれない。「あの家に入った仲間で生きて出てきたやつはいない」

 16羽が毎晩、飛び遊び、食い散らかし、さんざめくのは良いとして、自主的に帰るということを、何故に学習してくれないのか、飼主として非常に遺憾とするところだ。逃げ回ったりするから羽を切られたりするわけで、さらに入れ忘れなどということもおきてくる。先日はうっかり三姉妹の一羽ハンを入れ忘れてしまった。結果、猛暑の中飲まず食わずの彼女は、翌朝ヘロヘロ状態で発見されることになった。
 そんなわけで、ゴンとオマケの羽を切る。ゴンはセーユとの同居で帰宅拒否気味になり、生まれてはじめて羽を切られる事態となった。先端の風きり羽から一枚おきに切ると、飛翔能力は格段に低下する。それでも室内飛行くらいは出来るのだが、今までよりも何倍も羽ばたかねばならず、莫大な体力は消費することになる。しかも、帰宅拒否をして逃げ回ろうなどという了見を起こすと、口を開けて息をすることになる。ゴンは「羽がおかしい」と羽づくろいをしている。こちらを見ているが、抗議しているつもりだろうか。いや、飛べなくなって戸惑っているだけだろう。それは自業自得。オマケの方は、帰還時間となるとカゴのそばで控えている。逃げ飛ぶのはしんどいのだろう。なかなか神妙だ。

 月末、夏も過ぎ去っていく。文鳥たちは何となく色めき立ってきたような気がする。産卵は例年より早いかもしれない。また気の重いシーズン・・・。まあ、繁殖期には半分が巣の中なので、カゴへの帰還はスムーズになるのは救いなのだが。
 とりあえず、支度をはじめる。巣箱を洗って天日干しにする。所有数5、カップル数6。とりあえず新たなカップルを混ぜると数が合わない。年寄りのヘイスケやチビのカゴには巣箱はいらないのではないかと、ふと考えたが、玄孫のいるヘイスケは相変わらずさえずりメスの後を付け始めていて、まるで衰えを知らないし、チビとブレイ夫婦は相変わらずベタベタしていて、隠居する気はなさそうだ。
 しかし、一つ買い足すのはしばらくやめておこうと思う。何しろ、オスなのかメスなのかわけのわからない新たなカップル、ゴンとセーユは同居しているが、たんなる「同居人」以上に関係が進む気配がない。喧嘩もしないが、別々の巣つぼに入って適当にやっている。せっかく平和的に住み分けているのだから、余計なものを入れるよりも、しばらく様子を見ていた方が良いだろう。

2001・8
 気がついたら、何がどこにあるのかわからなくなっているので、サイト索引を作ることにしました。あまりこってしまうとかえって使いづらくなりそうなので、シンプルにしたつもりです。それに伴い表紙も少し整理しました。

 文鳥については「鬼のフンドシを洗う」が当てはまると思っている。少々ケンカしようとどうしようと、そのまま同居させておけば万事丸く収まるものと信じている(人間の話ではありません.念のため)。したがって、ペアリングの際に『お見合い』などしないし、嫁なり婿なり買ってきては、さっさとカゴの中に放り込んでしまうことにしている。それで失敗したことは一度もないのだが、さて、常識はずれの組み合わせではどういったことになってしまうのだろう。ゴンとその嫁候補のセーユを眺めながら、日々同居させるべきか悩んでいた。
 ゴンがオカマなのはひとまず置くとして、セーユの行動の方も問題がある。目つき、行動パターン、好み、どれをとってもゴンに非常に近い。さえずらないし、メスに興味も示さないが、尋常なメスとは思えない。何だか手乗りになってしまったし・・・。
 いつまでも考えていても仕方がないので、2、3日カゴを隣り合わせに置いたあと、7月末に同居させ始めた。さらにその鳥カゴをオマケのカゴの横にして、オマケとのお見合い効果もねらった。
 注意深く聞き耳を立てていたが、激しくケンカする様子は無い。「ガー」「ギャルルー」とやり合うことがあるが、そんな音は聞こえてこない。それでは仲むつまじいかと言えば全く違って、お互いに軽く小突きながらけん制しあっているらしい。たびたびつつかれるのを逃れようとカゴにしがみつく音がする。何となく陰湿な女同士のいがみあいを連想してしまう。様子をうかがうと、一方的ではなくエサも水も飲んでいるので放っておく。

