2009/07

弐-7 付き合い方を教えて!

【結論】
  出しっぱなしは止めとけ。

【解説】
 成長段階によって接し方を変えていったほうが良いです。ペットショップなどで購入した場合、お店側が説明する孵化日はデタラメなことが多いので、信用せずに↓の写真を参考に自分で成長段階の見当を付けましょう。
 それぞれの成長段階でどのように接したら良いか、当然決まりがあるわけではありませんが、次のようにするとスムーズなようです。

孵化16〜24日目頃 ・・・  ヒナが1羽の場合、片手に乗せた方がエサが与えやすく保温にもなるが、与え終わったらすぐに容器に戻す(寝る子は育つ)。
孵化25〜29日目頃 ・・・  羽毛も生えそろい脚もしっかりしてくるので、差し餌の前後に10分程度遊んでも良い。具体的には、ワラ・牧草や爪楊枝(先端のとんがり部分は折る)など、細くある程度歯ごたえのある安全なものをかじらせると喜ぶ(人間の赤ん坊が歯固めとして物をかじるのと同じ)。
 また、湯漬けエサの場合は、アワ粒を指に乗せて見せたり、湯づけエサを給餌器に入れる様子を見せて、興味を持たせていくと、ひとりエサ(自分でエサを食べるようになること)への移行がスムーズになる。
 栄養十分で脚がしっかりしていて、容器内でガサゴソ激しく動き回っているようなら、座布団の上などに置き数十センチ程度這い歩きさせても良い(脚が正常か確認できる)。
孵化30日目頃以降 ・・・  飛べるようになったら、少なくとも日中はカゴの中で明るい場所で生活させ(エサや水の入った小さな容器を設置。休憩場所としてつぼ巣を設置するか、今まで使っていた容器をカゴの底に置いても良い。特に冬季は寒くならないように保温器を設置した方が良い)、差し餌時間になったら取り出して遊ぶ。手の中で長く(10分程度)眠らせても問題ない。

 親鳥が育てる場合でも、幼いヒナはエサが与えられる時以外は親のお腹の下で眠っているものです。それが少し大きくなると巣の中を動き回るようになり(巣から落ちるなどの危険な時期)、やがて巣から飛び立つようになるわけですから、基本的にそれと同じようにさせれば良いわけです。
 孵化30日を経過した後も、餌づけ時間以外ではカゴに戻すようにしていると、ヒナは自然にそれに慣れていきます。かわいいから、かわいそうだから、と言ってほとんどカゴから出したままにすると、ひとりエサ後も飼い主の姿を見えたり声が聞こえたり気配を感じただけでも、カゴから出たがり落ち着かなくなってしまいます。また、カゴから出したままの生活に慣れてしまうと、カゴに戻す必要がある時も戻すことが出来なくなりますし、飼い主の注意力が散漫になり、文鳥を踏んでしまうなどの事故の元にもなります。
 せっかく時間通りに餌づけをし、それ以外は容器で眠ってもらっていたのですから、そのヒナの時の習慣を利用して、放鳥(室内に出して遊ぶこと)時間とそれ以外のメリハリをつけ、短時間の放鳥ごとにカゴに戻すことで、昼間でも指に乗せて簡単にカゴに戻るようなってもらうと、文鳥自身も飼い主もストレス無く生活できるように思います。特に、飼い主の都合で毎日長い時間一定の時間帯での放鳥が難しい場合は、2、30分ずつ出しては入れるように習慣づけておくと、カゴに入ることに抵抗感の無い文鳥になってもらいましょう。また、もしメインに1、2時間程度の放鳥時間を設ける場合は、可能な限り毎日決まった時間帯にすると、その時間割が習慣づけられ、「帰宅拒否」など問題行動も起こされずに済むものと思います。

 特に手のり文鳥を1羽だけ飼育している場合、人間である飼い主は、文鳥の成長段階に応じた役割を求められることになります。
 初めはエサをくれる親です。ヒナは親である飼い主を頼り甘えます。ひとりエサになった後は、親と言うより親しい友だちの側面が強くなっていきます。自然状態であれば、大部分は親鳥から離れて同じ年頃の仲間や他の文鳥たちと集団で生活するようになる時期なのです。文鳥としては、親に甘えるより一緒に遊んだりケンカしたいので、それまで手のひらで静かに眠っていたのとは違った態度をとるようにもなります(さらにこの頃【孵化2ヶ月程度】から換羽が始まり、少々むずがゆいイライラが重なり攻撃的になる)。具体的には、飼い主の首筋などをつねったり、耳たぶをかんだり、といった行動です(個体の性格により差が大きい。やんちゃ小僧のイタズラが最も激しいのは、文鳥も人間も同じ・・・)。
 このつねり攻撃は、飛び上がるほど刺激的なものですが、ここで大声を出したり手で強く追い払ったりしてはいけません。文鳥にして見れば、羽毛がある仲間とのじゃれ合いと同じことをしているだけで、仲間であるはずの飼い主になぜか羽毛が無いため痛いのです。文鳥に悪意はないので、飼い主が怒っても理解できるはずがないのです。むしろ、かえって不当な暴力を受けたと感じ、飼い主を恐れたり、嫌ったり、敵とみなして攻撃するようにさえなってしまいます。痛みをこらえ、長袖を着たり、首にタオルを巻いたり、肌の露出押さえて防御したいところです。
 また、「ギャルギャル〜!!」と指にケンカを売るタイプの文鳥(オスの可能性が高い)の場合、それにあわせて指を動かして応戦すると、ケンカ友だちと見なされ、成鳥(おとなの文鳥)になっても、同じような態度をとられてしまう可能性が高いです。「ギャルギャル〜!!」と突っかかってくる文鳥と指でちゃんばらするのは楽しそうですが、後のことを考えてほどほどにして、クチバシを親指と人差し指で軽くつまむようにするなど、軽く受け流すようにしたいところです。
 このように、生後2〜6ケ月程度の間、誤解を与えないように注意していると、性成熟した手のり文鳥から恋ビト・伴侶と見なされて、その後何年もベタベタ・ラブラブの状態で生活することが可能になります。頑張りましょう!

※ お見通しだぁ〜!
 文鳥に二の腕をつつかれたり、つままれたりした時に耐え、血を吸われてもひたすら耐える、といったマンガ(今市子『文鳥様と私』)での描写がある。しかし、これは飼い主の対応として行き過ぎであり、血の通う生物として不自然といえよう。
 何の反応もしなければ、文鳥は噛めば血が出る物体としか認識出来なくなってしまう。例えば、幼児期の仲間との遊びの中で、相手にたたかれれば痛いから、自分も加減するようになるものだが、たたいても無反応なら、いくらたたいても良いものと誤解されてしまうだろう。
 もちろん自分も文鳥のつもりになって反撃すると、2000倍の体格差のある相手に、一方的にいじめているものと文鳥に誤解されてしまう危険性があり、十分な加減が必要だ。痛ければそっと手を出して止める。その手を攻撃してきたら、クチバシを指でつまむ、そういった反応は飼い主として以上に生き物として必須と心得られたい。

【感想】
 クチバシの先っぽでの「チネリ」はきついよね。でも、あたしは針治療だって自分に言い聞かせてるよ!!

 

孵化16日目

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孵化30日目

 

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