文鳥問題.

《-続−獣医の誤解》

 前回から何年かの歳月が流れましたが、いまだに誤解は氾濫しています。そして、その悪影響を受ける飼い主もたいへん多いです。流れ流れて、私に相談されたりもするので、はっきりいえば個人的にも迷惑な話です。
 繰り返しますが、獣医さんは治療のスペシャリストであって、飼育に関してはシロウトです。というよりも、飼育という日常生活に関してのプロなど、どこを探しても存在しません。当然ながら、細かな飼育面の話など、獣医さんでも誰でも一人一人みんな違うわけですから、たまたま出会った獣医さんの個人的見解を妄信して振り回されるのは、妙な話に過ぎないのです。飼い主は、誰かの思い込みでしかない飼育法によって、結果的に文鳥が実験動物にならないように、いつも注意を払わなければなりません。この点は、飼育方法についてあれこれ考え続けのシロウトながら、偉そうな物言いと思われそうで嫌でもありますが、繰り返し申し上げなければなりません。【2005年4月】


「看護の時は明るくしなさい!」その無意識な加虐性
 

 以前から鳥全般のホームページ(特にインコ系)に散見される、獣医さん推奨の病気の鳥を看護する際の保温の方法なのですが、その内容は次のようなものです。

 保温の際の熱源としては、白熱灯(白熱電球、いわゆる普通の電球)が良い。なぜなら、病気の鳥はいつでもエサを食べられるようすべきであり、その点、白熱灯は熱と同時に強い光を発散するので、文鳥の近くに置けば、明るくなり暖もとれ便利。
 明るいと眠れないように思えるが、日中でも眠るように、
鳥は明るくても眠るので、心配する必要はない。

 私が奇妙に思うのは、なぜ「暗くしない」のと「明るくする」を、あっさりと混同できるのかと言う点です。
 病気の文鳥はいつでもエサを食べられるようにした方が良い、というのは納得できます。確かに食べないと体力が持たなくなる可能性がありますから、エサを食べやすいように、真っ暗にしないのはもっともな話です。しかし、なぜ白熱灯などを持ち出し、病気の文鳥をがんがんに照らさねばならないのでしょうか?
 確かに「鳥目」
(トリメ)という言葉があるくらいで、暗いところでは目が見えない鳥は多いです。しかし、文鳥は人間並みくらいには暗がりも見え、薄暗がりなら普通に行動出来ますから、過度な照明は必要が無いはずです。つまり、エサを食べさせるためだけなら、わざわざ病鳥の間近に裸電球を点けて、普段以上に明るくする必要は無く、光をださない保温器・暖房機で温め、真っ暗にならない程度に室内の電気を消さなければ良いだけの話なのです。

 「明るくても眠る」、なるほど、それは眠れるでしょう。何しろ、拷問で電気スタンドを顔の前に突きつけられ、さらにぶん殴られても、慣れてしまえば眠い時には眠れてしまうものです。どのような環境であれ、動物は眠らないと死んでしまいますから、死んでしまう前に眠るのは、当たり前の話と言えます。しかし、眠るから問題ないとするのは、おかしな発想ではないでしょうか?そもそも、そのような主張を平気でする人は、なぜ普段眠る時に電灯を暗くするのか、考えたことがあるのでしょうか?
 眠る時には、普通ならまぶたを閉じます。それは脳を休めるために、外界からの視覚刺激を無くす必要があるからです。しかし、誰でも知っているように、明るすぎればまぶたを閉じてもまぶしさを感じとることが出来てしまいます。したがって、明るければ明るいほど刺激は強くなり、眠りにくくなりますし
(したがって拷問に使われる)、もし眠れても、まぶた越しに視神経は刺激され続け、暗い状態で眠るのに比べて脳は休まりません。当然、我々はなるべく暗いところでゆっくり眠りたいと無意識に思い、電灯を消して布団にもぐりこんでいるわけですが、これは文鳥も同じでしょう。

 ようするに、病気で安静にしていたい文鳥の横に、良かれと思って白熱灯をつけるなど、はっきり言えば異常行為です。確かに慣れれば、仕方がないのでその状態でも眠るでしょう。しかし、それは病鳥の安静を奪っているに等しい行為と見なすのが、常識的な判断だと思います。
 確かに健康な時なら、人間も文鳥も日向で昼寝するでしょう。しかし、病気で体を休めたい時に、直射日光を求めてさすらうようなことをするでしょうか
(人間で「太陽の光で健康になる」という信仰を持つ人は別)?薄暗いところで安静にし、回復を待つのが自然なのです。
 少なくとも、病気の文鳥にわざわざまぶしい思いをさせる必要は何一つないはずです。回復を待つにあたって、手近に食べ物や飲み物があったほうが良く、真っ暗では見えず食べられない心配があるので、控えめに明るくするしかないだけの話です。飼い主が気を利かせたつもりでも、明るすぎれば安眠妨害以外ではありません。

 さらに、本来、病鳥看護の限定つきの話を、たんに「保温には白熱灯が良い」と単純に誤解して、健康な文鳥やヒナを毎晩煌々と白熱灯で照らしたらどうでしょう(そういう人が現実にたくさんいます)。それは一日中昼間の環境を強いているのも同然であり、それでも生理機能に狂いが生じ健康を害さなかったら、むしろ不思議なくらいに無茶苦茶な行為です(推奨している人は反論できますか?)
 それでも、病気の看護期間限定なら使用しても良いと思われる方には、お尋ねしなければなりません。健康な文鳥にしてはいけないことを、どうして病気の文鳥では出来るのですか?