 一日経過。さすがにゴンに一日の長があったのだろう、優位に立ってつぼ巣を占拠した。一緒に仲良く入る気はサラサラない。独占。セーユのためにつぼ巣を2つにして、様子を見ることにする(非手乗りの場合こんなことはしない)。数日後、本来の気の強さが表に出てきてセ―ユが優位に立つ。ゴンを軽く追いたてている。文鳥の場合はオスがイニシアティブを握らないとうまくいかないと思うので、はなはだ心外だが、放っておく。
 一週間経過。特別仲良くもしていないが、いがみ合う様子もない。つぼ巣が好き、食べるの大好き、桜文鳥の美形好き、ガブが特に好き、人間に甘えたがるという似たもの同士なので、案外仲良くなりそうな気がする。ただし卵を産むような関係になるかは怪しい。ゴンがオスらしくなるかと期待したのだが無駄なようだ。オマケがうらやましそうな様子を示すようなら交代も考えなければならないだろう。

 一体、文鳥にどれほど感情があるものかわからないが、ある日突然ブレイが荒れた。ついにボケたかと思ったが、良くみていると、何となく気持ちがわかる気がしてきた。
 とにかくオマケを目の仇として、追い掛け回す。それが非常にしつこい。暴れん坊のオマケだが、ヘイスケに似た彼は実は腕力が無いので、逃げ回っている。前日まではオマケがさえずり出すとブレイはむしろ喜んで擦り寄っていき、聞きほれていたのだが・・・。
 この激変にあ然としながら想像する。そういえば、最近ブレイのさえずりがずいぶん減っている。寄る年波も手伝って(彼は今年で5才ということになっているが、実年齢は不明で)、自分と同じ調子でキレイにさえずりメスを追い掛け回すオマケのことが、段々いまいましく、ねたましく、シャクに障ってきたのではないだろうか。老人コンプレックスというやつだ。私はそのように解釈することにした。
 イライラして女房のチビにしつこくまとわりつき、さすがのチビもうんざりの様子なので、さては熟年離婚に発展するかと心配したが、翌日は平常に戻り、オマケにまとわり聞きほれ、追い払われ、ゴンにさえずり言い寄ったりしている。また謎が一つ残された。

2001・7
 5代目の嫁候補として買ってきた仮名『セーユー』は、いまだにさえずらないが、100%メスという確証もない。オスのさえずるのを近づいて聞いている。怪しい・・・。
 さらに怪しいことに、彼女は毎日エサをくれる特定の人間(私)を友達の生物とでも思ったらしく、肩に乗り、指に戯れている。非手のりのはずなのに・・・。すべての文鳥がこういった性格だったら、餌付けをしなくとも手乗り文鳥になるに違いない。
 万一さえずっても、やたら我が家の生活を気にいって、うっかり手乗り化した文鳥を、今更交換する気にもならない。覚悟を決めて名前をつけて、文鳥集団の一員に加えることにした。さて、『トモちゃん』にしようなどと小学生の姪が言っていたようだ。しかしキャラクターに合わない気がするので、そのままセーユと呼ぶことにしてしまった。
 彼女は日々なれなれしくなり、朝はエサの交換を待ちわび、青菜に喜び、昼は思うさまフードつき水浴び器で水浴びをし(2週間程で使い出した)、夜遊び時間には真っ先に飛び出し、食べあさり、指の上でゴロゴロ喉を鳴らしている。・・・怪しすぎる・・・。オカマなのかも・・・。そのうちに手のひらで水浴びをするようになるかもしれない。

 桜文鳥の中で育ったセーユは、キレイな桜文鳥が好みで、ゴマ塩三姉妹などとは仲良くする気はないらしく、桜文鳥たち、特にガブに興味があって、にじり寄って行く。夫となるはずのゴンと同じ趣味なのだ。「趣味が合うのなら同居させても平気だろう。オカマ同士ならなおさらだ」強引に考えて、7月中に同じカゴに放り込んでしまうつもりでいる。さてどうなることやら。

