2009/07

弐-1 値段と入手方法を教えて!

【結論】
 「安物買いの銭失い」になるなよ。

【解説】
 お店で普通に買うか、一般の飼い主さんから譲ってもらうかですが、値段や対応は様々です。例えばお店でのヒナの値段にしても、下の表のように、お店によって2、3倍の開きがあります。

品種 桜文鳥ヒナ 白文鳥ヒナ シナモンヒナ シルバーヒナ
価格帯 1000〜3000円 1200〜4000円 3000〜6000円 4000〜8000円

 文鳥には血統書がありませんから、高ければ「良血」と言うわけでも、安ければ不健康というわけでもありません。基準がないため、仕入れ先の違いやお店の裁量で値段が変わっているだけなのです。しかし、差があると言っても1万円以下で、10年近く生きる生き物の値段としては、おそろしく安い買い物のはずです。したがって、あまり値段の高低にこだわらずに健康かどうかを基準に選ぶのが無難と言えるでしょう。
 ペットショップによっては、文鳥のヒナの生命に関わるトリコモナスなどの感染症が蔓延していることがあるので、十分に注意する必要があります。もし病気だったら、せっかく千円安く買っても、それ以上の治療費が必要になってしまいます(世界中に1つだけ、同じものはない生命を愛する際に、買った時の値段など無意味)。
 一般の飼い主さん、もしくは繁殖家(ブリーダー)さんから「もらう」のもいろいろで、「もらう」と言っても有償の場合があります。例えば、譲渡の募集を行う掲示板(文鳥専用の「里親」「里子」募集掲示板)で「転売防止のため」有償とされることもありますが、これは無料で譲られた生き物を売って収入を得ようとする心無い人が、ごく稀に存在するらしく、そのための用心です。ただ、市場価格が高い品種ほど、転売防止目的での価格も高くしなければならず、収入がある以上は課税対象にまではならなくとも「動物愛護法」に抵触する危険が生じてしまいます(営利目的の売買には動物取扱業登録が必要。登録していない場合は無償を基本にされた方が良い)。
 また、応募する側もある程度の個人情報を相手に伝えねばならず、手ぶらと「物」をもらいに行くなど失礼になりますし、さらに成長後の報告も必要になることもあり、無償ならばこその面倒な面もあります。営利を考えない個人が栄養豊富な環境を整え、そこで繁殖したヒナの方が、経済動物として飼養された親鳥から大量生産されたヒナよりも当然健康なはずです。しかし、いろいろな人がいるのが現実の社会ですから、無償でも有償でも簡単には考えず、メールなどでお互いに十分連絡を取り合って決めた方が良いでしょう。
 なお、生き物の宅配は原則禁止の運送業者が多く、可能な場合も死着(運搬の途中で死んでしまう)の危険性があるので、「商品」と考えることのない一般飼い主さんが、梱包して地方に送り出すことは珍しいと思われます。小さく安価な生き物ですが、これから約10年間毎日をともに生活する存在ですから、人間の子供を迎え入れるような気持ちで、可能な限り直接受け取りに行きたいところです。
 なお、日本では真夏の暑い時期に繁殖しないのが普通で、繁殖農家や繁殖家もそれを前提に行動するため(休養期間・次の繁殖期に向けたペアリング期間にする)、7、8月に国産の文鳥のヒナは流通していません。しかし、外国産(ほとんど台湾産)は年中繁殖され真夏でも流通しています。一般家庭でも、少ないながらも夏に繁殖するケースがあり、夏にも「里親」募集があるものです。

※ お見通しだぁ〜!
 国産でも台湾産でも箱詰めされた大量のヒナが卸売り会社などに運ばれ、そこから各小売店に輸送されるはずなので、その置かれた状況に大差は無いものと言える。一般的には、台湾から空送される方が時間がかかるので、その分病気などのリスクも高まるものと思われるが、おそらく卸売り会社で選別や餌づけがなされるので、やはり店頭に並ぶ時点では大差はないだろう。
 従って、出身地にこだわる必要は無いが、白文鳥のヒナの場合、国産と台湾産を見た目で区別することが出来る(例外はある)。国産の白文鳥のヒナは背中などに灰色の有色羽毛があるのに対し、台湾産はほとんど純白なのだ。

【感想】 無償でもらうにしても、手ぶらでいけたら、日本人として珍しい。500円玉1枚で買えるくらいのお菓子を持ってくのが無難だな。


 

ヒナの押し競饅頭。

飛び蹴りをする国産桜文鳥と華麗にかわす台湾産桜文鳥。

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