 他に保温の手段があるのなら、白熱灯などわざわざ使わない方が良いのです。むしろ使うべきではありません。普通に、健康な文鳥やヒナの使う器具で暖房し、病気の場合は真っ暗にはしなければ良いだけの話です。何ゆえに白熱灯などにこだわるのか、まったく理解に苦しみます。


「ヒナは生後3ヶ月まで閉じ込めておけ!」その成長期への無理解★
 

 これは獣医さんの開設されているホームページの中で、ある獣医さんが展開している論説です。原文に則して、かいつまんで内容を記すと、次のようになります。

 さし餌をしている幼鳥や、さし餌で育った若鳥に、栄養性脚弱として『は行』(真っ直ぐ立てない)するものが多く見られる。原因は栄養不足で、ムキアワなど殻むき飼料のみで育てた場合に多く起きる。
 また、
幼い頃から広い場所で遊ばせるといった「飼育管理上の誤り」によっても、『は行』にいたる。従って、治療には安静と栄養(ビタミンB群、カルシウム、ビタミンA・D3・E)の経口投与などが必要とし、また予防策として、アワ玉を十分に与える事と、生後3カ月までは外に出して遊ばせないようにし、遊ぶ時は飼い主がカゴの中に手を入れて遊ぶようにしなければならない。

 文鳥のヒナ段階で起きるいわゆる脚弱症が、栄養不足に起因することは、普通の飼い主の間でも常識と言って良いでしょう。そして、それがカルシウム不足というより、ビタミン D3の欠乏による人間でいうクル病(幼児期の骨軟化症)と同じものと考えられることくらい、獣医さんにとっては常識だと思います。つまり、ただのムキアワだけを与えていれば、栄養障害が起こるのはそのとおりです。
 しかし、ここで「栄養性」脚弱の問題としながら、幼少時の運動にその原因を求めているのは、論理的におかしな話です。万一、運動で『は行』になるとすれば
(一般的にそのような事実は無い)、それはすでに「栄養性」では有り得ず、別の問題として考えねばならないはずでしょう。
 さらに、この獣医さん個人が考え出したものかは存じませんが、その「予防策」には大いに問題があります。本来、繰り返しますがご自身が「栄養性」の問題としているのですから、予防策としては、栄養に気をつければ良いとしなければならない話です。ところがまったくそういった論点の整理も無いままに、運動の問題を取り上げてしまっているのですから、論理構成が無茶苦茶です。そして、生後3ヶ月まで外で遊ばせるなという、栄養性脚弱という命題とは無関係ながら、飼育に重大な影響を与える蛇足を平然と加えるのですから、これは驚き入ってしまうしかありません。

 この獣医さんは、生後3ヶ月未満の文鳥をカゴから出して十分に運動させることを、「飼育管理上の誤り」と決め付けてくれます。カッコ内は私の脚色ではなく、そのように断言されているのです。しかし、一体どこの世界に、健康な幼児を捕まえて、成長途上で骨がしっかりしていないから、といった理由をもって、運動させずに部屋に閉じ込めておくように主張する、あえて言えば『バカ』がいるでしょうか ?
 成長途上であるからこそ、十分に運動して骨格の健全な成長をはかる必要があるのは、人間も文鳥も同じであり、適度な運動が骨の成長に重要不可欠なことくらいは、科学的な常識というものです。まして、飛翔という多大な心肺負担をともなう行為が必要となる文鳥では、ひとりエサ後のこの時期に、運動し心肺機能を十全に働かせることが、後の健康にもかかわる重大性を持っていると認識すべきだと思います。
 それにしても、このような理屈以前に、「走り回る子は健康になる」といった程度の一般常識の持ち合わせすらない人間が、生き物を扱うこと自体に、私は大きな不安を感じてしまいます。