 換羽が続いている。チビ、ブレイ、クル、ハン、ナツ、グリ、フネ。例年換羽の遅いヘイスケも下旬になって抜け始めた。さて、あとは、マセ。なぜか風切り羽をつつきかじり、ねじ曲げてしまっている。胴体に触れて気になるらしく、しきりにいじって、さらにひどいことになる。別段かゆくてたまらないと言った様子ではない。また、妙なことをし始めたと思ったが、気持ち悪そうなので、のけぞった羽を切ってやった。おかげで、彼女はまたしてもペンギン化してしまった。
 飛べなければ飛ばずにいれば良さそうなものだが、マセの場合はそうはいかずに、わざわざ高いところによじ登って飛んで(高いとこからのほうが遠くまで到達すると計算しているらしい)ドスンと落ちる。実に危なっかしい。どうしたものかと思っていたら、換羽が始まった。換羽でむずがゆくて、風切り羽を引っ張っていたのかもしれない。それならすぐに新しい羽が生えてくるはずだ。

2001・6
 デジカメをまだ買っていないので、現像した写真をスキャナーで読みこむという原始的な作業をしているのですが、肝心のスキャナーが壊れてしまいました。プリンターもおかしくなっていますし、次はパソコン本体が爆発するのではないか思いつつ、1万円くらいのものを買ってきました。スキャナーも2年間で、ずいぶん性能が良くなっていて驚きました。
 五代目の嫁候補を買ってきたので、その過程を
『文鳥の系譜』に載せました。

 換羽が進行している。オマケのクチバシの周りが禿げてなくなり、かなりみすぼらしい状態が続いている。ゴンは一時的に情けない様子だったが、こちらはすぐに見栄えが良くなった。茶羽が抜け、よりキレイになった。これでオカマでなければ…。
 2年に1回ハゲハゲ換羽になると定義してしまおうと思っていたら、ガブが昨年と同じくすさまじい抜け方をしてくれた。クチバシの付け根が禿げたと思ったら、ニョキニョキ黒くなった。こいつだけ特殊ということにしようと考えていたら、その女房のソウも後を追うように換羽をはじめた。妻が禿げてみすぼらしくなると、ガブはよそよそしくなり、ゴンとベタベタしだす。また去年と同じ嫌な情景が展開している。
 ガツとサムも換羽中、7月くらいまで、掃除はきびしいことになりそうだ。

 なかなか花嫁文鳥探しがはかどらない。小田急線S駅の小鳥屋さんをのぞいたりしてみたが、桜文鳥は売られていなかった。「つかえない店だ」と勝手につぶやいたりしてみたが、他に事のついでに容易に行けるお店もなさそうだ。「世田谷区も川崎市も駄目だな」と面倒くささも手伝ってさっさと断定してしまう(※一部を冷やかしただけで言っています)。

 いろいろあって(事の顛末は『さらに…』をご覧ください)、月末、横須賀線O駅のスーパーで嫁候補を買ってきた。またかといった感じだが、メスとは限らない状況。つまり性別は不確か。とりあえず『セーユー』と呼んで様子を見ることにする。『セーユー』は我が家の配合エサをむさぼり食べ、青菜も大好き。大柄に見える外観のわりには体重は24g、非常に美しい外観だが、かなりキツイ(性格悪そうな)目つきをしている。一般家庭で生まれたそうで、必要以上に人を恐れない。肝が太いようだ。
 一日隔離して注意していたが、さえずらない。自分がボスだと勝手に思っているマセが、やたらと「ピーッ、ピーッ」と呼びかけるのにカゴの中から答えている。兄弟と育った文鳥なので、近くに仲間がいないと寂しいのだろう。
 ペットショップに来てから日も浅く、購入したお店も乱雑でもなく、妙にかゆがってもいないので、二日目の夜遊びの時には入り口を開けてしまう。飛び出してきて、何となく人の腕の上に着地する(手乗りではない)。他の文鳥たちにバタバタと近づいて行き、つついたりつつかれたりしている。あっさり順応しそうだ。

 『セーユー』は一週間たってもさえずらない。メスなのだろう。たぶん・・・。

2001・5
 中旬、一気に巣箱から巣つぼに取り替えた。中型が5つ、小型2つ、横巣1つ、用意するのも容易なことではない。徐々に買い込み、乾燥させて(電子レンジで1分間)、底にヒモ(電気のコード)を通しておく。
 夜遊びの時間、文鳥連中が抗議する中を、粛々と作業する。30分程度で終わる。ついでに鳥カゴそのものも洗いたかったのだが、マセがにらむので止めておいた。

 そのマセは、またブンブン飛んで手がつけられなくなってきたので、先端の風切り羽を2枚ずつ切る。このくらいがちょうど良いみたいだ。
 ついでに数羽の爪切りをする。ブレイを深爪してしまい(彼の脚は曲がっており、爪も変形していて切りづらい)出血してしまった。じっとしてれば普通は自然に止血するのだが、ブレイは傷口をかじる(血を舐めているのかも…)のでおさまらない。仕方ないので、とっ捕まえて『傷ドライ』なる薬を爪に吹き付けてみる。しかしブレイの奴はかじるので止血しない。ほっぺたにに血痕がついたりしている。
 やはり最も原始的な方法が良いようだ。線香に火をつけて、他の10数羽が乱れ飛ぶ中、ブレイを再び捕獲する。飼主の指を思いきりかじるブレイをひっぱたきたい気持ちをこらえて、傷口をジュッと焼く。全然痛がらない(中には一瞬ビックリするものもいる。この作業は面倒で野蛮な感じがするが、文鳥の飼主はこなせるようになったほうが良いと個人的には思う)。
 爪を切る時には、あらかじめ火をつけておいた方が良いかもしれないと、いまさらながら思った。

 以前、「止まり木に巻くと自然と爪を磨くという触れこみの商品に感心したが、「引き千切ってポイ」であった。実際問題として効果があがるのだろうか。」などとこの場で書いたら、その商品でまったく爪きりしないで済んでいる方からメールを頂いた。我が家の文鳥は爪の伸びるのが比較的遅いようだが、それでも再度試してみようと思っていた。すると、神か悪魔に願いが通じたらしい。店長が代ったのだろうか、近所のスーパーがその商品を扱うようになった。購入してみる。

 そろそろ5代目の嫁探しもかねて、行った事のないペットショップを少しずつ冷やかし始めた。しかし最近は生体を売っている店はめっきり減ってしまった。4月に閉店したとの張り紙のあるお店まであった。残念な事だ。
 南武線などという南関東ローカルなJR線のM駅にかなり大きなお店があり、ずいぶんたくさんの小鳥が売られていた。備品を買うには使えそうだと思ったが、何となく成鳥を買う気はしない(桜文鳥のカゴの前で小型哺乳類を抱えた女性が陣取っており、じっくり見れなかったのも一因)。ここにはまた寄る機会もありそうなので、慌てる必要はない。
 あとは、電話帳(タウンページ)によれば小鳥屋さんのはずだが、実際は鶏卵など乾物屋さんだったりして、これはと言うお店はなかった。とにかく、もう少し途中下車の冷やかしをしてみて、5月中に嫁文鳥を買ってしまいそうな気がする。

2001・4
 夏まで定期更新以外のことに手をつける時間がなくなりそうなので、もう少しいろいろ探してからと思っていた2、3の文鳥本を『文鳥問題』に挙げておきました。ついでに(こちらの方が長いのですが)インターネットについて思うところを載せておきました。意見を公開している上での一応の態度表明のつもりです。さらに一羽飼いの手乗りメス文鳥の産卵問題をメールでたびたびお尋ね頂くので、ザッと私見を掲げておきました(コチラ)。これで『問題』はしばらくお休みしたいと思います。
 
『文鳥以外の世界』を久々に更新しました。また日本歴史の北条氏の話ですが、今度はかなり専門的でこみいっています。大河ドラマの『北条時宗』をけなしたりするわけですが、少し詳しくないとついて行けない話かもしれません。