 もし、すでに脚弱症になったヒナに対して、栄養面の改善や脚の補正治療と共に、上のように運動を控えるように飼い主に対し治療上の指導をするだけであったなら、それは至極当然の話でしょう。しかし、健康で飛びまわりたがる健康な手乗りのヒナを、カゴに閉じ込め続けたら、それこそ「飼育管理上の誤り」と断言せざるを得ません。
 そもそも、少々落下したくらいで『は行』するなど、元から栄養性脚弱症の傾向があった文鳥以外には考えられない話です。おそらく、何かしらこの獣医さんの体験に基づいての推論なのでしょうが、特殊事例から一般論を展開するのは浅はかであり、飼育サイドから言えば非常に迷惑です。さらにそれが、思い込みだけの論理矛盾だらけの話であれば、もはや有害なだけです。
 治療の専門家であれば、例え飼育についてシロウト同然であっても
(しつこいですが、獣医さんは飼育のプロではなく治療のプロ)、その影響力は、一般のシロウト飼い主とは比べ物にならないくらいに、はなはだ大きいものがあります。そういったご自分の立場を十分に自覚して、無責任に「飼育管理上の誤り」を流布しないように、ご注意頂きたいものです。


「餌づけはソノウが空になってから!」その人間的な非現実★
 

 これはだいぶ前から、ヒナの餌づけにパウダーフードを使用する際の留意事項として、獣医さんなどが注意されていた話だと思いますが、文鳥のアワ玉主体の餌づけでも同様と考える(もしくは両者の区別がない)意見が、獣医さんにも散見されるので指摘しておきます。

 ソノウにエサが残ったまま次のエサを与えると、消化しきれずに水分のみが吸収され、エサはソノウ内で腐り、病気を引き起こす。したがって、餌づけはソノウが空であることを確認した上で、おこないなさい。

 文鳥の餌づけに、パウダーフードをお湯で溶いたドロドロの液体を用いることの良し悪しは、私には判断できませんが、孵化1週間以上を経過した文鳥のヒナにとって、それがより不自然な食べ物であることは間違いありません。なぜなら、親鳥は消化して液体となったエサをヒナに与えるのではなく、直前に食べてソノウに貯めてあるエサを、そのままの形でヒナに与えるものだからです。
 私はパウダーフードで餌づけした経験がないので、とりあえずパウダーフードの場合、古いエサが残っている状態で新たなものを加えると、食滞を起こしやすいとする話については、他人事に聞くだけでした。何しろ、文鳥のヒナのエサとしては不自然には違いないので、人間の管理が行き届かなければならないのも、仕方がないだろうと思ったのです。
 一方、一般的なアワ玉主体の餌づけでは、ソノウが空になっていなくとも、次の給餌をして何の問題もありません。それは、少し考えれば誰でもわかることのはずです。なぜなら、ソノウにエサが残っているかどうかは、目で見て確認しなければわかりませんが、そのようなことが出来るのは人間しかいないからです。文鳥の親鳥は、ヒナがエサを欲しがり口を開けるのでエサを与えるだけで、ソノウの中身の確認などしません
(そういった判断が出来る動物でもない)。またヒナ自身も、ソノウの中身が減ってくれば、空でなくとも口を開けるのが自然です。何しろ、もらえる時に一杯詰め込まないと、自然な状態では成長もおぼつかないのです。
 お考え下さい。「お腹が空いてきたなあ、でもまだソノウに少しエサが残っているから、口を開けるのはやめとこう・・・」、生き残れますでしょうか?
 普通なら、先に食べたものから順次消化されていくはずで、自然に近いエサでは、ソノウに残っていようといまいと無関係なのです。もし、なかなか消化せず食欲不振であれば(食滞症状)、それは餌付けの仕方に問題があるのではなく、何らかの病気にかかっている結果の症状と見なすのが常識的な判断のはずです 。原因(病気)と結果(症状)の関係を逆さに勘違いしてはいけません

 文鳥のヒナの餌づけに際して、飼い主なり獣医なりが認識しなければいけないのは、アワ玉主体とパウダーフード主体のエサでは与え方が異なりパウダーフードは与え方に人為的な判断が必要となる不自然な存在だという、当たり前の事実だけです。したがって、アワ玉主体と同様の方法でパウダーフードを用いれば危険となっても不思議はなく、逆にパウダーフードでの注意点はアワ玉主体では無用な話ともなるのです。

 蛇足となりますが、私がこの話から考えてしまうのは、ペレットのような人工的なエサを主食にしての繁殖では、問題が起きないのだろうかといった点です。ペレットを親鳥が食べソノウに溜め込んだ時点で、ほとんど液状になっているでしょうから、もし液状のエサでは、古いものが残っている状態で新しいものを与えると問題が起きるのが事実であれば、どうなるでしょう?ヒナが自然な欲求にしたがい、ソノウにエサがまだあるのにエサをねだれば、「あら、まだソノウに残ってるから、あとでね!」などと親鳥が理性的に考えて、給餌を控えるわけがないではありませんか!
 つまり、このパウダーフードの場合に主張される「餌づけはソノウが空になってから!」という話を信じれば、あくまでも論理的には、ペレット主食での繁殖ははなはだ問題となってしまいそうなのです。そう言われれば、文鳥の繁殖をする人で、ペレットを使用する人の話を私は今のところ聞いたことがありません。そのあたりのことは、一体どのように考えて良いものか、私にははなはだ不思議です。


「平均体重20〜25g」その数値の危険性★
 

 この話は以前にも触れましたが、相変わらず「20〜25g」や、「22〜25g」などと、何の根拠もない数値に振り回されている飼い主が多く存在しています。この実態とはかけ離れている数値をもとに、不適切なダイエットを強いられては、文鳥の生命すら危険になるので、警鐘の意味で再論します。

※なお、「平均体重20〜25g」とするのは某動物病院のHP、「平均体重22〜25g」とするのは、某獣医さん監修のマンガなどです。前者は「文鳥とカナリアの平均体重」と別種の動物と混同しており、本来参考にすらなりませんが、その点は目をつぶっておきます 。

 文鳥の体重については、25gくらいを平均と考えるのが普通です。私は、体重など何でも良いと思っていますが(体重は病気の時に量りたい飼い主が量れば良いだけのものと考える)、以前、自分の10数羽の文鳥たちを量ったところ、22〜30gまでさまざまで、計算したところ、平均は25〜26g程度だったと記憶しています。そして、ちょうど私の目から標準と思える体格の文鳥は26gで、24gの文鳥はやや小さい体格、22gは小さく痩せ型、反対に28gはやや大きな体格、30gは大きく筋肉質な体格に見えました。ようするに、測定結果は「見たまんま」で、我が家の文鳥の平均体重も、私個人の文鳥の大小を見る目も、ほぼ平均的だと安心したものです(その目で見ると、小柄な文鳥たちが亡くなり、新しい世代に大柄の文鳥が多い今現在の我が家の平均値は27gはありそうだ)
 私の観察眼など信用出来ませんが、同じものを食べ、同じ環境で生活していても、22〜30gと存在していたのは事実です。初心者は、同じ種類なのに、それほど幅広く存在するものか疑問に思うかもしれませんが、文鳥は生き物であって規格商品ではありませんし、古くから各地で繁殖され系統もさまざまですから、個々にかなり体格が異なるのは当たり前なのです。したがって、文鳥の平均体重を、一般的に25gなり26gと見なすことは出来ても、体格、人間で言えば身長にあたる部分がわからない限り、その文鳥の適正体重などわからないと言うしかありません。例えば、我が家の例だけで言っても、「22〜30gくらいまでいて、平均値は25〜26g」とでもするしかないのです。

※2003年5月にお店で買った文鳥(キタ♂)は、お店の方針で購入の際に体重を量ってくれたのですが、その結果は27gでした。そして、2005年5月現在28gです。1、2gは誤差の範囲ですから(お店で量ったのは日中、家では夜間の放鳥後、朝の方が軽く、就寝前は多少重いはず)、体重は変わっていないようです。彼の場合は変化は見られませんでしたが(中身は筋肉質に変わっていると思われる)、もし、栄養状態の悪いお店で買ったのであれば、購入後体重が増えるのが当たり前でしょう。何しろ栄養状態は良くなりますし、カゴの外で運動すれば筋肉がしっかりするはずなのです。
 また、我が家生まれの文鳥(ヤッチ♂)は、生後5ヶ月の現在、29gある大柄な文鳥ですが、この文鳥は孵化16日目に親文鳥の元から取り出した時には、すでに26gあり、21日目には30gに達していましたから、太っていると言うより、先天的に大柄だったとしか考えようがありません。
 お店で買っても自宅で繁殖させても、25g以上で正常と見なすしかない文鳥が多いわけです。

 ところが、はじめて一羽の文鳥を飼うような人には、この体格による体重の違いが理解出来ていないことが多いです。そして「有識者」(とその初心者が信じている人)から、「健康管理には体重を量りましょう!」などと勧められれば、すぐにキッチン用のはかりを買ってきて、例えば量った結果が28gなら、標準より3gも重いとあわてることになります。そしてまったくの短絡思考で、それを「肥満」による体重超過と決めつけ、文鳥にダイエットを実行させることにもなるのです。
 しかもそのダイエットというのも、まずは「青菜を与える」「運動させる」といった健全な方向には向かわず、「〜を食べさせない」、さらに量制限という危険な方向に限って性急に進めていく傾向があるようです
(何かすることが良い事だと思い込み、意味など考えず何かしたいだけと言える)。そもそも、人間である自分がおやつを食べず、ご飯を一回食べないといったダイエット方法を、一日絶食すれば生命にかかわる文鳥で実践すれば、はなはだ危険なことに気づかないのです。
 文鳥に人間並みのダイエットを強いるなら、せめてその前に、文鳥の体重を人間に置き換えて考えるべきではないでしょうか?とりあえず、2000倍してみれば、22〜30gは44〜60kgとなりますから、人間の女性との単純な比較も可能になりそうに思います。もし、身長140cmの小柄な女性が60kgあれば、ダイエットを考えても良いかもしれませんが、反対に身長170cmの長身の女性が44kgであれば、やせすぎでかなり心配な状態ではないでしょうか?そもそも、もし、あなたの体重が60kgと言うだけで、太りすぎと言われたらどうでしょう。本当は、170cm以上のモデル級の体格かもしれないではありませんか!この点では、文鳥も同じことなのです。体格を考えず、体重だけで判断するのは、まったくの出鱈目に過ぎません。