 今回の第7次産卵期間は3月の末現在進行中だが、まったく問題なく経過している。これで終わるか、まだ続くのかわからないが、4月中旬過ぎには巣箱を巣つぼに変えてしまうつもりでいる。

 5代目のゴンとオマケは換羽しだした。あまり派手なものではなく、静かに進行するタイプのものだ。おそらく今年の換羽はヘイスケとサムで激しいものと予想している。数ヶ月前から顔(クチバシの付け根辺り)に禿げた部分が出来ているのだが、こうした時は、ズタボロのような姿になるハゲハゲ換羽となる。ヘイスケは1997年、1999年とその状態となったから、どうも2年周期であるらしい。我が家ではだいたい他の文鳥もそのような周期となっている気がする。今度から注意してみようと思う。

 数ヶ月の内に多分禿げてしまうであろうサムは、ますます我が家に順応してしまった。夜遊び時間にも欠かさずに出てきて(抱卵期はたびたび)、生意気にメスに言い寄っている。あまりえり好みをしない。飛び跳ねずに胸をそりかえらせてさえずる。ピョンピョン飛び跳ねるブレイ、前かがみで言い聞かせるのが基本姿勢のヘイスケ、これもみな違う。他のオスも、グリはブレイ的、ガブはサム的、オマケはヘイスケ的だ。
 問題はゴンで、相変わらずさえずらず、ガブの愛人としてソウと恋のさや当て?をしている。こう言っては誤解されるが、行動が女性的だ。おっとらしているし、『文鳥の本』の中の漫画で鼻の穴にクチバシを突っ込むのはメスだと斎藤たまきさんが言っているが、そんな様子を見せる。とにかくせまい所にクチバシを入れたいのか、なぜかカゴの底から染み出した水を吸ったりしてる。嫌な趣味だ。お腹を壊すのではないかと不安になる。
 それはまだ許せるとして、交尾までするのだけは辞めてもらいたい。尻尾を振って・・・、そのわりには卵を産むことはないからオスなのだろうが、サムにも気があって、さえずると近くで聞きほれている(ピィッ・ピィッと相槌する)。サムはいい気になってさえずり、近寄るのだが、何となく違和感があるのだろう。終いには怒ってつつきだしたりする。この違和感に私は大いに賛成する。
 これに嫁を迎えて良いものだろうか。やはりオマケが継ぐことになるのか。一体この問いを何回発したものか。とにかく5、6月から嫁候補を探そうと思う。

2001・3
 セキセイインコと文鳥の比較を『文鳥問題』で行ないました。結構分からない事が多く推測になってしまっていますが、両種がまったく違う生物であることは否定できないものと思います。
 その後は文鳥以外の部分を更新しようと準備していたのですが、素人でもデスクトップキャラクターの表面の絵面(スキン)を自作できるソフトがあったので、思わずそちらに時間をかけてしまいました。表紙の文鳥キャラを改良して少し目が動くようにしたり、一部しゃべらせたり楽しかったのです。それで自己満足に浸れたので、調子にのって公開してしまいました(
コチラ)。
 先月は
『MONKEY ISLAND』とリンクさせて頂きました。ぬいぐるみの『モンチッチ』のいろいろな姿を満喫できるホームページですが、今後白文鳥の家族の様子もどんどん紹介されていくものと思います。さらに『えびのしっぽ』ともリンクさせて頂きました。いくつかホームページをお持ちの管理人さんが、文鳥と十姉妹たちを楽しく紹介していってくれるものと思います。