 さて、ここで問題となる「平均体重20(22)〜25g」ですが、そもそも、この表現方法自体がおかしいです。なぜなら、平均とはさまざまなサンプルの平均値のはずですから、このような大きな幅があっては、本来意味を成さないはずなのです。「平均すると、20(22)gかもしれないし、25gかもしれない」と言われたら、わけがわからないと思いますが、この表記はまさにそういった意味でしかないのです。
 もし、「平均したら25gかもしれない」なら、その背景には我が家のケースのように、22gも30gも存在しても良いことになります。しかし、「平均したら20gかもしれない」はどうでしょう。平均値が20gならその背景には20g未満の文鳥がいるのでしょうか?しかし、それほど軽い文鳥は、病気以外にはおそらく存在しないくらいに珍しい存在でしょう。つまり、文鳥の平均体重20gなど、まったく有り得ない数値であり、この表記は虚偽でしかありません。
 しかし、一般的にこの表記を見た時、「平均」とは「だいたい」といった程度の意味と何となく思い、「平均体重22.5gでプラスマイナス2.5gまでが許容範囲」
(「平均体重23.5gでプラスマイナス1.5gまでが許容範囲」)といった受け止め方をするのが普通だと思います。もしかしたら、より漠然と、「文鳥は20(22)〜25gが普通」と思ってしまうかもしれません。そして、その設定された数値の間に収まっていなければ、『異常』と受け取ってしまうように思います。
 つまり、それが意識的なものか、それともただ間違えているのか知りませんが、この数値が「平均体重」と断っていても、そこに厳密に考えれば有り得ない「〜」と一定の幅を設けているために、かえって、人間の場合身長が分からなければ意味がないのと同様に、体格が異なれば意味がない個々の文鳥の「標準体重」と誤解され
(人間の場合身長ごとに標準体重は異なるのは当たり前)、それがあたかも、すべての文鳥がその範囲であるべき普遍的数値と見なされてしまうのです。そして、おもに初心者に「標準的な文鳥は20(22)〜25gである」と間違ってインプットされてしまう結果を招きます。

 しかし、実際は25g程度を平均体重とするのがコンセンサスで、それは標準の上限ではなく平均値そのものなのです。一方、文鳥の平均体重を23gとするコンセンサスは、残念ながらいまだかつて存在せず、文鳥が最近矮小化したとの話もありません。良いものを食べさせてもいないペットショップで売っていた、さして大柄にも見えない文鳥でも27gあり、ヒナ段階で30gある文鳥もいるのが現実なのです。
 もし、今までのコンセンサスも何もかも無視して、23gが平均値だと珍しい主張をしたいのなら、自分の頭だけの数値で他人を惑わす目的でない証拠に、データを提示してもらいたいものです。そうでなければ、平均値が25gであれば、それより上も下も存在するのが前提であるにもかかわらず、26g以上の文鳥だけを特異な存在とする異常な認識を、心ある人から疑惑の目で見られても仕方がないでしょう。
 文鳥の体重としては、平均値が25g程度で、標準体重の下限をマイナス5の20gとしたければ、上限はプラス5の30g、下限をマイナス3の22gとしたいなら、上限はプラス3の28g、つまり、あえて表記するなら、「標準体重20〜30g」「標準体重22〜28g」とする以外にありません。それではあまりに漠然としていると思えば、普通に「平均体重25g」とすれば済む話です。
 ようするに、平均体重を25g程度と理解している限り、「平均体重20(22)〜25g」などという数値は、20(22)gと下限に考慮を見せる一方、上限は一切無視するという、数学的処理の上でも異常な数値でしかなく、文鳥は平均よりも小柄であっても良いが、大柄であってはいけないとしているのも同然の馬鹿げた話でしかありません。
 そして、もし、この数値が全文鳥の半分近く存在するはずの26g以上の文鳥を、太っていることにしたいだけの目的で設定しているのであれば、それは数値の操作であり、詐欺行為に近く犯罪的ですらあります。少なくともそのように勘ぐられても、仕方がないところでしょう。十分に気をつけて頂きたいものです。

 そもそも、20gでも32gでも体格の差で標準とすべき体重は違いますから、まともな獣医さんなら、体重など量る前に、握った時の筋肉のつき方などで健康状態を判断する以外にないと思います。体重を量るならその次で、もしその時に理想的肉付きをしていたら、その文鳥の基準体重として飼い主に知らせるのが本当でしょう。感触で確認もせず(出来ず?)、体重計の数値のみでうんぬんするようでは、シロウトより始末が悪いと言うものではないでしょうか?
 まして、基準とすべき体重が30gであるべき文鳥を、たんなる平均に過ぎない25gという数値を目指して、「治療」したらどうなるでしょう?それは人間で言えば、170cm60kgの人を無理やり50kgにするようなものです。体の小さな文鳥では、人間以上にやせすぎは、体力の低下を招き危険な状況にすることを、しっかり認識してもらわねば困ります。飼い主がくだらない数値におどらされ、うかつな判断と行動で余計な事をして、自分の文鳥の健康を害しては、取り返しがつかないのです。

※2005年4月末、以上のように書き上げた後で、文鳥の「平均体重22〜25g」とされていたのと同じ獣医さんが、おそらく最近まとめられた文章の中で、「平均体重22〜27g」と改められているのを確認しました。この数値なら、平均と言うより標準体重の幅としては、無理が無いと思います。
 なお、以前の指摘(「獣医の誤解」)で、私は平均24、25gとしていましたが、その後の経験から24では平均値としては低いと考えを改め、25gとしました(我が家の文鳥のみならず、一般的に大型化の傾向があるような気がしている)。


「アワ玉を与えてはいけません!」その現実離れした思い込み★(2005・8加筆)

 以前、小鳥の専門病院のサイトに、アワ玉を自宅で作った場合、冷蔵庫で二週間ほどしか保存出来ないほど腐りやすいにもかかわらず、常温で市販出来るのは、保存料などをたくさん添加しているからだろう。と、なかば決め付けた内容の記載があり、その世間知らずな思い込みに、いたたまれなくなったものでした。
 自家製のアワ玉は、雑菌が浮遊している部屋で、ムキアワに生の卵黄をかけて自然乾燥するだけで、何ら殺菌処理もしていませんから、これは長持ちするわけがありません。しかし、専門的な工場で十分に乾燥してあるなら、そう簡単に腐るわけがないのです。さらに、その工場が衛生的で包装がしっかりしてあれば、常温であっても何ヶ月たっても問題ないのは当たり前ではないでしょうか?
 例えば、市販のマヨネーズは常温の店頭に並んでいますが、もし家で生卵とお酢とサラダ油で自家製マヨネーズを作り、夏の台所に置きっぱなしにしたらどうなるしょう?たぶん一日とは持たず腐るものと思います。では、市販のマヨネーズは保存料が山ほど添加されているでしょうか?せいぜいビタミンCなど体に害のないものが保存料として添加される程度で、有害な合成保存料の類がたっぷり添加されていたら、誰も買わないでしょう。乾燥しないだけ、アワ玉などより腐りやすいはずのマヨネーズでも、開封しない限りは常温でも平気なのです。ようするに、家でお手軽に作った半生のアワ玉と、乾燥と包装を施した加工食品としてのアワ玉を同一視するなど、見当違いもはなはだしいのです。
 あまた存在する市販のアワ玉に、有害な合成保存料が使用しているものが無いとは言えません
(私の使用する通販会社のものは乾燥し真空パックするだけとサイトに書かれており、信頼し愛用している)。しかし、添加する必要の無いものを、わざわざ使用する酔狂は珍しいものと思います。おそらく多くの商品は、たんに乾燥させて(このやり方に工夫があるのでしょう)袋詰めしているだけだと考えるのが自然だと思います。問題なのは、製造日や消費期限が明示していないことにありますが、そういったものは最近減ってきているように思えます。

 さて、その後意見が変わったのか、当該サイトはこの思い込み部分を削ったようですが、いまだに次のような論拠を挙げてアワ玉を否定しています。また、その病院で修行したという獣医さんが、患者飼い主におこなったとされるアワ玉否定の話も、先日偶然ネットで見かけたので例示して検討します。

(『鳥専門病院』サイト内の内容)
 
「成長期や繁殖時には、たんぱく質は約20%必要とされており」、アワ玉でそれ程のタンパク質を含ませるのは不可能なので、アワ玉で育雛するのは不適当だ。
(某獣医さんの発言内容)
 アワ玉は、卵をまぶしているのに常温保存で賞味期限もなく、
保存料が使われている可能性が高い
 また、アワのデンプン質は熱湯をかけられると、
消化しにくくなる
 従って、アワ玉ではなくパウダーフードを与えるのが良い。