 第6次産卵期間も、フネが調子悪そうな様子を少し見せる程度であった。

 マセは生まれた時から奇妙な奴だ。巣箱を開けて初めて対面した時から、1羽だけ大きく目つきが怪しかった。生後2週間でそんな第一印象を与える文鳥など、私は知らない。ヒナの時に「お前は何だ」とにらむのはヘイスケも同じだったが、それは好奇心の視線といった印象だった。ところが、マセの場合は怪しんでしげしげと観察している目つきだった。
 長じても、この点は変わりはしなかった。彼女は自分を飼主の監視役と位置付けているらしく、カゴの掃除をはじめたりすると、少し間をとって様子をうかがっている。背後に視線を感じるとマセがいる。ただ監視しているだけなら良いのだが、先導役にもなっている。何かあると鳥一倍大騒ぎをし、警戒の大きな声で仲間をたきつける。
 極端な性格で飛ぶことではスピードを追求し、恐るべき早さで飛行する。しかしあくまでも直線的で小回りを考えない飛行なので、危なっかしい。また、調子にのって飛びまわって夜遊びを続けることも度々だったので、一度羽を切って飛べなくしたことがあった。飛べなくなったマセは一時元気がなくなったが、結局めげずに地面を歩くスピードを追求することに、己の暴走欲求を満たすようになった。チョコチョコチョコと無意味で信じがたいスピードで移動する。
 羽がはえ替わると、飛行スピードと歩行スピードをともに手にした直情怪行の文鳥が出来あがった。そして何を考えているのか不明ながら、3歳になった今でもまれに突発的帰宅拒否をして飼主を悩ませている。先日もそうであった。「理由はない。帰らないったら帰らない!」こうなると手がつけられない。他の文鳥たちを帰宅させてから、開閉口を閉めて自主的には絶対帰れないようにして放っておく。暗がりで反省するのか「あいつ覚えてろよ」と思っているのか知らないが、カゴの上でガチャガチャ困った様子をし始めた頃に、もったいをつけて手を出すと一転して素直に帰る。
 暴走族の彼女が更正する日はあるのだろうか。

 マセの父であるヘイスケは、相変わらず巣剤集めに精をだしている。こちらも尋常ではない。自分の体重より重たいもの、体長より大きいものに果敢にチャレンジし続けている。5歳といえば少し老けても良いはずだが、どうなっているのだろう。彼が落ち着きのある大人になる日もあるのだろうか。

 最近ゴンの爪を切った事がないのに気がついた。伸びないのだ。いや、正確には伸びるのだろうが弱くてすぐに磨り減ってしまうらしい。産まれつき爪はもろかったが・・・。
 しかし考えようによってはこれは有難い。文鳥の爪を一人で切るのは難しく、嫌がる文鳥を押さえつけるのは気の重たい作業なのだ。「爪きり不用の文鳥」こう言ったものの方が、色柄の品種改良するよりも実利的な気さえする。
 もっとも活動的な我が家の文鳥は、総じて爪きりを頻繁に必要としない。床の上をピョンピョン跳ねているうちに適当に擦り切れるようだ。以前、止まり木に巻くと自然と爪を磨くという触れこみの商品に感心したが、「引き千切ってポイ」であった。実際問題として効果があがるのだろうか。止まり木はつかまるだけだから、爪の先端が擦れるということはあまりないような気がするのだが、どうなのだろうか。なかなか悩ましい。

2001・2
 海外(アメリカ合衆国)の文鳥に間するホームページを探索しながら、かの国の文鳥飼育事情を『文鳥問題』で考えてみました。お気づきの点があれば、ご教示下さい。他に細かいところでは、我が家の文鳥作成の巣を資料映像として『飼育法』に載せ、また最近の私的な配合エサ調合法を『その後』で紹介しました。
 『さらに有閑・・・』に載せていた昔の文鳥の話が終わったので、この部分の定期更新はなくなります。長らく私的な思い出話にお付き合いくださいまして有難うございました。
 また、交配事例アンケートにご協力頂いた皆様にお礼申し上げます。普通に思える事例でも(桜と白の組み合わせ等)、実は貴重なものですから(白文鳥の系統の別が実在するかは未確定なのです)、今後も遠慮なくどんどん情報をお寄せ頂きたいと思います。なお、その際特にゴマ塩や桜の模様を詳しく教えていただけると助かります。

 第5次産卵期間も、まったく皆元気であった。産卵期間だけおやつにカトルボーン(イカの甲羅、成分のほとんどがカルシウム)をトンカチで叩いてバラバラにしたものを置いてみたが、メスの間で好評となっている。これは有効かもしれない。今シーズンはもはや産卵障害は起きないような気がしてきた。

 霜柱が立ち、かなり寒くなったので、気休めに小さなヒヨコ電球(20W)を棚の上段に一つぶら下げてみた。それでもいくらか温かいのだろう、フネが電球の近くのボレー粉入れの上でポケーとしている。朝のエサかえの時にゴンとオマケだけカゴの外に出してやるのだが、ゴンがおなかをヒヨコ電球のカバーの上にのせ、じぃ〜としている。その様子は昔の日本人が手あぶり(小さな火鉢)を羽織に抱え込むのに通じるものがある。いくら何でも熱いのではないかと思うのだが、しばらくそのままでいると、暴れ者の弟オマケに追いたてられるので平気なのかもしれない。放っておく。
 この一羽暮らしの5代目の2羽は、12月頃から夜間は温室の中にいる。最も温室と言う程のものではないかもしれない。彼らの鳥カゴの間に20Wのヒヨコ電球を吊り下げ、カゴの置かれた棚の周囲を透明なビニールシートで覆い、それを画びょうで止めただけ。日中は前面のビニールシートは巻き上げておくが、夜眠る時におろし、隅を洗濯バサミで止める。中は暖かいと言うより寒過ぎない程度の効果に相違ないが、そんなもので十分である。なお、ビニールシートはテーブルクロスとしてスーパーでも売られている最も薄くて安いものを利用している。

 27日横浜は大雪であった。雪国の人に10数センチの積雪で「大雪」などといえば笑われるが、積もる雪など年に一回あるかないかの地域なので、そのように表現してしまう。当日は東京の上野方面に用事があったのだが、黙って不義理をすることにした。駅まで行く途中の急坂を克服するのに生死を賭ける気にならなかったのだ。
 気象庁をあざけるように降り続く雪、その最中、酒席で北条時宗論をふりまわす目論みが実行できなくなり、山の中のあばら家に隔離された形となったが、ついにあの道具を使用する機会がやってきた事を密かに喜んでいたのであった。確か2年前に買ったものの、活躍の機会に恵まれなかった雪かきスコップ。
 都市生活者は自宅前の道を雪かきしなければならない。なぜなら、間抜けな通行人がすべって転んで、打ち所次第ではあの世へ逝ってしまわないとも限らない。それでは寝覚めが悪い。毎日現場となった自宅前に、供えられた花を見るのもうっとうしい。
 しかし、これを実行するにはタイミングを心得ねばならぬ。降っている時にやっても、また積もるだけで二度手間になる。雪より踏み固められ、すべりやすく凍結した状態を避ければ良いので、慌てる事はない。しかし放っておいて凍った後では、容易に片付かなくなってしまう。したがって、雪が止んだ途端に雪かきをしてしまうのが正しいと、私はかなり以前(大学浪人時代)に悟り、実行してきたのだ。そして、さらに最小努力で最大効果をあげようと、雪かきスコップを用意したら、あいにく暖冬続きだったのである。
 夜になると雪が雨に変わった。いっそ豪雨になってくれれば雪など消えて助かるのだが、水分を増やしてより凍りやすくするだけなのがこの手の雨なのである。私は完璧な武装を整え雨の中せっせと雪かきをした。積もったばかりの雪を プラスチック製のお手軽雪かきスコップで容易に脇に放り投げるだけ。やたら安易なのだが、車の轍(わだち)のみがすでに固まっている。かまわずガンガン叩き割っている内に、あわれスコップはバラバラになってしまった。すでに我が家の前は20分の稼動で片付いており、ついでにもう少しだけ近隣サービスしてやろうと思っていた段階であった。地域社会に善行を施してやろうと思っていたのに残念であった。こわれたスコップを雪山に突き刺して、さっさと家に戻り、文鳥連をカゴから出してやる・・・。

 雪かきは文鳥と関係なかったが、せっかく雪が降ったので、文鳥連に見せて反応を見ようとしたのである。一すくい取って皿に入れテーブルの上に置いてみた。クルが近づく、首を伸ばし横目で様子を見てから、少しつつく、数回繰り返して去って行く。ブレイが近づく、少し様子を見てから、おもむろにかじりつき、またつついてみてから去って行く。ナツが近づく、首を伸ばししきりに様子をうかがうが、そのまま去って行く。ゴンが近づく、やはりしきりに様子をうかがってから、ちょっとつついて去っていった。後の者は全く無視だ。ようするにブレイとナツの物怖じしない性格がそのまま行動に出ただけで、それが子(クルはブレイの子)や孫(ゴンはナツの孫)に遺伝している様子がつかめた気がした。