  サイトを公開されている獣医さんは、鳥の治療についてはスペシャリストのはずですが、この発言はあまりにお粗末と言わざるを得ません。そもそも鳥の種類の特定もせずに、「成長期や繁殖時には、たんぱく質は約20%必要」などと断定するのは、軽率を通り越して常軌を逸しているとさえ思える暴論です。
 果実や種子、そして穀物の中で、いったいタンパク質を20%含むものがあるでしょうか?ちょっと思い浮かばないです。それでは、自然状態でタンパク質の含有量の少ないエサを主食とする動物は、繁殖できないのでしょうか?そんなわけがありません。タンパク質が少ない食べ物を主食にしていても、立派にそれに適応して進化したからこそ彼らは存在しているのではありませんか!
 文鳥に関して言えば、タンパク質など10%程度しか含まない穀物を主食とし、さらにタンパク質などほとんど含まない青菜やボレー粉を副食にし、実はタンパク質など10%も含まないアワ玉で「発情促進」されて
(某飼料会社のアワ玉のタンパク質含有量は9.1%になっている)何十代、何百代と延々と繁殖してきているのが、動かしようのない現実なのです。つまり、文鳥、さらに他のフィンチやセキセイインコにとっても、タンパク質を20%も含む食品は不自然以外の何物でもなく、それは飼育の現実(何を食べさせているか)を考えさえすれば、誰にでも自明のはずです。
 もし飼育の現実を理解していれば、「成長期や繁殖時でも、たんぱく質は約20%も必要ない」という結論以外には出てきません。そもそも、何らかの参考書に「成長期や繁殖時には、たんぱく質は約20%必要」などとあったとしても、それを根拠にものを言う前に、まずその数値の対象くらいは確認しなければならなかったと思います。なぜなら、肉食や昆虫食の鳥を含めて鳥類全般の平均値としては、その程度になるかもしれませんが、穀物食の鳥に対しての数値であれば、現実離れした異常数値となってしまうからです。
 現実離れした数値、鳥の種類さえ考えない大雑把な数値、そのようなものを頭から信じてしまい、賢しらに他人に「指導」するのは、はなはだ不適当だとは思いませんか?

 次に、発言内容の方ですが、腐らないのは保存料のおかげ、という修行先に獣医さんから脈々と受け継いでいるらしい主張は、異常な気の回しすぎでしかないのは前述の通りです。
 奇怪なのは、この獣医さんがパウダーフードは保存料を使っていないと思っているらしい点です。パウダーフードも加工食品ですから、基本的には保存料無しにはありえません
(普通に常温の陳列棚に並び、消費期限もそこそこ長くは無いですか?アワ玉と違った扱いがされていますか?)。第一、よく保存料の添加で問題となるのは、保存料の使用の有無ではなく、使用される保存料の有害性が高いか低いか、つまり、その種類(および量)についてのはずです。この点、実に困ったことですが、まったく理解出来ていないようです。

※加工食品であるペレットの中には、まったく保存料の類を添加していないとする珍しいものがありますが(当然劣化しやすいので、開封後は冷蔵庫で保存の上、早めに使いきらねばならない。消費期限が短いので店頭での取り扱いが難しくなる)、ヒナ用パウダーフードに関しては、文鳥用に用いる人の多いラウディブッシュやケイティ社の製品は、当然ながら保存料が添加されています。ただし、添加されるのが普通であり、安全性は考慮されているはずですから、過剰反応する必要はまったく無いと思います。

 アワに熱湯をかけると消化しにくくなると言うのは、でん粉質が水と熱でアルファ化することを指していると、科学的には考えられそうです。しかし、穀物がアルファ化してネバネバになるには一定の加熱時間が必要であり、熱湯をかけたところですぐに変質などしません。
 例えば、お米を炊いてアルファ化したもの、つまりご飯を食べる我々日本人ですが、さて、いくらご飯を炊く時間がないからといって、普通の白米に熱湯を注いで食べられるでしょうか?硬くてほとんど食べられないはずです。確かに、アワも煮込めばアルファ化して、ヒナの消化に悪い食べ物となると考えられます。しかし、上から熱湯をかけたり、昔から良く行なわれるように「ひと煮立ち」
(火にかけ沸騰したら消す)程度では変質しないのが紛れもない現実なのです。これは科学的なデータもある話ですが、それ以前に、飼育経験が多少でもあれば、経験的に理解できるはずの常識なのです。
 
(なお一度アルファ化したものを冷やし乾燥させるとベータ化します。このベータ化したものに水を入れると、短時間でやわらかくなります。お菓子など一度加熱したものを、小鳥にあまり食べさせない方が良いとする理屈は、塩分や油分よりも、一旦アルファ化したものなので食べると粘つく点にあると言えます)

 市販のアワ玉に消費期限記載の無いものや、玉子の添加が少ないものがありそうなのは事実でしょう。しかし、一部の商品の問題点で、伝統的に問題なく続けられた方法全体を否定し、扱いの難しいパウダーフードを安易に推奨するのは、あまりに飼育に対して無知で軽率であり、さらに病院でいちいちパウダーフードを処方するようでは、商売的な態度と指弾されるべき要素さえ持つものと思います。
 まして、アワ玉を否定したいが為だけに、非常識で非科学的な理由を振り回すなど、それを自覚しているなら言語道断で見苦しい話であり、自覚していない飼育素人の思いつきなら、飼育上無責任極まりなく迷惑な話です。