2001・1
 世紀をまたいでしまいましたが、特別に何もしないで過ぎてしまいました。
 検索するのに便利だと思い、表紙に検索窓をつけてみました。とりあえず無難にYahoo!にしました。あとはくどいおやつ
擁護論を展開し、また、11月の末に頂いたメールの中に生類憐れみの令に対しての御教示があったのを受けて、自分なりに考えをまとめ、文鳥の食べ物問題の最後として栄養補助食品を取り上げ、ペレットについて「ハリソン、ハリソン」との趣旨のメールを頂いたので『その後』も設けました。20世紀の宿題はとりあえず終わらせた感じです。
 HP『育て親』と『獣医広報板』とリンクさせて頂きました。前者は、給餌スポイトやボレー粉入れなどの製造元でもあり、温かい目で飼育者を迎えてくれます。後者は獣医さんや一般飼育者が活発に意見交換している有名なサイトです。
 また、文鳥飼育用品の通販をしてくれるサイトも紹介のつもりでリンクしました。『キクスイ』は飼料が中心で、徹底的に洗浄したボレー粉など、こだわった商品とリーズナブルな価格が魅力です。『ペット屋さん』の方は保温器や偽(凝)卵のような、手に入れにくい用品をも網羅したその品ぞろえが魅力です。
 最後に、交配事例アンケートをお寄せ頂きました皆様有難うございました。興味深いものを
『事例』で検討してみました。今後もご協力お願い致します。

 第4次産卵期間も、皆元気であった、というより、注意しないと分からないくらいに日常化している感じだ。

 最近ようやくサムが我が家に慣れてきた。何となくテーブルの上に飛んできて、おやつをつまみ、何と他のメスに色目を使う。しかし、やはり宇宙鳥だと思われているのか、相手にしてもらえない。さえずりだすとみんな近くから離れて行く。コミュニケーション能力の不足であろうか。
 サムと同じく、3年前に我が家にやってきたナツの方は、比較にならぬほど馴れ馴れしい。なにやらジイーとこちらを見つめている。手乗りが腕や肩に止まっているのがうらやましく思っているのかもしれない。手に持ったみかんなどは平気でむしり食べ、指にも噛み付く。最近は腕やモモに何となく乗っかっていることさえある。手乗りたちが台所で手のひら水浴びをしているところにやってきて、見学している。その内参加しないとも限らない。ただし、かわいいと言うより、ずうずうしい印象が強い。旦那のヘイスケがまめなのを良い事に、抱卵などは適当にやっている感じだ。私はヘイスケをえこひいきするので、若干シャクに障らないでもない。
 我が家に来て2年目のフネは、当初非常に無邪気でなつっこい文鳥だったが、最近は何やらポーとしており、つかみどころがない。彼女はこのまま天然ボケ状態を続けていくような気がする。

 今年はヒナを育てていないので巣箱の中はキレイだったが、数ヶ月経ったので、努力の結晶の編みこまれた巣草を捨て、皿巣を消毒した(電子レンジで2分以下)。文鳥自身が編みこみ作成した巣は、取り出すと、上部と入り口面以外の四面をカバーし、実に見事なものにしあがっている。ハタオリドリとまでいかなくても、その作品(巣)は感動的とすら言える。捨てるのがもったいない気がした。

 掃除と言えば、月末、年末、世紀末、やはり大掃除は避けられない。しかし、カゴの置かれた窓をふくのは気が重い。とりあえず外から拭いていたら、家の中の鳥カゴは大騒ぎになっているのが聞こえた。曇りガラスの向うでうごめく雑巾に恐怖したのだろう。翌日、内側をふく。邪魔なのと、大騒ぎになるので、鳥カゴは見えない位置に移動させる。場所の移動でやはり騒ぎとなっているが、無視して窓拭きをする。
 小鳥が臆病なのは仕方がないが、掃除くらい黙認して欲しいところだ。

戻る