 アワ玉主体で文鳥の餌付けをするのは、親鳥の給餌方法に近く、少なくとも半世紀は繰り返されてきた安全な方法です。しかし、市販のアワ玉の多くは全面的に信用出来ず(栄養価もどの程度玉子が入っているかも不明)、粗悪なアワ玉のみで栄養不足が生じるのも確かです。したがって、何をヒナに食べさせて良いのかわからない初心者に(アワ玉とムキアワの区別すら出来ない!)、そういったアワ玉選びの注意点を挙げ、当然他の食べ物を添加して補うべきことを示した上で(この系統の獣医さんたちは、配合エサだけ、アワ玉だけ、では栄養的に問題が起きるとして、安易に人工飼料を薦めている印象を受けますが、「だけ」でなければ良い「だけ」の話であり、普通のまともな飼い主は「だけ」で飼育などしません)一つの選択肢としてパウダーフードも考えられることを伝えるのが本当ではないでしょうか?
(当然、文鳥にはアワ玉主体が適していても、中大型インコにそれが薦められるものではない。獣医さんも飼い主も鳥の種類による違いを十分に考えなければならないと思う)
 もし、その飼い主がパウダーフードに興味があるようなら、その良い面悪い面をしっかり伝え、固体のアワ玉よりも流動性が高く誤嚥の危険も高いのも確かなのですから、
与え方もきちんと指導するのが当たり前だと思います。思い込みからのいい加減な知識でアワ玉を否定し、無知な初心者にろくな指導もせずにパウダーフードを押し付けるのでは、あまりにも飼育に関して無責任な態度だと、私は憤りすら覚えます。


 ★結語★

 『獣医師法』に、獣医さんは飼い主に「保健衛生の指導」を行なうように定められ、日本獣医師会がまとめられた『小動物医療の指針』(一般飼い主も、日本獣医師会のHPの「獣医師倫理関係規程・資料集」から一読されたい)にも、獣医師は、飼育者に対して、動物の健康維持に必要な事項について保健衛生指導を行わなければならない」とされています。
 しかし、これは当然のことです。ろくにエサも与えない、ろくに水も取り替えない、ろくに掃除もしないような飼い主も存在し、結果、伝染性の感染症を引き起こし、そのペットの生命のみか、飼い主、さらには近隣住民やそのペットの健康を脅かす可能性がありますから
(特に想定されているのは犬猫と思われる)、そういった公衆衛生の観点からも、獣医さんの努力が求められるのです。
 しかし、それは、「保健衛生」のための一般的な事項、例えばエサを十分に与え、水は毎日取り替え、放し飼いはしない、といった本来誰もが知っているべき常識を、問題飼い主に指導するだけのことです。それなりにしっかり飼育している飼い主に対して、「指導」と称し、さまざまにある飼育方法の中で、その獣医さんが勝手に信じている個人的な説を押し付けるとしたら、それは越権行為以外の何物でもありません。
 熱心なら熱心なほど、自分の信じる飼育方法を、事細かに「指導」したくなる気持ちは理解出来ますが、それがたんなる思い込みである可能性を、客観性がある大人であれば常に意識して、あくまで参考意見という立場を守ってもらわねば困ります。脅すつもりはありませんが、あまりに断定的にいい加減な飼育法を押し付けていると、獣医さんの場合、その立場上
(治療のプロフェッショナル)、たんなる思い込みの間違いでは済まず、治療過誤とされる危険もあります。

 飼い主は、その獣医さんが熱心なあまり、治療の枠を超えて、日常飼育に関する事細かなことまで「指導」してくれたとしても、「さすが飼育のプロだ」などとする幻想を抱くべきではありません。あくまで一つの参考意見と受け止めて、自分の頭で考え判断しなければいけないのです 。
 そもそも飼育、つまり、文鳥と一緒に日常生活をするのは、誰それの言うことを聞いていれば大丈夫といった単純なものではないのです。単純でないからこそ、興味深くあきることが無いとも言えます。そのことは、初心者であろうと肝に銘じて頂きたいと、はなはだ僭越ながら私は思います。

 白熱灯での保温は病気看護の場合、またソノウが空になってからの餌づけはパウダーフードの場合、運動制限は栄養性脚弱症になった場合、本来はそれぞれ限定的な話であったはずです。それを、注意力の欠如した、もしくは飼育経験が身についていない(他人の見解ばかりで自分で考えようとしない)、単純に一般化して流布するのは、はなはだ有害な行為以外の何物でもないのです。
 いずれも、自分の子供のような文鳥の健康に直結してしまう話ですから、我々飼い主も獣医さんも、思い込みをせずに、冷静に論理立てて勘違いを減らしていく努力こそが、絶えず必要になってくるものと信じます。


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